第2話

「はい、ではーホームルーム終了。1コマ目の準備しろー」

と先生が言い、教室を出る。憂鬱な時間が始まった。


 昼休みになった。

「かなめ~飯食お」

「あ、うん」

お弁当を僕の席の半分を使って開く。

「柊!今日学食?」

「ん?ああ、いや今日は購買のパンでいいかな」

「んじゃ私の買ってきて」

レナちゃんが財布を柊に投げる

「何がいい?」

「センスで!」

「オッケー」

レナちゃんが近づいてくる。隣の席のイスを僕の机に近づける

「んね、これめっちゃ可愛くない?」

見せてきたのはスマホの画面、そこには最近人気のキャラクターモチーフのスマホケースの予約画面だった。

「うん、めっちゃ可愛いねそれ。僕も欲しいんだけど、今のが使いやすくって」

「あー慣れてるしね~」

「あ?なにそれ、流行ってんの?」

と画面をいつの間にか覗いていた

「は?ルイ、あんた知らんの?」

「うん」

はぁ~とため息をつくレナちゃん。そんなところに柊が帰ってくる

「あ、メロンパンでよかった?」

「ん、いいよ~せんきゅ」

「はい財布」

そして柊も画面をのぞき込む

「あ! 俺もそれ買ったぜ!」

「マジ? あんたサムライ女子ガール知ってんの!?」

「おお、いや妹が好きでさ、それに影響されちゃって」

サムライ女子とは。

今話題の女児向けアニメ、日曜朝7時に放送している女児向けアニメだが、各所に散りばめられた伏線、おそらく女児には理解できないブラックジョーク、各有名ロボットアニメのパロディが多く女児向けアニメでありながら、ロボットアニメファンや大きいお友達、娘と一緒に見ているお父さんまでもを虜にしている。

「妹ちゃんって何歳だっけ?」

「今年で6歳」

「へぇ~妹居たんだ」

「そういえばルイにはいってなかったっけ」

「僕も聞いてなかったかな」

「要も知らなかったんだ、柊の妹チョ~いい子でチョ~可愛いんだよ」

そういえば柊とレナちゃんって小学校から一緒なんだっけ

「それでさ、今週の見た?」

「見たよ、まぁあれだけわかりやすい伏線はってたらそうなるよね」

「まあね~でもさ、リコが薩摩だとは思わなかったよな」

「いやでも見返してみたら、最初から蜻蛉の構えだったし」

「いや~あれはわからんって、普通の八双はっそうだと思うじゃん……」

そんな二人の会話を聞いていると肩をたたかれ、後ろを振り向く。

「要、お前何言ってるかわかる?」

「全然。僕も見てるけどそんなに考えて見ないよ普通」

二人で苦笑しながら、お昼を食べる。


「んじゃ、部活あるやつは部活へ、帰るやつは気をつけてな」

先生がそう言うと、全員が立ち上がり、それぞれの放課後に向かう。

「かなめ~かえろ~」

とレナちゃんが近寄ってくる。

「それじゃ、服でも見に行く?」

「いいね!じゃぁとりあえず駅前?」

「うん!」


今日はレナちゃんと服を見て回った。

「こんなのどう?」

「ちょっと女の子過ぎない?」

「え~いいじゃん可愛いよぜったい」

そういわれて断りきれず、試着、購入。ちょっと見るだけのつもりが!

「あ、スタバいこ」

「いいよ」

僕はアイスティー、レナちゃんはソフトキャラメルカフェを注文。

「それでさ、ずっと聞きたかったんだけど、聞きにくいこと聞いていい?」

「いいよ、何?」

真剣な顔になるレナちゃん

「要ってさ、男の子と女の子どっちが好きなの?」

「あ、あ~それね」

「え? 地雷だった?」

「いや、大丈夫。今は、男の子で好きな子がいるかな」

レナちゃんがにやりと口角を上げる。

「誰なんですか?」

くすくすと笑いながら聞いてくる

「いやだ、言わない」

「え~いいじゃん!あたしと要の仲じゃん!」

「絶対ヤダ。馬鹿にされたくないし」

「フーンそっか」

と、にやけた顔だったレナちゃんが真剣な顔に戻る

「私はね、男の子も女の子も好きなんだ、だから、男の子で女の子みたいな人が好きなんだ」

それって……そうか、僕のことを。

「そっか、でもごめん」

「待って! 全部言わないで。わかってる」

悲しそうな顔で下を向く。

「でも絶対振り向かせるから。そんなどうでもいい男忘れさせちゃうから!」

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