第3話
本当にどうかしてると思う。
何がといえば、俺の幼馴染のことである。その幼馴染は昔から可愛かった。なのにずっと可愛くなりたくて努力してた。その努力を一番近くで見てきて、一番そのつらさを理解してるつもり。だからそいつのことをもっと知りたくなるのは普通のことだった。だから、特別な気持ちになるのには時間は必要なかった。
「おい! もっと走れ!」
「あ、すみません!」
そんな俺は部活中である。
「柊! 喋る暇あったら走ってこい!」
俺たち二人はバスケットボール部に所属している。昔は要と一緒にミニバスをやっていたのだが、中学で男女分かれるのが難しくてすぐにやめてしまった。
小さな時からそうだった。何を言われようと、何をされようと曲げなかった。いつもほかの男にいじめられたり、馬鹿にされても言い返さず、やり返さなかった。そして俺が間に入って辞めさせる。その時俺がなぜやり返さなかったのか聞いたことがあった。そしたら
「僕が変なのはわかってる、だけどそれにビックリしちゃうのは当然だし、やり返したら僕みたいに好きな格好のできない人がもっと増えちゃうから」
その時、俺はこいつを守ってやらないとって思ったんだ。すげぇ奴だったから。
そう思い返してみれば、その時からだったのかもな。
「やっと帰れる!」
部室でくつろぎながら着替える柊。こいつは高校からの友達だけど気のいいやつで、要をのぞいたら今一番仲のいいやつだ。
「今日やばくなかった?」
「マジでそれ! 監督めっちゃ機嫌悪かったよな」
そんな話をしながら帰路に就く。
「でさ、お前って今気になってるコいるの?」
「あ? なんだよ急に」
さっきまでダークマターがどうのこうのって話が何で急にこうなったんだよ
「いやさーお前の周りかわいい子いっぱいいるじゃん」
「いや、そんないないだろ」
「いや、要とかレナとか」
「要は、まぁうん」
「お? まじか」
「あ?」
「へぇ~そうなんだぁ~」
「なんだよ!」
何にやにやしてんだよ!
「いや、まぁ。可愛いよな、あいつ」
急に真剣な顔になる
「男には思えなくなってきたよな」
「まぁな。あ、じゃあな」
「おお、明日~」
そういって別れる。
「そっか、ルイは……。まぁわかりきってたことだしな仕方ないか」
ゆっくりと歩いて帰った。
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