第21話  意外な見合い相手

 エドワゥとミレーユの事は、あたくしの胸の中にだけ閉まっておくことにしました。

 二人はもう、社会的に抹殺されたのです。

 ミレーユもこの家に帰って来ることは無いでしょう。


 二ヶ月ほどした時です。

 一枚の肖像画をお父様に渡されましわ。

 驚きましたわ!!アランでした。


「もう、お前で良い!伯爵家を立て直してくれ!」


「お父様!!あたくしをお金のために、売るのですか!?」


「お前も23歳になるではないか!!いい加減に嫁にゆけ!!

 アランは昔、家で預かっていて気心も知れてるし、お前とは駆け落ちまでした仲だろう?」


 あたくしは震えて言いましたわ。


「あれは、あたくしの人生の中においては、黒歴史の出来事ですわ!!」


「とにかく、先方はお前で良いとの事だ。来月の中旬に見合いの日をセッティングをしたぞ。菓子ばかり食べて、腹が出とるぞ!もっと、身体によいものを食べなさい。来月までには少し瘦せておくように」


 お父様は、それだけ言いますとあたくしの部屋を出ていきました。

 大好きなお菓子の食べ過ぎで、太っているとおっしゃって……!!


 あたくしは姿鏡で、自分のドレス姿を映してみましたの

 ウエストが……少し大きいでしょうか……

 あたくしのドレスはウエスト部分は、少し大きく作ってありますのよ。

 だってあたくし、お腹がすくと、とても不機嫌になるのですもの。

 それもこれも、13年前のアランとの駆け落ち事件がきっかけですわ!!


 でも、あんなにミレーユの事を愛していたアランが、あたくしの事を受け入れてくれてくれるとは思いませんわ。

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