第19話 迫る災厄
ナンケー地方 南西部ヨーリィの都市であるラナは、首都レンヨーから近く 善人を絵に描いたような風貌で ふくよかな体型の筆頭大臣
「父上…ご報告が……」
ラナには政庁が存在せず 領主である
「
「申し訳ありません…急ぎ伝えたい事が……」
「大王の事か?……」
「はい…リョーブとの国境に兵5千を駐留させておりますが、
「何だと!?我が国の現状も見ずに
ヨーリィの王
「更に兵を3万も派遣すれば物資の供給だけで、国庫を
「うむむむ……そのうえ これ以上の挑発行動には、リョーブとて黙ってはおるまい…
二人が国の行く末を案じ悩んでいる所に、
「父上
「
「あの…父上?
「ハハハハ〜!!喜べ息子達よ!!国は救われるぞ!!」
「父上?国が救われるとは
「
「え!?
数日後……ナンケー地方 北西部リョーブの首都ルーフェイでは、ヨーリィとの国境に近いクレトに3万の軍勢が迫っているとの報告があり群臣達は騒然となった。
「ヨーリィが3万の兵を……」
報告を聞きリョーブの姫
「クレトの守備兵は5千!!大軍を送らねば奪われてしまいます!!」
「これ以上の挑発は捨て置けません!!戦いましょう!!」
「し…しかし……」
群臣達は こぞって大軍を差し向ける様に進言したが、金髪色黒の美女(大人しくしていれば)
「アタイは反対だよ!!敵は城塞に篭っているんだ!!ヨーリィに使者を送り真意を確かめた方が良い!!」
「そ…そうよね…ヨーリィの先王と父上は不戦の約定を交わした仲、話し合いで解決出来れば…」
「先に兵を出して来たのは向こうだぞ!!」
「先王は賢明でも現王である
「クレトに救援を送らねば 敵に寝返る者も出ますぞ!!」
「新参者の言などに惑わされてはなりません!!」
新参者扱いをされ
「誰に向かって言ってんだい!?
大男の
「二人共?どうして黙ってるんだい?」
「
「だよね〜国を背負ってるのは俺ちゃん達なんだもんね〜」
「ちょっ…何 言ってんのさ……だったら こんな馬鹿げた陰謀に乗る方が
助け舟の無い
「馬鹿げているのは どっちかな?所詮は国に対して思い入れも忠誠も浅い新参者の言、我ら古参こそが誠に国へ忠義を示す者!!」
「新参とか古参とか関係あるか!!アタイだって……」
「そんな……姫様!?」
「
「では…キィドに充分な戦力を回していただけませんか?アタイがサナーガに備えて残ります!!」
「そうね キィドは貴女に任せるわ、サナーガの動きには注意が必要だし充分な兵力を……」
サナーガの警戒を訴えた
「同盟国を疑うなど言語道断!!キィドに大軍を
「アンタ達!!この後に及んで まだサナーガを信用するのかい!?何年殺し合ったと思ってるんだい!?いい加減に目を覚ましな!!」
「目を覚ますのは貴殿の方では?同志を疑い あらぬ嫌疑をかけるのは愚かな考えだ!!」
「なっ!?……」
討論に
「
「このままだと 姫さんの立場も悪くしかねないしね〜」
「くっ!?アタイは キィドに行く!!サナーガに渡すもんか!!」
「…………」
商業都市キィドは サナーガとの国境で、リョーブにとっては
「
「うん」
「最近は怖い客も少なくなり平和ですね?」
「そうだね」
「お姉さん?どうしたの?」
「いや…ここ最近
「あ~…そう言えばここ数日 来ませんね、いつもは大騒ぎで現れるのに」
「まあ 来ないと言う事は平和なんだけどね……」
「どうせ そのうち
「そうかな…そうだよね…アハハハハ~」
「
まさに二人が言ってる
「マジか……
「な訳ありませんよ……毎度の事じゃないですか…」
「き…き…聞いて下さいよ!!警戒ヨーリィ3万で群臣達が反対して アタイは姫様が決定して
「落ち着きなさいよ 一体何があったの?」
「あ…失礼しました……実は………」
落ち着きを取り戻した
「大軍って…一体どのくらい送るつもりなの?当然このキィドには充分な守備兵を残すのでしょうね?」
「それが……動員する兵は7万で…キィドには…3千……」
「たったの3千ですって!!??元々の駐留兵だけじゃないの!?姫様は国を守る気が無いの!!??
あまりにキィドを軽視するリョーブの者達に対して
「何度も反対しました!!…でも…新参者と言われ…姫様も理解はしてくれたのですが…逆らう事が出来ず……」
「群臣達に押し切られたのね……今のリョーブでは仕方の無い事かも知れないわ…でもサナーガの
「二人は随分前から クレトの守備に就いているのです…」
「最悪ね…
「あの…
「キィドの守備隊長は?」
「それは…アタイが……」
「
「え?」
「情報は生命線よ サナーガには出来るだけ、こちらの内情を悟られずキィドの守備兵は3万人はいるって情報を流すのよ」
「3万ですか!?…あまりに桁が違い過ぎるのでは……」
「残りの兵で城壁にありったけの旗指物を立て 鎧兜を着せた藁人形を作らせ、食事時には多くの兵が駐留してるかの様に
「なるほど……」
「後はダァルさんに相談して商会の資金を借りてでも、とりあえず兵士に見せかけ誤魔化せるくらいの人手を
「ハッタリの兵で誤魔化すんですか?上手く行きますかね?」
「援軍無しの
「……………」
「アハハハハ~!!平気平気!!絶対上手く行くよ!!」
隣りで話を聞いていた
「ヨーリィとの
「そ…そうですよね……大丈夫ですよね?負けませんよね?」
「負ける訳が無いじゃん!!「踊り子
「ちょっと!?
「アハハハ〜!!」
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