第9話 お国の事情
国境でのサナーガとの戦いに敗れ、リョーブの姫
「姫様にお会いしたいのですが…」
「誰にも会わぬ 立ち去れ!!」
お見舞いと様子見に、踊り子風の衣装を
「あの…ご挨拶だけでも……」
「ダメだ!!」
槍を突き付け拒む門番に、おかっぱ頭を頭頂部で
「はあ……
「でも…お姉さん……わたし達だって必死に戦ったのに…こんなの酷いよ……」
「仕方ないのよ 世の中には
「ま…待って……」
「え?姫様!?」
「姫!!安静にして下さい!!」
「ちょっ!?姫様?そんな青い顔で??」
「わ…私……」
倒れそうになったところを間一髪
「あ…あの…」
「フフフ、
「お…お願いします…」
そのイケメン?すぎる光景に周囲は顔を赤くし、
「
「いえ…こちらこそ失礼を…その…大言壮語を吐きながら、この情けない有様…合わせる顔が無く失礼を……命を救われた礼も言わず門前払いなど…」
「どうかお気になさらず。去る前にせめてご挨拶だけでもと、弟を連れ参りました次第です」
「ちょっ!?お姉さん?今なんて??」
「え?妹と…どうかしたの?
「嘘!!弟って言ったもん!!酷い!!」
「言う訳ないでしょう?聞き間違いよ?」
「言った!!絶対言った!!お姉さんの嘘つき!!」
「ウフフフ、私にも聞こえましたよ弟と、こんなに可愛らしい女の子を酷いお姉さんですね?」
「お姫様はわたしを女と!?」
「ええ 可愛らしい女の子ね」
「聞きましたか!?お姉さん!?」
「良かったわね……でもこれ以上騒がしくするのも迷惑だし 私達はこれで…」
「待って!!」
「あの…姫様?」
「改めて命を救っていただき感謝いたします…先だっての無礼をどうかお許し下さい……」
「そ…それは…もう結構ですよ どうか頭をお上げ…」
「無礼を承知でどうか我が国の現状と、頼みを聞いて下さい……」
「はあ……」
「私は姫様の為に戦う事に決めたわ!!」
陣営に戻り
「本気ですか!?アタイは納得で出来ません!!」
金髪色黒の美女(大人しくしていれば)の
「傭兵を毛嫌いするのには理由があったの、私達の生き方の問題でもあるのよ」
「生き方!?どう言う事ですか!?」
「たとえば
「それは…たとえじゃ無くても毎日感じてますけど……」
「でも次の日 私が敵側の傭兵として現れたらどうする?平気で殺し合える?」
「出来る訳がありませんよ…でも 仕事だし……」
「そう 私達は仕事と割り切れるけど、国の為に命を賭けてる人達にとってはどうかしら?今日の友を明日の敵として割り切れるものかしら?」
「割り切れない…と思う……」
「そうよ 国に忠誠を尽くす彼らには 特に王女である姫様にとっては、裏切り者に近い存在なのよ 私達傭兵のしている事は……」
「でも…だからと言って…今更…生き方は……」
「それを承知で依頼されたわ、助けて欲しいと……皆に強制はしないし他の団に行きたいのなら紹介状を書くわ、戻りたくなったら
「そんな…
「俺様は戦えるなら何処でもいいぜ!!
全身黒ずくめの衣装で猫耳フードを
「アッシも
裏方の
「わ…わかりましたよ…アタイだけ抜ける訳にはいかないですからね、どのみち
「皆…ありがとう……早速リョーブの事情を話すけど、くれぐれも他言無用でお願いするわ…」
「まず…リョーブの王
「え!?リョーブの王が!?それは本当なのですか!!??」
「お前…声…でかい……」
「うぐ…むむ……」
「一部の者しか知らない事なのよ 知られると色々と
「王様が死んだらサナーガは ここぞとばかりに攻めて来ますね?」
「だから伏せてるのよ…後継者問題が微妙だし……」
「ふ~ん それって何で
「太子はまだ4歳なのよ 国政なんて無理だし幼すぎてサナーガには対抗出来ない 成人してる姫様が継ぐのが良いんだけど、正妻の子じゃないから周りが色々うるさいって事」
「ありゃりゃ……」
「おい
「考えてもみなさいよ
「なるほど そりゃ確かに
「なっ!?それって、どう言うたとえですか!?」
「アハハハ~
「わたしだって そのうち大人になるもん!!」
「そのうちね~…ごふっ!!」
「オホン!!とにかく…大臣達は姫様の国政関与に疑問を持ち始めているのよ、王の事がバレるのは時間の問題って訳」
「痛たたた…そ…それで…アタイらは何を……」
「要するに姫様が大臣達に認められ 王に
「
大声を上げる
「声…でかい…
「うぐっ…物騒な物を突き付けんなよ……」
「つまり 大臣達を黙らせて姫様の即位を認めさせるのには 戦で勝つのが手っ取り早いって事よ、その為の根回しは随分必要だけどね、フフフフ」
団員達は
「あの…お姉さん 何を企んでるんですか?」
「あら?
「利用…策士……」
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