第2話

―――――――――

―――朝食を食べた私は帽子を被り、ランドセルを背負って登校班のもとへ向かった。確か六年生の時は班長として学校まで向かったはずだ。そして五年生の今は副班長としてみんなの後ろ姿を見守っている。


―――――――――

三十分かけてようやく学校に到着した。

一階は職員室で、二階と三階はそれぞれ学年ごとの教室がある。順番に見ていくと、二階の一番はじにある教室が五年一組、私のクラスだ。

久々の小学校であったため、少し緊張した。

思い切って教室を開けた

―――ガラガラ

教室に入った瞬間、男子生徒に腕をタッチされた。理解するのに時間がかかったが、思い出した。この時私は―――

『うわ、来たぞ。』

『はいタッチー。』

『バリアー』

男子からいじめを受けていた。

五人の男子が私を菌扱いしていた。

机をベタっと手につけ、触った手を他の人につけたりしていた。机をベランダに出されたり、無視をしたりと色々であった。その頃の私は言い返すことなんて出来なかった。

でも今なら…


『変えなきゃ…ここで』

私はその男子の目の前まで来た


『あっ菌が来た』

目を鋭くしながら言い放った。そんな光景を見て呆れてしまった。

『くだらない。』

そう言うと、男子は少し驚いていた。私がこうやって言うことが今までなかったからだろう。だがすぐに男子は

『菌の分際でどんな口聞いてんだよ』

『菌が喋るなよ』

明らかな差別だった。そんなことをしても彼らは今後平然と過ごしている。

彼らのストレス発散の道具として扱われた。

『いつまでそんなくだらないことするつもりかな。』


『そんな口聞いたら後悔するぜ…?』

脅しのつもりだろうか。後悔するのは彼らだ。

『その言葉そのまま返すよ』

彼らは何かを口にしようとしたがその瞬間…


―――ガラガラッ


彼らが青ざめているのが分かる。

『何やってるんですか!!』

扉を開けたのは先生だった。

『あなた達は職員室に来なさい。それと来夢さんも後で話があるわ。』

―――――――――

―――『…はい。』

さすがの先生もこんなところを目撃したら無視する訳にはいかないものね。――――――


――――――――――――――――――

―――――――――――――――

――――――……………

―――『そんなことあの子たちがするわけないでしょう?』

『それに…前回のテストやけに点数が高かったけど、カンニングしたんでしょう?』


『え…?』

点数が高かったのはほんの偶然だった。

『現にカンニングしているところを見たって人がいるのよ』

『私…してません』

『認めるまで帰しませんからね。それと親御さんにも連絡しますから。』

『どうして…』


どうしようも出来なかった――――――


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