第3話 新婚生活

 彼女は結婚する前に仕事を辞めた。

 僕は彼女を信用して預金通帳などを全部渡した。


 彼女は料理が下手だった。

 食費がかかってる割には、おかずは一品くらいしかない。

 料理が苦手みたいだ。

 例えば、ある料理を作る時に、野菜がいるとしたら、余った分を別の料理に使うんじゃなくて、腐らせてしまう。

 だから、食費が恐ろしくかかってしまった。

 それに、外食が好きだった。

 専業主婦なのに、僕たちはよく外食をしていた。


 彼女はお酒は飲まない。

 僕も飲まない。それでも、月の食費が10万もかかっていた。


 それでも、僕たちは幸せだった。

 

 そのほかに、気になったのは彼女はシャイだから僕の友達に会いたがらなかった。

 だから、週末は僕たちはいつも2人だけでいた。

 

 僕の昔の写真を見ると、彼女は嫉妬した。

 

 僕の家はまあまあ裕福だったから、小学生の頃に海外旅行にも出かけていた。

 ピアノやスイミングなどの習い事もさせてもらったし、塾にも通っていた。

 僕は高校から私立。

 別にこのくらいは普通だと思う。

 首都圏なら同じような人は山ほどいるだろう。彼女には許せなかったみたいだ。習い事をしたことがないと言っていた。


 大学時代はちょっとバイトしてもらった給料は、全部小遣い。

 他にも親が小遣いをくれていた。


 彼女は、僕が裕福で苦労知らずだと言った。

 普通の家庭に育つことがいけないことなのだろうか。


「きっとこれから苦労する。」


 彼女にそう言われるのが怖かった。




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