第10話 アイスと愛す

 服を何着か購入したライトはヒビキに別れを告げ、カナデとのショッピングを続けた。

「ご主人様、この服可愛いですよね」

「あぁ、とても可愛いよ」

「ありがとうございます!」

 カナデはライトの右手に抱きつく。


「やめ……ご主人様がそんなに頼りがいあるか?」

「? はい! ご主人様は私を貯金の一割を崩して、私の命を救ってくれたんですもんね!」

「その言い方やめろ! なんか人を金で買うやばいやつみたいじゃねえか!」

「え? 実際そうですよね? 私エロ奴隷ですもんね?」

 ライトは言葉に詰まった。なぜなら、メイド服を着せて生活させていたし、意図してないにしても裸を見たことや添い寝は事実だ。


「やっぱりそうなんじゃないですか。ほら、エロ奴隷である私のどこを触りたいですか?」

「さ、触らねえよ!」

「ふふふっ。触りたくなかったらアイス奢ってください!」

「ぐぅ……」

 2階のフードコートに移動するライトとカナデ。




 フードコートの1番奥にあるアイス屋でカナデとライトはアイスを買った。ライトはコーンにストロベリーアイスを一段、カナデははチョコアイスを八段だった。


「それ倒れないのか?」

「倒れません。私はご主人様と違って高い運動能力を有しています。平衡感覚も桁違いです」

「そんなにディスらんくてもいいやん……」

 カナデはその瞬間、こけて上5段を倒した。


「倒れてるやん」

「倒れてません」

 カナデはすぐに袋とウエットティッシュを出して、片付ける。こういうところだけはメイドである。


「ほら、何もないですよ? 5段一瞬で食べただけですよ?」

「じゃあその袋はなんだよ」

「いやあのこれは……」

 言い訳に限界を迎えるカナデ。


「かわいいなカナデ」

 ライトはカナデの頭を撫でる。


「な、なんですか急に」

 頬を赤らめるカナデ。


「いやー、カナデと居られて幸せだなぁって」

「気持ち悪いですよ」

「そんなこと言うなよ……」

「……ちょっと気持ち悪いぐらいにしておいてあげますよ」

 ライトはカナデを絶対に幸せにしようと決めた。

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