第54話 ダンジョン踏破後の立証
王都に戻り1ヶ月後に再び同じダンジョンに挑む事になった。
それからほぼ1ヶ月が経ち、再び”潮騒のダンジョン”に挑む日がやって来た。
研究所の職員は勿論前に同伴した職員3人と王都のギルドマスターエミリアとサトル、スザンヌ達だ。
前回同様バウスの街で宿を取り翌日朝一で”潮騒のダンジョン”に潜る予定だ。
バウスの街に行くまでに15、6人の野盗に襲われるが、サトルが出て行くと野盗の女性達が馬鹿にして笑い出して「お前私らの種馬になりたいのか?」
「いや、お前達を消しに来た、消えろ」と言って一度に10人を消してしまった。
慌てた野盗達だがもう遅い!
「残り5人様もさようなら」
「まままま待ってくれー」
「もう遅い!」
全員の野盗が跡形も無く消えた。
サトルの魔法を見た王立研究所の3人は一様に驚愕して大声を上げた。
「何なんですか?今の魔法は」
「なんだ?何か問題か」
「人間が消える魔法なんて・・・」
「あなた達は物が存在出来る、ことわりを理解できていないからな」
「物が存在出来ることわり?」と研究職員。
「物質、勿論人間もだが、何から出来ているのか詳しく研究してご覧?俺はその繋がりを切っただけだ」
「サトル、職員にそんな難しい話をしても意味無いわよ、とりあえずサトルの特別な魔法で消したと言うことで片付けなさい」とスザンヌ。
「まぁ、アインシュタインの相対性理論とかフーリエの変換や波動方程式はこの世界では理解できないから無理もないことだな。最も俺も全く理解出来て無いけどね」
「サトル殿、一度王立研究所に来て講義をして頂けないでしょうか?」
「あっ、無理無理!俺は魔物を相手に戦う方が忙しくて駄目だ」
暫くするとオークが5頭襲ってくるがスザンヌとエミリアが簡単に処理して先に進む。
その後は何事も無く無事にバウスの街に着き、前回同様同じ宿に泊まった。
サトルとスザンヌで一部屋、エミリアが一人シングル、王立研究所の職員が3人部屋、ルビーゼとマーガレットがツインの部屋に入りお風呂に入って着がえたら食堂に集まる事にした。
サトルが先に風呂に入り、ベッドに寝転がってスザンヌを待っていると、いきなり彼女が覆いかぶさって来た。
彼女が気絶しないかと一瞬スキルを最大に絞ろうとしたが間に合わない!
しかしスザンヌは平気な顔して抱きついて来て、気持ち良いのか猫なで声でサトルを求めて来る。
「スザンヌ、食事の後でゆっくり出来るじゃない」
「私の前菜はサトルなの」
「何言ってるんだよ、俺が我慢出来なくなるだろ、ほら、食堂に行こう」
スザンヌの首筋にキスをして、強引に起こして、着替えをさせて、二人で食堂に行く。
既にルビーゼとマーガレットが座って待っていた。
「あなた達早いわね!」
「お腹が空いたので皆より先に食べようかって言ってたんです」
「それじゃエールとツマミを頼まない?」
スザンヌが手を挙げて、エール3杯に果実ジュースとツマミ盛り合わせを3人前頼んだ。
ツマミはオニオンのスライスとオークの薄切りフライとポテトフライが出てきて、サトルは果実ジュースを飲みながらオニオンのスライスを口に入れた。
スザンヌとマーガレット、ルビーゼが気持ち良く出来上がった頃エミリアと職員3人が降りて来て4人もエールを頼んだ。
サトルを除いて7人が2杯目を頼みご機嫌で3杯目4杯目と頼んで、サトルだけ先に夕食を出して貰って食べ始めた。
サトル以外、皆がご機嫌になって色々女子会に花が咲いて騒いでいたら、近くで飲んでいた冒険者のひとりがサトルに近ずいて来て、
「荷物持ちは座れない事ぐらい分かるよな?」と言ってきたので
「分かって居るから俺は座っているんだ!お前、俺が荷物持ちに見えるなら冒険者なんか辞めろや、直ぐ死ぬぞ」
スザンヌもご機嫌で「そうそううちの旦那様が荷物持ちに見える程度の冒険者は魔物に殺られて仕舞うわよ」と喋ったので、その冒険者が「貴様、私を侮辱したな?こうなれば決闘だ」
「あら?あなたサトルさんと決闘するの?それじゃ私王都のギルドマスターのエミリアが立会人になるわね」
「な、な、なんだ?アンタは本当に王都のギルマスのエミリアさんか?」
「あ〜ら、信じないの?ほらカードをお見せするわね」そう言ってプラチナカードのSランクを見せた。
「もし何ならあなたの仲間全員と荷物持ちらしいサトルさんと決闘しても宜しくてよ、私があなた達の骨は拾ってあげるから。でもこの人荷物持ちにしては私より強いSSSランクだけどよろしいかしら?」
「ええ?あのぉー、化け物と言われているサトルと言う冒険者ですか?」
「お前なぁ、人を呼びつけにするなよな!少なくとも”様”じゃ無くても良いから”ちゃん”とか”さん”とか”君”ずけで呼べよな、失礼だろう」
「大変失礼しました、サトル様に決闘などと騒ぎまして己の未熟さを恥じております、失礼しました」と元の席にすごすご帰って行った。
「エミリアちゃん、私のご主人様の勇姿を見たかったのに止めちゃうなんて」
「おいおいスザンヌもエミリアも、もう飲むのやめて早く飯食えよ」
二人して「「ハーイ!」」と言って食事を頼んだ。
皆が酔っ払いながらも食事を終えてふらつく足で各自の部屋に入った。
皆、疲れているのか酔いが回るのが早い様だ。
2杯程度では酔わない筈がスザンヌもエミリアも結構酔っているようだ。
スザンヌをベッドに寝かし、サトルも横になり寝てしまった。
朝早めに起きたらスザンヌがピッタリと抱きついて寝ていた。
起こさない様にそっと布団から抜け出し『誅戮剣』を担いで裏庭に出て素振りをし、その後座禅を組んで瞑想していつもの朝練を終えて戻った。
「サトル、起こしてくれてもいいじゃない」
「だってぐっすり寝ていたから可哀想だから」
サトルが汗を流す為にシャワーを浴びているとスザンヌも入って来てシャワーを一緒に浴びる。
当然の様に愛し合い合体!
シャワーから出た二人は着替えて朝食を食べに食堂に行く。既に5人が揃っており、朝食を食べてギルドに向かった。
エミリアが全ての手続きをして再び2回目の”潮騒のダンジョン”への挑戦だ。
サトル、スザンヌ、エミリアが前衛で、マーガレットとルビーゼは非戦闘員の研究所の職員の護衛に回った。
1階層はオークキングとジェネラルが居る群れで20頭程が向かってくる。
スザンヌとエミリアが剣を抜いて構えるも、サトルが【インビジブルハンド】でオークの巨乳を触り放題して全オークを殺してしまった。
最後のオークキングなどはよだれを出して絶頂のまま心臓発作を起こし死んだ。
スザンヌとエミリアはあっけらかんとした表情で眺めているだけだ。
2階層はいきなり海のステージで『具現の水晶』で潜水艇を創り出し海に潜航すると前方にバハムートが1匹居る。
「おいおい、2階層でバハムートかよ」と言ってサトルは『魔導砲』を放ち、バハムートを殺し回収した。
陸地が見えて来たので潜水艇を浮上させ陸地に上がった。
『具現の水晶』を元に戻して、3階層に向かう。
3階層にはオーガが3匹いた。
「サトル、今度こそ1匹ずつ私とエミリアで倒すわよ、あなたも『鬼切丸』を使って倒して!スキルは駄目よ」
「何で倒すのに条件がつくの?」
「スキルは兎に角駄目!」
スザンヌはあっという間に間合いを詰めてオーガに魔石の部分を剣を突き刺し心臓と魔石を破壊して瞬殺、エミリアも首を切り落として殺した。
サトルだけ胸部だけ残して小間切れにして胸を触りながら回収した。
4階層にはバンパイヤーロードがいた。
剣で切っても直ぐ再生し、強力な瘴気を放ち相手の生気を奪い取る難敵だ!
「スザンヌ、エミリア、離れてシールドを全員に掛けろ俺が相手する」
サトルは【聖魔法】の強力な【ホーリービーム】を放って相手を霧散させ魔石だけを回収した。
「サトルさんはさすが、聖魔法の高位魔法まで打てるのね」とエミリアが感心していた。
5階層はボス部屋でメデューサがいる。
スザンヌがいち早く魔眼の眼を焼いて石化を防ぎ、続いてエミリアが蛇の頭ごと切り落とし、髪の毛の蛇を【ファイアボム】で焼き殺した。
宝箱には何処かに飛ばされる転移魔法の罠があり、サトルが解除して開けると小さなカップが入っておりサトルが【鑑定】すると魔力を流すと最高級のポーションのエリクサーがカップいっぱいに満たされる『魔法のカップ』と出て、回収した。
ここまで来て前回踏破した時より遥かに難易度が上がっているのが分かり3人の職員も納得している。
6階層には岩竜、7階層にはリッチ、8階層には青龍、9階層には黒龍と前回では比較にならない程の高位の魔物達が現れた。
それぞれサトルが6階層では柔術で、7階層では聖魔法で、8階層と9階層では『鬼切丸』で倒して行った。
最後の10階層のラスボス部屋は近ずいただけで肌が焼け付く程熱い。
扉に【絶対温度魔法】を掛けて、サトルだけが強力な【シールド】をして中に入った。
50メートル先に巨大な火の鳥、フェニックスがいた。
扉ないの温度は3000度を超えて鎧も役に立たない高温だ。
サトルは【魔石師】のスキルを放ってフェニックスの魔石を奪い取る。
かなりの魔力と念を使い奪い取る事に成功して、何とか倒した。
宝箱は罠もなく開けるとそこには何と『全てのマジックアイテムを創り出す事が出来る小箱』が有り、サトルは感激して回収した。
スザンヌはさすがに心配してサトルが出てきた時には抱き着いて来た。
全員転移盤に乗り出口に戻りギルドに戻った。。
ギルドでは流石に精算が追い付かないという事で夕方再度ギルドに来る事になり皆で昼食を食べに定食屋に入った。
「職員の方達、きょうの現状を見て一度踏破したダンジョンは更に強力に成長して高位の魔物が現れるという事が分かったと思います、宮廷に戻り報告と原因究明をお願いしますね」とエミリアが言った。
「確かにかなりダンジョンの難易度が格段に上がってました。早急に戻り、報告と原因究明を致します」と食べながら興奮気味に話した。
「それにしても最期の不死鳥はサトル以外は倒せ無いわね、近ずいただけで溶けて仕舞うもの」とスザンヌ。
「私達はフェニックスを初めて見ましたわ」とマーガレットとルビーゼが言う。
「私も初めてだ」とスザンヌ。
サトルは我関せずと定食に舌ずつみを打ちながらおかわりをしている。
食事を終え、まだ時間が早いので喫茶店でお茶をした。
そこに又サトルに絡んで来たどこぞの貴族の騎士団がいた。
流石に不死鳥との思念の戦いで少し精神的に疲れて、荒れていて、満腹感で持ち直していたたところの絡みに堪忍袋が切れて、
「うるせい、弱い癖に吠えるな」と言って一度に6人の片足を消し去った。
悲鳴を上げてのたうち回る騎士団にサトルは「男でも席に座ってお茶を飲める奴も居るのを覚えておけ、貴様らにフェニックスが倒せるか?」と言って【エリアハイヒール】を掛けて再生してあげた。
騎士団のひとりが、なおったとたん剣を構えてかかってきたので、サトルは正拳で剣を叩き折り彼女の腕をへし折った。
「お前ら文句有るなら表に出ろ、その代わり今度は貴様たちの命は無いと思え、俺は満腹で気持ち良かったのを邪魔されたんだ、お前達の雇い主の貴族の領地ごと消しても良いんだぞ。王妃様からお墨付きを貰っているからな!」
「サトルその位にして上げて。あなた達SSSランクの人に戦いを挑んでも命が幾ら有っても足りないわよ」
「あの〜、貴女はスザンヌ様では?」と一人の騎士がいう。
「あら?私の事知っているの?なら旦那様が私より数倍強い怪物だって、直ぐに分からなければ」
「骨を治して上げるからいらっしやい、首を消されたら旦那以外直せないわよ」
騎士団は全員サトルに頭を下げて店を出た。
「サトルは相変わらずねぇ」
「だって【インビジブルハンド】は使うなと言うから・・・」
喫茶店での一悶着も終えて、バウスのギルドに戻った。
受付嬢がエミリアに「高位の魔物でラスボスのフェニックスはこの国で初めて出現した魔物でこれだけで実は白金60枚を超えております。全部で白金270枚、金貨85枚、銀貨60枚、銅貨95枚にもなりました。どのように分けますか?」
「それの殆どはサトルさんが討伐したので、白金270枚を全てサトルさんのカードに、あとは私エミリアの入れてくれるかしら」
「かしこまりました」
清算も終わり、時間も午後3時を過ぎていたので、宿を延泊してバウスの街を楽しむことにして一旦宿に戻るのだった。
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