第50話 キタミの冒険者ギルドの掃除

キタミの家に訪ねてきた素材置き場チーフのローズマリーからスザンヌ達がキタミから王都に移り住み始めた頃からキタミに25名程の冒険者がやってきて傍若無人ぶりを発揮して宿では殺人事件が起きたり、ギルドではクエストの横取りや、素材やドロップ品の略奪などを起こして、治安が急激に悪化しているというのを聞いて

サトルが人肌脱ぐことになった。


「ロズマリーさん、ケーシーさん、俺は取り敢えずこの宿から暫く冒険者ギルド似通い普通にクエストを受けながら25名の冒険者達の裏稼業を探ることにするよ」


「サトルちゃん、あまり無理しないでね」とケーシー。


「サトルなら全く心配などしなくて大丈夫だ」とローズマリが”頼んだぞ!”というように目配せしてギルドに向かった。


サトルは言われた宿に入って、1週間程宿を一人部屋予約した。

最初にこの街に来て泊まった”渓流の流れ”ではない。


「お客さん、朝は5時から10時までで9時半がラストオーダーで夜も同じだから遅れないでおくれよ」とおばちゃんが面倒くさそうに言って、階段の直ぐ側の200号室の鍵をくれた」


サトルは簡単に【サーチ】をするが、どうやら問題の冒険者達は出払って居ないようだ。

彼女らは210号室から218号室の8室に3人程度づつ分散しているようだ。


未だ3時半頃なので冒険者ギルドに行ってみる。


サトルがギルドに入ると受付嬢3人と受付の男性陣2名が全員がお辞儀してケーキのお礼をして来た。


チラっと食堂を見るとガラの悪い冒険者が5人ほどエールをの皆が大声で話をしている。


「なぁ、このキタミの冒険者達は皆弱い奴らばかりなのか?未だ骨のある奴に1回も会って居ないな」


「そのうちBクラスやAクラスの奴らが現れるんじゃないかな?」


「Aクラス相手は10人程度で当たればいいんじゃないか?大丈夫だろうさ」


そんな話がサトルの耳にはしっかりと聞こえて来た。

やはり何かをしようとしているようだ。獲物の横取りとかなのかもしれない。


クエストをミニ掲示板のところに行くと、フォレストボア10頭討伐で金貨1枚の討伐依頼が有ったので、それを剥がし取って受付に出した。


受付の連中はケーシーからサトルの隠密行動は聞いているのかにっこり笑って小さい声で「とても美味しいお菓子をありがとうございます、サトル殿にはこのクエストは物足りなさすぎますがよろしく」とウィンクしてカードに履歴を打ち込んでくれた。


「おい、見てみろよ!男がクエストを受けてるよ。荷物持ちじゃない男を見るの私は初めてだな」


「清算金を私らが貰えばいいだけよ」と笑いながら一人が言った。


サトルはわざとゆっくり街の門を出てフォレストボアのいる森に歩いて向かった。


食堂に居た女どもがしっかり後をつけてくる。


途中で【転移】で彼女達の前から一瞬で消えてフォレストボアを【結界】で覆い空気を抜いて殺してさっさと次元ストレージに入れ、森の大きな木の枝に隠れて時間調整をして森から出てキタミの街に向かって戻って行く。


サーチするまでもなく5人の女性冒険者が待ち構えて居て、「兄ちゃん、フォレストウルフは討伐できたのかね、男じゃ1匹倒しただけじゃないのか?」とニヤニヤしながら言う。


「幸い前もって罠をして居たので無事に10頭を倒すことができたからよかったよ」とわざとらしく言った。


「そうかそうか、ご苦労さんだったね!それじゃここに10頭出して行きな」


「もって行ってくれるのですか?」とサトルが言うと


「ああ、貰って行ってあげるぞ!」と一人の冒険者が言う。


「悪いけど俺は次元ストレージ持ちなので君らにもって行って貰わなくても一人で十分なので大丈夫だ」と無視して歩き出そうとしたら、相手の一人が剣を抜いて

「頭の回転が悪い奴だな、次元ストレージごと全て置いていけと言っているんだ」


「オタク達は本当に冒険者かな?追い剥ぎなのかな?」


「私たちはそのどちらも正解さね!ほら命が惜しけりゃ全部だしな!」


「俺が戻ってギルド長に報告したらどうするんだ?」


「兄ちゃんが戻らなければいいだけの話だ」と言って切り掛かって来たが、

サトルは彼女の胸を触ると「きゃー、いやぁ〜ん」と言って動かなくなった。


残りの4人が一斉に襲ってくるが全員が剣を奪われ胸を揉まれて気持ち良く心臓の鼓動を止めた。


サトルは【イレージング】で5人の死体を消し去り何事も無かったように冒険者ギルドに戻りオークを納品する時にローズマリーに事の顛末を話して受付に行って精算金を受け取り、食堂で5人の仲間が戻って来るのを待った。


夕方5人ずつバラバラと戻って来た。


一組の連中が上手くサトルに絡んで来る!


「おい、其処の兄ちゃんここは荷物持ちは座れ無いのを知っていないのか?」


「冒険者になったばかりで良く分からんけど 、荷物持ちじゃ無いから良いですよね?」


「何だ?冒険者なりたてか?」


「はい、未だ半年も経ってない新米です」


「おお、それじゃ私達が指導してやるから金貨1枚で良いぞ!」


「いやぁー、俺より弱い奴に教わっても無意味なんで遠慮しておくよ」


「何だと?私等がお前より弱いだと、それじゃ私らと勝負するか?」


「あんたら5人じゃ勝負にならないから仲間20人でならやってやるぞ!その代わり死んでも良いのかい?」


「男のお前に仲間など必要ない、私1人で充分だ」


「それでは一瞬で終わってしまうぞ、そんなに死にたいならギルドの訓練場で決闘でもするか?」


「正式な決闘ならお前を殺しても罪にはならんな」と女性の冒険者が笑いながら言う。


「それは俺にも言える事だよね!」


「正式な決闘だからギルマスに立会人になって貰おうか」とサトルが言ってギルマス立会で競技場に向かった。


案の定彼女ら20人全員が見に来る。

キタミの常連の冒険者達も来てケーシ迄ニコニコして見に来ている。


「それじゃ、正式な決闘なので死んでもお咎めはないので心ゆくまで戦いなさい、始め」とギルドマスターが言った瞬間サトルは彼女の後ろに回りオッパイをガバっと掴み一瞬で殺した。


仲間の女性冒険者たちが一斉に競技場の中に入り剣を抜いてサトルを囲んだ。


「皆死にたいのかな?でも3人程残して上げるよ、聞きたいことが有るからね」

サトルが言い終わらないうちに19人が斬り掛かって来るが、サトルは『鬼切丸』を抜いてあっと言う間に15人の首を切り落とし、残り4人を峰打ちにして意識を奪った。


流石にギルドマスターのキャメロンが「サトル殿、これはどういう事です?」と厳しい顔で聞いてきた。


「キャメロンさんはこいつらのキタミに来てからの行状を少しは知っているよね?俺はローズマリーさんとケーシさんから聞いて、初心者のフリして罠を掛けたのさ、既に後5人の仲間は消し去ったよ」


「消す前に彼女達が俺に他の冒険者たちのように殺して、魔物を横取りすれば良いだけだ、とおれにペラペラ喋ったので、ローズマリーさんの心配が当たっていたとうことですよ」

「今から4人から全て聞き出すから、まぁ見ていて下さい」と言って、4人に”活”を入れて意識を戻してやった。


「お前等の仲間21人は俺が全員殺した。最初に俺を襲った5人から何人もの冒険者を殺しクエストとマジックアイテムを奪ったことは聞いてるぞ、命が惜しければ殺した冒険者を埋めた場所をはけ」


「何の話か分からないわ!」


「ギャー」


分からないと言った瞬間に女性の右足踵が消えた。


「未だ俺の言っている事が分からないか?」


「知らないわよ!」


「ギャー、辞めて、言うから辞めて」


膝から右足が消えてなくなった。


「本当の事を言わないと次は左足が膝から無くなるぞ」とサトルが凄みを聞かせて脅かす。


「キタミの西の森の入り口に3人、北の平原に4人、北の森奥に3人、東の草原に2人、あとは3、4人は放置して魔物が死体を食べたから残って居ないわ」


「キャメロンさん、今言われた場所に確認に行き、冒険者カードと遺体を回収してください、俺はこいつらを衛兵に突き出し、死刑か奴隷労働か知らんが一生人前に出れないようにしてやる」


4人はブルブル震えて泣き叫んでいるやつもいるが、


「お前達、生かしてやるだけでも良かった思うか、死んだ方が良かったかわからないな」とサトルは彼女らを【ダークロープ】で縛り付けてギルドの会議室に連れて行き、衛兵達を待った。


ケーシーが来て「サトルちゃん、あなたに相談して良かったわ!ローズマリーチーフと”いつも来る冒険者が来なくなっておかしいわね”と思って居たのよね。25人でキタミの冒険者を殺して居たわけね、許せないわ」


「キャメロンさんも時々書類を見て魔物討伐のクエストを達成した連中の記録をチェックしてほしいな」とサトルは密かに思ってしまった。


衛兵が来た時、死体を確認しに行って居たギルド職員が戻って来て、ギルドカードと遺体を身内に連絡をとるようだ。


4人は衛兵に連行されて行った。


「サトル殿、この度は本当にありがとう、ケーシーもありがとう」とキャメロンさんが盛んに低姿勢で頭を下げた。


「まぁ、事の発端はローズマリーチーフとケーシーが我が家に遊びに来た時に近頃ギルド内の風紀が乱れてゴロツキのような25人の冒険者がたむろしているというので、俺が少し策を考えオークのクエストを一人で受けたら5人が俺を殺してオークを横取りする気で後をつけて来て自分たちのやって来たことを俺にペラペラ喋ったのがあいつらの間違いだね。とにかく直ぐに解決できて良かったですよ」


サトルはギルドを出て宿に戻り、せっかくなので夕食を食べて、今晩は宿で一人のんびり過ごすことにした。


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