第49話 ローズマリーとケーシーが来訪

久しぶりに4人はキタミの家に帰ってきて、女性陣がのんびり家で過ごしている間に、サトルは独りでクエストを受け、ワイバーンとオークを討伐してローズマリーの所に納品した。


その際、彼女にはからずもスザンヌと世帯を持った事を打ち明けたら、近々ケーシーと遊びに行くと言われて、その日が来た。


「スザンヌ、昼飯はハンバーグが良いと思うけどどうだろうか?」


「彼女達を驚かすにはいいかも」


「私達も是非頂きたいですし・・・」とルビーゼとマーガレットも賛同したのでハンバーグ定食を用意する。


目玉焼きとウインナーにポテトフライを添えて6食分作って次元ストレージに入れておく。

スープはじゃがいもとニンジンの千切りを

バター炒めしてコンソメスープにし、ハーブをほんの少し添え準備する。


サラダはセロリの葉をベースに葉物野菜サラダにイタリアンドレッシング、セロリの茎はマヨネーズを付けて食べる用に別に準備した。


その頃、ギルドで待ち合わせしたローズマリーとケーシーはケーシーの化粧にあまりにも時間が掛かってローズマリーが呆れていた。


「ケーシー、何でそんなに時間が掛かるんだ?彼女に会いに行く訳じゃあるまいし、口紅なんぞつけるなよ」


「あら、チーフ!私にとってはサトルちゃんは初恋の人よ、その人が私のあこがれのスザンヌさんと一緒になったなんて、嬉しいのと恋人を取られた悔しさと、とても複雑な気分だわ!」


「お前間違ってもサトルにキスなんてするなよ!抱きつくのも禁止だぞ。じゃないと連れて行かんからな」


「分かったわ!男として頑張るわ」


「何か違う様な気がするがまぁいい、行くぞ」


「はーい、行くわ」


スザンヌとサトルの家の前に来た二人は扉をノックした。


スザンヌが扉を開けるとケーシーか大きな花束を渡し、「スザンヌさんサトルちゃんおめでとうございます、スザンヌさん私のサトルちゃんを大切にしてあげてね」と涙を流して泣きだしてしまった。


「おいおいケーシー、お前なぁ、きょうは何しに来たのか分かっているのか?」とローズマリーが呆れている。


「ケーシー、とりあえず泣かないで中に入って、ローズマリーもどうぞ!」


「ケーシーさん、ローズマリーさんよくいらっしゃいました、花束ありがとうございます」


「いやぁ!もっと前に聞いていたら早くお祝い持って来たのに、スザンヌもみずくさいな」


「ごめんなさい、恥ずかしくて言う機会が無かったから」と顔を赤らめているスザンヌ。


当のケーシーは、

「サトルちゃーん、私と言うものが居るのに、でも私の憧れのスザンヌさんと結ばれたから許すわ。最強のカップルだわね」と涙を拭きながら言う。


「とりあえずお座りください、今お茶とケーキというサトルさんの国のお菓子を出しますから」とルビーゼが引き気味にケーシーに言う。


「あら、サトルちゃんの田舎のお菓子なの?興味あるわー」とケーシーが食いついた。


「これを食べたら他のお菓子など食べれなく成程美味しいですよ」とマーガレットも言って、用意していたショートケーキとチョコレートケーキ、それにサバランを出した。


お茶は紅茶に苺ジャムが入った紅茶だ!


「なな何なの?このお菓子は!この赤い物は何かしら?白い甘い物と相まってとても美味しいわ」


「ケーシーは少し興奮し過ぎじゃないか?」とローズマリー。


「何言っているの、チーフも食べてご覧なさいな」


「どれどれ、うぅ、これは・・・」


ローズマリーはあっという間に食べ、もうひとつのチョコレートケーキも瞬く間に食べ、紅茶を飲んだ。


「何だ?このお茶は?これも絶品じゃないか?」


「だから私が言ったでしょ、私のサトルちゃんの田舎は特別だって!」


「しかし、これを街に流したら行列ができるぞ」とローズマリー。


「3人は毎日こんなにも美味しいお菓子とお茶を味わっているのか?」


「ローズマリー、大袈裟ねぇ!これは序の口よ。我が家の昼御飯をこれから出すけどもっと驚くわ」とスザンヌがニヤニヤしながら言う。


「大体スザンヌとサトルはどう言う馴れ初めで世帯を持つ事になったの?スザンヌは自分より強い男性としか結婚しないと言っていたろう?」


「最初はキタミのダンジョンを連続で踏破した時、サトルと私、模擬戦をしたのよ」


「当然スザンヌが勝ったのだろ?」


「私もいくらダンジョンを踏破したって言っても所詮男だとたかを括っていたのよね、ところが蓋を開けたら全くの逆で軽くいなされて、あそこが駄目、ここが駄目と指導されて・・・」


「そうか、この国一番の強者のスザンヌが簡単に負けたか!」


「しかもサトルは特別なスキル持ちで、サトルに触れた魔物や人は一瞬で気絶するか死ぬほどの電気を帯びて居るのに何故か私には耐性があったの」


「成程なぁ、触るとショック死するので魔物は傷が無いのが多かったのか?で、込み入った事を聞くが夫婦生活はどうなんだ?男性は全く精力が無いと聞くぞ?」


スザンヌはチラッとサトルをみて顔を赤くして「それが凄いのよ、こちらが参る位だわ」


「まさしく怪物だな」とローズマリー。


つかさずケーシーが「サトルちゃんは可愛い怪物ちゃんよ!チーフが思っている様なガサツな怪物とちがうわ!」あくまでも好意的なケーシーに一同苦笑い。


「ケーシーさん、可愛い怪物が作った昼食を召し上がって下さい」とサトルが用意していたハンバーグ定食を出してきた。


パンはクロワッサンと普通のパンを用意して出した。


「こここれは何という料理何だ?」とローズマリー。


「肉のメンチがとてもジューシーで柔らかく添えているフライも美味しいわ」ケーシーはハンバーグだけでなく、どうやらポテトフライがいたくお気に入りのご様子。


ローズマリーはサラダのドレッシングが気に入ったらしくパンと一緒に瞬く間に食べてしまった。


「すまん、サトル君サラダにドレッシングを掛けてもう少し貰えないか?」


「はい!」と言ってストレージから直ぐに出してあげた。


「しかし、お菓子といい昼御飯といいサトル君の田舎の食べ物は絶品だな」


「サトル君すまないが、受付嬢達に土産で上げたいから5個程包んでくれんかな」


「良いですよ違う種類のとセットで10個用意しましょう」

サトルは適当な入れ物をキッチンの棚から出して10個のケーキを入れて冷蔵庫にいれた。


「所で話が変わるがスザンヌ達が王都に移り住んで居なくなってからここキタミの治安が少し悪くなっているんだ」


「そうなのよ、冒険者ギルドに来る連中の中にもこの街をベースにしている冒険者は良いのどけと、最近移って来た24、5人は宿でも傍若無人な振る舞いでこの前は食堂で殺し合いが有ったのよ、それにギルドでもクエストを横取りしたり柄が悪くて困っているわ」


「ローズマリーさん俺が宿に泊まりそいつらを一掃してやるよ」


「サトル、それだけの人数が纏まって移動して来たと言うには何か裏が有りそうよ、私も一緒に行くわ」


「いやスザンヌは目立ち過ぎるから俺独りの方が良い」


「それじゃ、ケーシーと私が受け付けには伝えておくから裏に何が有るのか頼むよ、私からギルドとして依頼を出すから」


「依頼など出さなくて良いよ、俺の好奇心の暇つぶしなんで楽しみながら解決するよ」


「そう言って貰えると助かる!」


「それじゃチーフ、サトルちゃんとギルドに戻りましょ」


「そうだな、色々美味しい土産も頂いたし戻ろうか」


サトルとローズマリー、ケーシーは冒険者ギルドに向かった。


サトルは25人の冒険者が泊まっている宿にわざわざ数日泊まる事にした。



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