第46話 王都の高級な店で
メッシーナ王国の王女様達から指名依頼を受けた『改革の息吹」4人は王都にあるダンジョン”ハルモナの迷宮”に王女達を護衛しながら最下層まで彼女達が最後に仕留めるようにサポートをしながら踏破させる依頼を無事成し遂げて王都の新居に戻って来た。
「いや〜、姫様のお守りには疲れたよ!俺は二度とごめんだな、自分の実力も分からず全ての魔物を自分たちだけで倒せると思っているのだから・・・」
「サトル、王女様なんて皆あんなものだわ!自分が一番、全てが自分中心に世の中が回っていると錯覚しているのよ」
「何となく、この世界の高ランクの冒険者達が男性に抱いている思いと同じだな!」
「とりあえず明日からは又この王都を中心にクエストをこなして俺自身王都に馴染めないと」
「1、2ヶ月この王都で動き回って、ギルドだけでなく定食屋や武道具屋などを回ればすぐ馴染むわ」
「私たちもおともしますから」とルビーゼとマーガレットも二人してサトルに声をかけた。
「それじゃ、きょうは外に出て夕食は外食としようか!」
「そうね、私もルビーゼ達も王都はサトルよりは知っているけど然程差がないから先ずは以前エミリア達と入ったお店に行きましょ」
「あそこは予約しないとダメなんじゃない?」とサトル。
「あっ、私が予約して来ます」とマーガレットが出て行った。
「そのうち私たち『改革の息吹』4人が突然行っても大丈夫な位、お金落とせばサトルの評判も王都では上がるわよ」
「金遣いが荒い男がいるって?」
「違うわ、あの店には貴族、大商人、騎士団でも上位の騎士達、冒険者の高ランクしか来ないわ、そこの男で席につけるのは貴方ぐらいだもの直ぐに名前は売れるわよ」
「そうですわ、サトル様の名前が王都で浸透すれば他の街に伝わるのは早いですよ」
「ルビーゼの言う通りよ、王都で冒険者サトルと言う名が広まれば男に対しての考え方も少しずつ変わって来るわ、そしたら次は他国の王都の超高級店に行って、
数日通うのよ、そして周辺の都市のギルドでクエストをこなしていく!」
「旅と食べ物を楽しみながら冒険者をする一石三鳥よ」
「そんなに上手く男への意識が変わるかな?」
「焦らないで地道にいくこと。だいたいサトルが前世でやって来たことを考えればそのぐらいの努力は必要でしょ?」
「確かに、女性に対して酷いことをして来た俺が言える柄じゃないな!はんせいしているよ。ある意味このスキルは神様からの特別なボーナススキルだったか、反省しろというメッセージスキルなのか、恐らく後者だけど、地道に頑張るよ。俺には似合わないけどね・・・」
しばらくするとマーガレットが戻って来て「予約して来ました、今から30分後に4人で予約取れてます」
「それじゃ、少しオシャレでもして行くかしら」とスザンヌ。
「サトルも冒険者の格好も良いけど、普段着で少しだけ上品な服に着替えなさいよ」とスザンヌがクローゼットから持って来た洋服に着替えて、4人で家を出た。
この店に来るのはサトルとしては三度目だが、どうやら顔は店長の女性に覚えられていたようだ。
4人は丸テーブルに座り、各自が高価そうな物を敢えて頼んでいく。
まあ、サトルのカードには伯爵や公爵よりも多い金額が入金されているので問題はない。
流石にサトルは慣れていないのだがスザンヌが車海老の5倍ほどの大きな海老ににた物とスープにパンそれとサラダを頼んでくれた。
「サトル、この白身のプリプリした食べ物は海の宝物と言われている高級海老よ、値段を食べならが言うのもハシタナイけど、銀貨10枚を超えるわ!」
「ええ?この車海老もどきが1匹でそんなに?・・・」
”日本円で10万を軽く超えるのか!海老入りの担々麺を800円で食った方が俺的には良いのだが”などと考えてしまう。
4人でワイワイ、美味しいだの少し味が薄いだの言いながら久しぶりに楽しんで食べていると、一人の騎士がサトルに近づいて来た。
サトルはかなり悪意を持った”気”が近くにいることを食べながら感じていたのだが楽しい食事に水を差すのはやめようとスザンヌにも言わないで楽しんでいたのだ!
「おい、貴様、ここは男が座って食事ができる場所じゃないのだ、目障りだからさっさと消えろ」といきなり肩を掴みに来た。
勿論サトルはシールドをしているので触られても大丈夫だが、彼女が近くに来た時にはわざとシールドを外して『制御リング』を1/4だけ解放していた。
彼女はサトルに触れた瞬間心臓麻痺で一瞬にして死んでしまった。
周りの客がざわついて店長が飛んで来たがスザンヌが説明して「うちの旦那様は特殊な体質で体に帯電をしているため触れると痺れてしまって気絶するのだが、心臓が弱いと今のようにショックで死ぬ場合がある。何処の護衛の騎士か分からんがSSSクラスの旦那様の力も見られない騎士では遅かれ早かれ死ぬな!」とさらっと言って、死体を処理してもらった。
スザンヌは更に食事を追加しながら食べていると先ほどの騎士を連れていたのは男爵家のものらしく、4人の席に来て「確か貴方はスザンヌさんよね?先ほどうちの護衛の騎士が御宅の荷物持ちに触れて倒れたけど、心臓麻痺を起こしたとか?責任をとって貰えないかしら?」
「男爵は貴族の中では下なので知らないのだろうから今回は許すが冒険者のSクラスは侯爵同等と言うことをわかってないのかね?ましてうちの旦那様は荷物持ちではなくこの世界最強のSSSクラスの冒険者で公爵同等の旦那さまよ!わかったら席に戻りなさい。御不満なら御宅の一番強いご婦人と旦那様と決闘でもしたら?」
「わわわわ、わかったわ!此度の事私は肝に命じて近いうちに御宅の御主人に決闘を申し込むわ」そう言って店を出て行った。
「何だかスザンヌが随分と相手を煽っているから驚いたよ」
「このような事を度々繰り返した方が私たち4人の顔が売れて良いのよ、次第に文句を行って来る人間などいなくなるわ」
「それまで俺はどこかの護衛騎士団の連中と何回決闘すればいいんだ?」
「その度に殺しても良い奴と生かしてあげる奴を鑑定して戦わないと行けないじゃん」
「そのぐらいいいでしょ?サトルが今までしてきたことを考えなさい」
「なんだかなぁ!スザンヌに俺のこと喋りすぎたかな」
「夫婦に秘密があってはいけないわ!」
「あのぉ〜、そこはお二人きりにならないでほしいです」と不満そうにマーガレットが文句を言う。
サトルが不満ながらもにやにやして、「悪い悪い、君らは未だ独身だったね」と茶化しながら、店を出ると先ほど死んだ騎士の仲間5人が待ち構えて「貴様に決闘を申し込む!5人では可哀想だが聞くと本当か嘘かSクラス以上の冒険者とか、それなら5人でかかっても良いだろう」と笑いながら言って来た。
「勿論一度にかかって来ても良いがこの道路の真ん中で良いのか?」
「決闘はこの近くのギルド訓練場で真剣でやる、ついてこい」とサトルに言ってサトル達4人は冒険者ギルドに行き、男爵の女性が受付嬢に説明してギルドマスターのエミリアも降りて来た。
訓練場には夕食どきなのでかなりの冒険者が物見遊山に訓練場にやってきた。
「サトル、女性の冒険者が100人程見に来たからちゃんとふざけないで戦いなさいよ」
「わかったよ!俺の本気の斬撃を見せてやるね」と言って『鬼切丸』を出して5人の騎士達に対峙した。
ギルマスが事情を聞いて、立会人となり「始め!」と掛け声をかけた。
5人が一斉に剣を構えて動こうとした瞬間、サトルは『鬼切丸』を光の速さのごとく抜いて5人は離れているにも関わらず首が一度に飛んでしまった。
流石に男爵の女性が悲鳴をあげて駆け寄る。
サトルが「こいつらを助けたいのか?返事をしろ」と男爵の女性に聞くと「頼むから助けてやってくれ」と泣きながら乞い、サトルは『EXハイヒール再生』と呟くと切り落とした首と体が繋がり5人が生き返った。
5人は男爵と手を取りあって泣いている。
「わかったかしら?私の旦那様はあなたがた100人が掛かっても相手にならない強者で然も教皇様でも出来ない回復魔法を使える達人ですよ、以後男でも女性では歯が立たない人が居ること考えて行動しなさい」と首が繋がった5人の騎士達に告げた。
エミリアは今初めてサトルの剣の本気度を見て悪寒が走った!
彼の『鬼切丸』の斬撃ではどんな盾や剣でも防げずに殺されると、黒龍を一撃の元に首を切り落としたのも頷けると思った。
一緒にダンジョンに潜ったのでスザンヌと同様の力があるのは分かっていたが、そんなレベルの比ではないことが分かった。
周りで見ていた高レベルの冒険者達も彼の太刀筋が見えずに5人の首が飛び再び再生した魔法を見て、神か悪魔のごとく思っていた。
スザンヌとサトル達はエミリアに手を振って冒険者ギルドを後にした。
後に残ったエミリアが男爵の女性に「スザンヌさんが居る時点で決闘なんて無謀だと思わないと、スザンヌ様よりご主人が圧倒的に強いのだから、彼はキヌーイ帝国の軍隊5000人を一瞬で殺した程なんだから5人が叶うわけないでしょ」
男爵の女性と5人の騎士達はただただうなずくばかりだった。
冒険者ギルドのギルドマスターでSランクのエミリアが冒険者100に近くの前でサトルというSSSクラスの冒険者が5000人の帝国軍を一瞬で殲滅したと言うことを話したことはかなりの効果が有り、サトルという男の冒険者の噂は王都の冒険者仲間、貴族仲間に瞬く間に拡がって行った。
翌朝サトル達は朝食を食べ終えて冒険者ギルドに行きルビーゼがクエストを見たが芳しいものがないのでスザンヌのところに戻り「昨日の今日だけど、再度”ハルモナの迷宮”を潜りませんか?」と聞いて来た。
「そうね、既にダンジョンは再生して居るから魔物も宝も再び得ることができるかもね、昨日より強い魔物なら嬉しいけど」とスザンヌが再挑戦に賛成した。
「俺も構わないよ、今度は自由に動けるからね」とサトル。
「サトル、例のスキルを禁止で行かない?」
「別にいいよ、剣と魔法で正攻法でいくよ」
結局4人で再び”ハルモナの迷宮”に潜ることにした。
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