第44話 王都での生活−2

ドアーフのビアンカのおばさんにミスリルの剣を打って貰う2週間弱の間、サトルはスザンヌ達と毎日冒険者ギルドに通い高ランクのクエストを受ける事にした。


そして今日もクエストを受けようと掲示板に向かったサトルを受付嬢が呼び止め、ギルドマスターの所に『改革の息吹』のメンバーで行って下さいと依頼された。


サトル、スザンヌはマーガレット、ルビーゼを伴って2階のギルドマスター室のエミリアを訪ねた。


「スザンヌ様、サトル殿済みませんが貴方がたパーティに緊急の指名依頼が王妃様から来てます」


「王妃様から?エミリア、内容は貴女は分かっているの?」


「詳しくは分りませんが王女様が王都のダンジョンに潜るのでそのサポート護衛かと・・・」


「そんなの王家の騎士団がすれば良いのに何で俺達に?」


「王妃も最初はそう考えていたらしいのですが王女様が絶対にサトル殿に依頼して欲しいと、聞かなかったそうよ」とエミリアがサトルに笑いながらいう。


「王女様って、三女のクリスティーナ様?」とスザンヌ。


「それが長女のバーバラ様と次女のキャロル様も一緒なんですよ!」


「特に長女のバーバラ姫はそろそろ旦那さんを貰う歳頃なのでダンジョン踏破が義務のようで上位の冒険者を出しなさいと私に直談判した程ですから!」


「王都のダンジョンって”ハルモナのダンジョン”だよな?以前俺が踏破した・・・」


「そうなのよ、もし騎士団が行くとなるとディアナクラスでないと護衛を勤められない難易度でしょ?それで王妃も踏破経験のあるサトル殿のパーティーに白羽の矢がたった訳ね!」とエミリア。


「それで実はお願いはまだあって、ダンジョンに潜る時に私も一緒に行かせて欲しいの」


「なんだ!エミリアまで潜ると言うの?」


「騎士団が誰も入らないので私が王女達の力量を確認すると言うことも兼ねてどうはんするわ」


「拒否権は無さそうね、サトル」とスザンヌ。


「一度踏破したから中がどうなっているかは俺がよく知っているからいいけど、王女様達がメインで討伐だときついかもしれないぞ!」


「その辺は、スザンヌさんとサトル殿達で魔物の力を削いで最終仕上げを王女様達が出来るだけ討伐する方向でお願いするわ、以来金額は破格の白金5枚よ」


「それでエミリア、潜る日はいつなの?サトル一人なら半日で終わるけど、王女様3人が討伐となるとダンジョン内で1泊も覚悟しないとね」とスザンヌ。


「明後日午前8時に冒険者ギルド集合でお願いします」


「わかりました、明後日の8時ね、準備してここに来るわ」とスザンヌがエミリアに言ってギルドマスター室を後にした。


「スザンヌ、せっかく来たのだから簡単なクエストを受けて早めに家に戻り準備しようか」


「そうね、午前中ひとつぐらいこなして家に戻りましょう」


サトル達は掲示板を見て、オークの群れ20匹の討伐依頼を剥がして受付にだした。


「オークの群れは王都の西門を出て1キロ行った、森にいます」と受付嬢。


サトル達は4人とも西門を出ると【身体強化】をかけて数分でオークのいる森に来ていた。


サトルが【サーチ】をかけて20匹のオークの居場所を正確に捉え、森の中の数十メートル北側に入ると20匹のオークが見えた。


マーガレットが【ファイアランス】、ルビーゼが【アースランス】をそれぞれ4本ずつ放ち打ち取り、スザンヌが【サンダーボルト】を5匹に放ち、一瞬で13匹のオークを倒した。


サトルは相変わらず【インビジブルハンド】を使い、オークの豊かな胸を触り放題して残りのオーククイーン1匹を含めて楽しみながら全員を瞬殺して死体を回収した。


結局クエストを受けてものの15分もかからずクエストを達成して素材置き場に20

体のオークを納品して銀貨430枚を受け取って、サトルのカードに入金した。


サトル達は家に戻り、『豊食の皿』でスパゲティー、ボンゴレを少し余分に6食分出して、4人で分けて食べて明後日からの作戦会議をリビングで紅茶を飲みながら

打ち合わせに入った。


「まずサトルは常に【ボディーシールド】をして、間違っても王女様達が直接さとるに触る事が有っても失神、死亡は防ぐこと」とスザンヌ。


「ボス部屋のミノタウロスに当たる前の4階層がアンデッド系なので確かスケルトンとミイラにバンパイアが出たと思うな、なので聖魔法を持っていない王女様3名では難しいからスザンヌか俺がバンパイアを倒さないと厳しいかな?」


「潜る前に王女様3名の鑑定をして調べておかないと辛いよね、その辺は構わないだろ?」とスザンヌにサトルが聞いた。


「はっきり相手に鑑定しますとは言わず、それとなく鑑定して、それを私たちに教えて、私も一応鑑定するけど相手が隠蔽をしているとそこまでは鑑定できないわ」


「その辺は俺に任せてくれ」


「後6階層に行く時に罠が有ったけど、このダンジョンは罠があるから常に俺が【サーチ】をしながら進もう」


「7階層は確か海のステージだったからここは『具現の水晶』で『潜水艇』を作り出して乗り切るとして、8階層はレイスが居て【聖魔法】が必須かな?9階層が岩竜でラスボスが赤龍だった。状態が変化しているかもしれないが大きくは変わらないと思うので後は3人の王女様の魔法特性とスキルを鑑定して対応を考えよう」とサトルが覚えている範囲で皆に説明した。


「それで、マーガレットとルビーゼは魔法と魔剣で魔物の急所は狙わず力を削ぐ攻め方に徹し、あくまでも仕留めるのは王女様達に任せる事、やりにくいけどね」とスザンヌ。


「ダンジョン内で1泊出来るように準備をしておいてね、特にサトル、『具現の水晶』で泊まる家を作り出す時は個室最低4部屋、ダブル1部屋、ツイン1部屋の合計6部屋を用意して、トイレ、お風呂、食卓は私達4名に王女様とエメリアで8名入れる広さを考えてね」


「泊まりや休憩の家は『具現の石』であらかじめ8人用として作り込みストレージに入れて行くよ、『潜水艇』」は『具現の水晶』で作り込むから足りると思うな」


「それなら大丈夫ね、あと『リフレクションリング』は私もルビーゼ、マーガレットは必須ね」


「「はい了解です」」と二人がハモった。


お茶を飲みながらの作戦会議は夕方まで続いて結局終わったら夕食の時間となった。


マーガレットとルビーゼが席を立って夕食の準備を始めた。


今日はマナバイソンのシャブシャブにする。


白菜とキノコ類、饂飩など『豊食の皿』で用意して『魔法の鍋』にシャブシャブと念じて熱いスープが鍋一杯に湧き出るとそれぞれマナバイソンの薄切りを浸してポン酢たれやゴマだれに入れて4人で突っつきながら食べた。


翌日はそれぞれ『マジックアイテム』を確認しながら【次元ストレージ】に必要なものを入れて、食料と『豊食の皿』や『魔法の鍋』などはサトルが全て担当して準備してあっという間に王女達とダンジョンに潜る日の朝を迎えた。


4人は早めに起きて朝食を6時半に食べて歩いてギルドに向かった。


ギルドの1階の食堂で4人は座るとすぐにギルドマスターのエミリアが降りて来て

今日はいつもと違って冒険者としての服装で腰に剣を携えている。


「おはようございます、『改革の息吹』のパーティーの皆さん!本日はよろしくお願いします」


「エミリアは基本戦わないで王女様達の護衛役なのでしょ?」とスザンヌ。


「ダンジョンの魔物の種類にもよりますが護衛ばかりに徹しても居られないかとおもっています」


「でも、4人の顔ぶれを見れば安心してお任せ出来るかと・・・」


「でも問題は姫様達が問題だわ」とスザンヌ。


「もうそろそろ来る時間だろ?入り口で迎えて出てようよ」とサトルが言って5人はギルドの外で姫様達を待った。


ちょうど7時50分に騎士団長ディアナと5名の騎士団に守られて王女達の乗る馬車が到着した。


「最初に三女のクリスティーナが降りてきて、次に次女のキャロル、次いで長女のバーバラ姫が降りて来た」


「王女様がたは面識が無い者もいると思うので私から紹介しますね」とエミリアがいい、

「先ずはSSSクラスでこの世界で最強の冒険者のサトル殿と奥様のスザンヌさん、スザンヌさんは姫様達は面識あると思いますが、その隣がSクラスのマーガレットさん、同じくSクラスのルビーゼさんです」


サトルはエミリアが紹介している間に3人の姫様達を【鑑定】していた。


バーバラ・メッシーナ 18歳


メッシーナ王国第一王女


【HP】50/100


【MP】60/1000


魔法特性 火魔法


スキル 魔眼(魅了)


キャロル・メッシーナ 16歳


メッシーナ王国第二王女


【HP】80/200


【魔力】80/2000


魔法特性 火魔法 風魔法 土魔法 無属性魔法


スキル 鑑定 身体強化


クリスティーナ・メッシーナ 15歳


メッシーナ王国第三王女


【HP】200/1000


【MP】100/2000


魔法特性 神聖魔法


スキル 剣聖 努力



素早くだがざっくりと3人の姫様の魔力、魔法特性、スキルを【鑑定】した。


結論から言って一人で戦わせるには余りにも貧相なステータスでかなりサトル達が

魔物の力を削ぎ落とさないとトドメの一撃を姫様達だけで刺すことは難しい。


一応スザンヌも同じように鑑定したようで、マーガレットとルビーゼにも伝えて4人で目配せをした。


「スザンヌさん、一応3人はお城で剣は騎士団から毎日指導を受けてある程度戦えると思っており、魔法も私は火魔法、キャロルは風魔法、クリスティーナは神聖魔法が使えるわ。なのでダンジョンでも何とか出来ると思うので危ない時だけ手を貸していただけたらいいわ」とバーバラ姫が言って、”ハルモナダンジョンの入り口に向かって8人は歩みを進めた。

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