第41話 王都の自宅の改造
キタミのスザンヌ邸以外に王都に自宅が有れば、と商業ギルドで元侯爵邸を購入したサトル達はスザンヌはじめマーガレットやルビーゼらはサトルが用意してあげたお風呂のシャンプー、ボディーソープ、ボディーローションをえらく気に入りそれについて色々遅くまで女子会で騒いでいた。
サトルは広い厨房に【次元ストレージ】と冷蔵庫、電子レンジ、食器洗浄機を用意する為にいつもより早く起きて朝練をして食堂に行き、『亜空間魔法』で【次元ストレージ】の大きなボックスを厨房の片隅に取り付けた。
さらに『マジックアイテム製造機』に魔力を流し込んでサトルの居た世界の冷蔵庫、電子レンジ、食器洗浄機を作り出して動力を魔石クラス5を【次元ストレージ】から魔物の魔石を選別して動く様に【モデリング】で作り込んで厨房に設置した。
ちょうど3点を設置終えた時にマーガレットとルビーゼ達が降りて来て朝食の用意をしてくれた。
卵にウィンナーソーセージ、パンと野菜コンソメスープを準備してくれて4人で食べる。
朝食を食べながら【次元ストレージ】の倉庫と冷蔵庫、電子レンジ、食器洗浄機を3人に説明して、野菜や肉類、エール、ワイン、牛乳等冷蔵庫に入れた方がいいものと【次元ストレージ】に入れて置いた方がいいものとに小出しに分けて、収納していった。
「マーガレットとルビーゼ、食器洗浄機は食べた後まず最初にこれに入れてその後【クリーン】魔法をかければ完璧だからね、それと冷蔵庫から出したものを温めるには電子レンジに入れればすぐ暖かくなるから」とだいたいの使い方を説明した。
「スザンヌ、俺はきょうは1日トイレとお風呂、ゴミの処理等を考えて作り直すから3人で王都の冒険者ギルドでクエストを受けて来てよ、夕方までには作業を終えておくから、帰りは市場で食材を買い出しして来て!」
「わかったわ、トイレのウォシュ○○○は一度経験すると元に戻れないわ!」と言って、3人で冒険者ギルドに出かけて行った。
サトルは先ず全てのトイレに水が流れていく様に配管をして、全ての水の流れを1箇所にまとめてそこにスライム20匹を【サーチ】を掛けて場所を特定して捕獲しティムしてから処理場の中庭に連れて来てスライムがゴミや水処理をした後に本管の下水道に流す様にした。
中庭には縦横25メートル×10メートル深さ5メートルのプール状の穴を設けてそこに全ての下水道の水、汚物、食べかすが集まる様にして地表から1メートルのところに蓋を施して、スライムが5匹程登って来て休憩できるスペースも作ってやる。
スライムに念話でプールに溜まった汚物、下水、食べ物かすを食べて浄化しプールの端に設置された溝(王都の下水道に通じている)に綺麗になった水を流す様に指示をだした。
厨房、食堂、トイレ、お風呂から出る全ての汚水と食べかすはスライムの食料として処理され、スライムが処理し終えた綺麗な水だけを下水道に排出するシステムが完成した。
気がつくと空が茜色に染まりそろそろスザンヌ達が帰宅する頃だ。
急いで『美食の皿』と『魔法の鍋』でカツカレーを用意してスザンヌ達を待った。
スザンヌたち3人はいくつかのクエストをこなして金貨30枚、銀貨96枚、銅貨75枚を受け取ったと、誇らしげに帰って来た。
「スザンヌ達、先ずはお風呂に入りなよ!水色の印がある方にひねると水が出て赤色の方にひねるとお湯が出るから、バスタブにお湯を入れてから入ればいいよ。シャワーも同様に水色が水、赤色がお湯が出るので水とお湯の割合で温度調節をしてくれればいいから・・・」
3人がお風呂から出て来てお湯が出るシステムに感激して居た。
「サトル、私たちがクエストを受けている間全てのお風呂をこのシステムにしてお湯と水が出る様に改造したの?」
「そうだぞ、この館の全ての水回りはお湯と冷水が出る様に改造した」
「汚水は全てティムしたスライムが綺麗な水にして処理してくれるからトイレも清潔だぞ!」
「すごいわぁ!サトルは冒険者にしておくのはもったいないわね、『賢者』さまだわね」
「この国には賢者っているの?」
「今の世にはどの国にも居ないわ、『賢者』様が没してからかれこれ500年ほど経つわ」
「その賢者様って女性か?」
「当たり前じゃない男性は魔法を使えないのだから・・・」
「そうか、賢者も女性なんだね」と少しがっかりしたサトル。
「スザンヌ、夕食ができているから食堂に行って4人で食べようよ」
「サトル、今迄はマーガレットとルビーゼがやっていたのに悪いわね!」
「いいよ!何を出すのか考えるのも楽しいから、今晩はジューシーなハンバーグにするつもりだったけど3人が未だ食べた事が無い物にしたんだ!」
「いつ食べてもサトルが出すハンバーグは美味しいのに!肉ジルがとてもジューシーで、パンも、クロワッサンというの?この世界のパンではなくとても美味しいけどきょうは違うの?」
「スザンヌ様、このスープというかタレは見た目凄い色で引いてしまいますがピリッとして独特な味で肉のフライと相まってとても美味しいです」とマーガレットが絶賛してくれた。
「スザンヌ、せっかく王都にも居を構えたのだから、ここの冒険者ギルドでクエストを受けつつ、王都を俺はくまなく動いて街を知りたいな」
「そうね、サトルは未だ王都はオークションとかで来てるけどくまなく歩いてみてもいないし、きっと外でお茶や食事したら”荷物持ち”と揶揄されて騒動になるわね」
「少し騒動になって、王都では男冒険者の強い奴が居ると噂が流れれば少しは他の街でも男は荷物持ちだけじゃ無いと認識してくれるかもしれないしね」とサトルがクロワッサンを食べながらスザンヌに話した。
「それじゃ、明日は4人で午前中から冒険者ギルドに行って、高ランククエストを『改革の息吹』のパーティーで受けましょう!」とスザンヌが言った。
夕食を食べ終え、ルビーゼとマーガレットが食器洗浄機に食べた皿などを入れて片付けそしている間に、サトルは皆にアメリカンコーヒーとティラミス4個を出して準備した。
「いつ頂いてもサトル様のコーヒーという飲み物とケーキというお菓子は絶品ですね」
「食事の後でも別腹で食べれるでしょ?」とマーガレット達にサトルが話すと、「夕食は結構ボリュームが有るのにこのケーキはお腹がいっぱいでも後2、3個食べれそうね」とスザンヌがティラミスを平らげてアメリカンコーヒーのおかわりをした。
「サトル、ギルドの中では常に『シールド』をして、冒険者があなたに触れるのを防いでおいた方がいいわ、ここ王都は冒険者の出入りも激しいから、キタミの様にサトルが冒険者の怪物だって知られていないから必ず”荷物持ちが、席に座るな”と言ってくる輩は多いから」
「近づいてきた冒険者を一人残らず殺していけばちょっかいをかける奴がいなくなっていいのじゃない?」
「そんなことしたら、ギルマスのエミリアの仕事が増えて怒られるわ」と本気になって応えるスザンヌ。
「冗談だよ!俺がそんなにむやみに冒険者を殺す様に見えるの?」
「本当にやりそうだから言っているのよ」
「スザンヌさん、私たちでもサトル様に触れるとショック死しますか?」とマーガレットが聞いてくる。
「サトルのスキルがどんどん強くなって、『制御リング』では一番強力に制御しても今じゃ触れただけで人間族や獣人族は即死する様よ、ガタイの大きいドラゴンやミノタウロスでも意識が飛んで30分は起き上がれないから」
「異常状態耐性のスキル持ちで有れば大丈夫なのでは?」とルビーゼが聞くと、
「異常状態耐性のスキルレベルが最高値の10の人とドラゴンとどちらが耐性が強いと思う?」
「それは、・・・!」ルビーゼが口ごもる。
「ルビーゼ、ドラゴンの耐性は耐打撃、耐魔法、耐状態異常全てにおいて人間より上なのよ、そのドラゴンがサトルが3回以上摩ったら死んでしまうの、スキルが10でもダメね、おそらく今のサトルのスキル数値は人間の限界値を超えて居るわ」
「とりあえず、ギルドに限らず街を歩き回る時は常に【ボディーシールド】をして歩くから安心してよ」とサトル。
「それじゃ、明日は王都のギルドに朝一で行きクエストを確認して4人で受けましょ!」とスザンヌが言って各自部屋に上がった。
スザンヌとサトルはいつもながらスザンヌの耐サトルスキルの確認をして歓喜の声を上げていたのは語るまでも無い。
翌朝、スザンヌとサトルは朝練をし、サトルはいつもの様に瞑想をしてからシャワーを浴びて朝食を4人で食べて、ギルドに向かった。
朝早めだったが、流石に王都の冒険者ギルドの朝は早い。
既に冒険者達でごった返しだったが、スザンヌが掲示板の最高ランク向けのクエストをみて、新たなクエストの1枚に興味を持った。
”王都の外れに新たに発掘された古代人の遺跡後の地図作成と探査依頼”が金貨80枚と高額で残っていた。
「サトル、これにしましょう!貴方の興味ある古代人の遺跡が最近発掘されたみたいよ」
サトルも見ると場所は王都の西門前を出て500メートル行った地下で偶然3日ほど前に発見された様で、潜ったBランクの人間が中に入った途端、魔物に襲われ命を落とし、仲間が逃げ帰って来て、ギルドがその後クエストとして出したそうだ。
スザンヌがこのクエストを掲示板から剥がして受付に持っていく。
「おはようございます、お久しぶりですスザンヌ様!今日はこのクエストをお受けするのですね?ここは全くの未知で先ずは地図と内部の様子を確認してもらえればいいです」
「魔物はこちらで討伐して報酬とは別途に買い上げて貰えるのよね?」
「はい、金貨80枚は地図の作成と中の様子の調査がメインで、討伐した場合の魔物は別途ギルドで買い上げさせて頂きます」
「了解よ、『改革の息吹』4人が受けるわ」そう言って4人のカードを提出した。
スザンヌのSSSカード、サトルのSSSカード、マーガレットのSカード、ルビーゼのSランク冒険者カードを受け取った受付嬢はサトルの顔をまじまじみて、男性のSSS冒険者カードと見比べて驚いている様だ。
「ミリア、サトルは私の旦那で私より強いからこれからもよろしくね!」と受付嬢にいうと「ええええええ!スザンヌ様のご主人?スザンヌ様より強い人?しかも男性で?ありえない・・・」と驚いていた。
周りの冒険者たちが驚いてサトル達をみていたがスルーして4人は歩いて王都の西門を出て古代人遺跡の地下の入り口を開けた。
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