第40話 王都の商業ビルド
サトル、スザンヌはキタミを基盤に冒険者生活を送る予定だがキタミよりもクエストの種類と数が多い王都にも家を買おうと云うことになり、王都に【転移】して街に入った。
スザンヌの後について、3人は商業ギルドに向かった。
商業ギルドは貴族街に近く、冒険者ギルドよりは静かな所にかなり大きな建物であった。
スザンヌに続いて3人が入ると、受付の女性がスザンヌを見て「スザンヌ様お久しぶりです、本日はどのようなご用件でいらっしゃいましたか?」と丁寧に聞いて来た。
サトルは「さすがスザンヌは王都の商業ギルドでも顔が売れているんだな!」とマーガレットとルビーゼに小声で言った。
「スザンヌ様はキタミだけでは無く王都でもこの国の何処に行っても有名ですから・・・」とルビーゼ。
「きょうは、王都に家を持とうと思って来たのよ、いい物件がないかしら?貴族街では無く、冒険者ギルドに近い方がいいわ」
「広さと予算は如何程でしょうか?」
「広さは4人が住んで、時折女王様や公爵さん達も来れて会議ができる広さが有ればいいわ、それと予算は別に考えてないから任せるわ!」
「女王様や公爵様が来て打ち合わせをするので有ればやはり貴族街に近い方がいいと存じますが・・・、冒険者ギルドから近く、貴族街からさほど離れていない場所となると・・・、少々お待ちください。不動産部門の担当者を呼んで参ります。まずはこちらの部屋でお待ちください」と言って、受付の横にある個室に4人を案内した。
女性的な男性がお茶を持って入って来た。
暫くすると一人はいかにも品の良い貴族風の女性と、少し神経質そうなメガネをかけた女性が地図と数枚の紙を束ねて持って来た。
「スザンヌ様、お珍しい!お久しぶりです」
「あら、レオノーラ久しぶり。相変わらず忙しそうですね」
「スザンヌ様も色々お隣の国の戦争にまで駆り出されてお忙しそうで・・・」
「レオノーラ、私の主人を紹介するわ、こちらサトル。私より遥かに強い冒険者よ!」
「商業ギルド理事長をしておりますレオノーラです。以後お見知り置きください」
「冒険者をしておりますサトルです」
「サトル様は確かSSSランクとか?男性でもすごいお強いのですね!」
「まだまだですよ」と笑いながら謙遜するサトル。
「それで今回は貴族街からそれ程離れておらず、冒険者ギルドから近い場所となるとちょうど3点ほどございます」と資料を持って来たメガネの女性がスザンヌに地図を広げて見せて来た。
先ずは貴族街から歩いて50メートルほど行った元侯爵様の屋敷が白金3枚程、それと冒険者ギルドから道隔てて向かい側の奥に商行ギルドの元理事長の屋敷が白金2枚で売りに出てます。
最後に冒険者ギルドの先100メートル程行って、中に入った場所に更地として1000坪の土地が金貨35枚で売りに出てます。
「場所的には女王様達がいらっしゃるのを考えれば、元侯爵様邸宅跡地がよろしいのではないでしょうか?」
「一度見に行きたいので今見れますか?」とスザンヌ。
「はい、私がご案内しますので・・・」とメガネの営業の女性が席を立ち案内をするので出口に向かう。
「スザンヌ様、私はこれで、契約時にまたお目にかかります」と言って理事長は2階に戻って行った。
商業ギルドから貴族街に向かって数分歩いた所に元侯爵邸がある。
広々とした庭にキタミのスザンヌ邸と同規模の邸宅がそこにあった。
5人で中に入ると、個室が8部屋、それぞれにトイレとお風呂が有り、それ以外に大広間がかなり広く、食堂も20人ぐらい集まって食事ができるほど広い。
中にはは訓練所も併設されており、おそらく侯爵だった人の騎士団がここで訓練で
きるように中庭に併設していたのだろう。
サトルもスザンヌも気に入ったので少し贅沢と思ったが二人でこの家に決めることにした。
冒険者ギルドへも歩いて7、8分で着くし、王宮からも歩いて5分ほどの距離だ。
5人は今一度商業ギルドに戻り、登記や税金、邸宅の金額をサトルのカードで支払い、サトルの名義で登録を終えた。
商業ギルドの理事長が邸宅の鍵をいくつか持って来て登記簿藤本をサトルに渡してくれた。
「この度はお買い上げいただき誠にありがとうございます、これを機会に末長く我がギルド共お付き合いください」
「今度、『ポーション』や新たな魔道具を開発したら又お世話になると思いますのでその節はよろしく」とサトルが言って、商業ギルドを後にし、購入した元侯爵邸に向かった。
「サトル、私たちの部屋は2階の一番手前の一番広い部屋にしましょ!」
「マーガレットとルビーゼは同じ列の部屋で私たちの隣の部屋ね」そうスザンヌが一人ではしゃいで決めていく。
「スザンヌ、食堂の厨房室に少し大きめの【次元ストレージ】の部屋と俺が考えている冷蔵庫と電子レンジ、食器洗浄機を後で作り込むよ。それとトイレはウォシュ○○○と云う俺のいた世界の物に換えたいからお風呂とトイレは明日にでも作り直すね」
「サトル、馬車の中の『亜空間』のあのトイレね?あれは最高だわ!キタミの家も戻ったら直して頂戴」
「簡単に言うよね!我が奥様は」
「だって私の数十倍の魔力があるのだから大丈夫でしょ」とニコニコして返事するスザンヌ。
「スザンヌ様とりあえず各部屋のお掃除を私が【クリーン】魔法で綺麗にします、とルビーゼが2階のスザンヌとサトルの部屋、自分たちの部屋、残り5部屋を魔法で綺麗にしてベッドのシーツなども新品に換えた。
3人の女性達はサトルから貰った【次元ストレージ】から洋服や剣など個人の持ち物を各自の部屋で整理して洋服はクローゼットに、剣は武器庫に納入した。
「マーガレット、ルビーゼ今晩の夕食は『豊食の皿』に助けてもらおうよ、お風呂とか【クリーン】魔法で綺麗にして、大広間と訓練所も見ておいて。俺は取り敢えず夕食の準備をするよ、スザンヌ食器類を出すの手伝って!」
「わかったわ、旦那様」
夕食は『豊食の皿』で回鍋肉(ホイコーロー)と餃子を5人前ほど出して、スープは鶏ガラの中華風スープにした。
3人ともとてもこの夕食が気に入ったようで5人前をあっという間に平らげてしまった。
お茶を飲みながら休憩して、それぞれの浴室に『マジックキューブ』でつくりだしたシャンプーとボディーソープにボディーローションを3セット置いてあげた。
女性陣3人は浴室に置いたシャンプーやローションをえらく気に入り、風呂から上がって3人の女子会が賑やかに繰り広げられ夜遅くまで騒いでいた。
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