第39話 メッシーナ王国キタミの自宅に戻って
サトル、スザンヌ一行は女王様にキヌーイ帝国とプロバラ王国の戦いの結果報告を済ませ、4人は【転移】で一旦キタミのスザンヌ邸に戻ってきた。
「やっぱりここに戻って来ると落ち着くな!」サトルがスザンヌに声をかける。
「サトルもやっとここが自分の家だと思えるようになったわね」
「そりゃ、いつまでもキタミの宿暮らしじゃキタミの住人とは言えないじゃないか、取り敢えずお茶でも飲みながら昼ごはんまでゆっくりして昼を済ませたらオレは一旦冒険者ギルドに行ってみるよ、3人はのんびり体を休ませていてくれ」
「サトル、私も一緒に行くわ、久しぶりに自分がいたギルドに顔を見せたいもの」
「マーガレット、夕食前には戻るから夜ご飯の準備をお願いね」
4人はお茶と久しぶりのケーキタイムでのんびりしながら昼になり、マーガレットとルビーゼが昼食を用意した。
昼食は野菜サラダたっぷりとマナバイソンのステーキに野菜スープとパンで久しぶりにスザンヌ邸の定番メニューをサトルも堪能してくつろいだ。
結局マーガレットとルビーゼも冒険者ギルドに行くことになり『改革の息吹』の4人で久しぶりにキタミの冒険者ギルドに顔を出すことになった。
朝とは違い、冒険者ギルドは然程混んではいない。
ケーシーが目ざとく4人を見つけ「サトルちゃ〜ん、おひさー!」と大きな声で声をかけてきた。
「ケーシーは相変わらずサトルのフアンのようね!」とスザンヌが笑いをこらえた笑顔でサトルに耳うちする。
キタミを根城に冒険者家業をしている女性冒険者達はスザンヌ、サトル達がこの世界で別格視されているのを良く承知しているがこの地に未だ浅い冒険者達は見知らぬ3人の高ランク女性に荷物持ちの男性が人るついているように見ている。
「サトル私はギルドマスターと話ををして来るから3人でお茶でも飲みながらクエストでも見ていて」
「ああ、のんびりマーガレット達とここのクエストでも眺めているよ」と言って3人で食堂のテーブルに座ってお茶をオーダーした。
「マーガレットもルビーゼも余りここの冒険者には来ないから久しぶりじゃないの?」
「そうですね、スザンヌ様がギルマスの頃良く夜食を届けにきてましたがその時間帯は冒険者達は清算も済み、ほとんどの人が宿か自宅に帰宅していて、受付もケーシーさんや2人程の夜勤の人しかいませんでしたから」
サトルが受付を見ると二人ほど新しい受付嬢がおり、一人は獣人族の狼人の女性だった。
ちらっとサトルが受付に目をやると偶然にも狼人の女性がサトルを睨んで何やらケーシーに話をしている。
「ケーシー殿、何で荷物持ちが食堂の椅子に座って冒険者と談笑できるのですか?男性は椅子に座れないでしょ!」
「あら、ジャネット、彼はこの世界で一番強い冒険者でSSSクラスの化け物よ。顔は可愛くて私好みだけど、先日も女王様からの依頼で隣国のプロバラ王国へ助っ人として行って、5000人のキヌーイ帝国兵を一瞬で殲滅した猛者よ」
「ええええー!男がですか?強そうには見えないけど・・・」
「あらっ、それはジャネットが未だ未だ修行が足りないわね!彼の立ち振る舞いを見れば隙もなく魔力も莫大な魔力でかなり隠蔽してもじゃじゃ漏れしてるわよ」
「Sランクでさえ各国に一人か二人しかいないのにその二つも上のランクって、どれだけ強いの?」
「彼の奥様はここのギルマスを長いことやっていて、彼が現れるまでこの国一番の強者だったスザンヌ様よ、今ギルマスと話しているけど・・・、彼女が瞬殺されるほどサトルちゃんは強いわ」
「スザンヌ様の名前は良く知っているわ!この世界でトップの人だって」
そんな話をしていたら、午後のクエストから戻ってきた冒険者のグループ4人のグループが受付に来てクエストの清算を求めて来た。
「おい、兄さん、食堂に荷物持ちが座っているのをここのギルドでは許しているのかい?」とケーシーに言ってきた。
「あら、あなた達はキタミに来たばかりだから知らないかもしれないけど、キタミの化け物のサトルちゃんよ、この世界中で一番強い冒険者よ。絶対絡まない方がいいわ、首は一瞬で消えるわよ」
「男でこの世で一番強いだと?キタミの怪物?スザンヌとかいうギルマスではないのか?」
「そのスザンヌ様を1秒で負かした怪物よ」
「へぇー、どれ程のものか見て見たいな」
「ロベル、あんた少しは【鑑定】できるんやろ、あの男みてみん」
ロベルと言われた女性がサトルを【鑑定】するも全てが?????になっていて見れない。
そりゃそうだ!圧倒的にサトルの力がロベルより上のため鑑定が全く効かないのだ。
「エマ、全く鑑定できないわ!隠蔽してるかランクが高すぎるかね」
「ロベルだってBランクなのに、見られないほど高いのか?」
「それか、彼が低すぎて何も持っていないかだわ」
「ちょっと調べて見るか」そう、エマが言ってサトル達に近づいて行く。
「あらあら、注意しても行ってしまったわ、ジャネット見てて見なさい、あのBランクの冒険者がサトルちゃんにちょっかい掛けてどうなるか・・・」
「ケーシーさん、止めなくていいいの?」
「冒険者は自分で納得しないとダメなのよ、いかに雲の上の人がすごいか身を持って知るといいのだわ」
「おい、そこの男性、ここギルドの食堂での持つ持ちは椅子に座れないのを知っているよな」
「おう、見かけない顔だな?Bランク成り立てでは俺たちの強さが認識できないか、俺は荷物持ちじゃないから座ってお茶は飲めるんだ!ご忠告ありがとうな」
Bランク成り立てと言われ確かに彼女達は未だBランクになって日が浅いのを見た瞬間に言われてエマは「君がそれほど強いなら、是非我らと模擬戦をしてくれないか?一手ご教授願いたい」
「教えることは何もないぞ!今のまま日々努力すればAランクには3年ぐらいしたらなれるかもしれんぞ」とサトル。
「まぁ、SSSランクがどの程度か知るのも君たちにはいい経験になるだろうから相手してやるけど一つ条件がある。もし自分たちが一瞬で負けたらこの世界には女性よりも強い男がいるということを認識して男だから荷物持ちという固定観念は捨てろ!わかったな」
「了解した、もし我々が負けたら男でも強い奴がいると今後は皆に広める」
「それじゃ、ギルドのの訓練場を借りよう、ケーシーさん悪いけど訓練場をちょっと借りるよ」
「サトルちゃん、大怪我させないでね、貴方ならすぐ回復させてくれるから心配はしてないけど!」
「ちょうどいいわ、ジャネット、貴女サトルちゃんがどれだけ強いか見るいい機会よ、一緒に観戦してくるといいわ、一瞬で終わるけどね!」
サトル達は4人の冒険者と数人の冒険者が観戦で訓練場に来ていた。
観戦するのは殆どがここキタミに来たばかりの冒険者達とマーガレット、ルビーゼと受付嬢のジャネット。
4人の冒険者は剣士のエマ、魔法師のロベル、回復師のガーネット、盾のジャンの4人だ。
「一度にかかって来ていいぞ」とサトル。
魔法師ロベルが【ファイアランス】を放った!
サトルの前で霧散する。
エマが剣で斬りかかるも手前で倒れる。
ガーネットとジャンは何もせずに気絶している。
4人は2秒もかからず全員が戦闘不能になった。
サトルが4人に手を翳して【ヒール】をしてやり、マーガレットとルビーゼを連れて食堂に戻るサトル。
受付のジャネットはサトルが何をしたのかも分からず驚いていた。
「ジャネット、サトルちゃんの強さわかった?」
「強いのは良くわかったけど、何をどうしたのかも分からず勝てしまったわ」
「SSSクラスになるとそれ程違うのよ、特にサトルちゃんは規格外だからね」
「彼は魔王か神だわ!」
「そうね、それに近いわ」とケーシーは自分のことのように自慢していた。
絡んで模擬戦を申し込んだエマたち4人は気がついたら全員が意識を刈り取られてサトルの【ヒール】で意識を回復させられ、負けた事は良くわかるが剣できられたわけでも無く拳で攻撃されたわけでもないのに意識を刈り取られていた自分達が信じられないでいた。
ギルドに戻り、改めてエマは「先ほどはご教授ありがとうございます。はるかな高みを認識させられ更に精進が必要だと痛感しました。それと今後は男性でも我ら女性よりも圧倒的に強い人がいることもよーくわかりました。以後気をつけます」と丁寧に4人揃ってサトル達に挨拶してギルドを出て行った。
「サトル様の強さは相変わらずでしたね!魔法さえも発動せずに勝ってしまって!」
「BクラスやAクラスでは魔法など必要ないでしょ」
「いやいや、通常ではBクラスになるには20年ほど頑張らないとならないのですからサトル様は異常なんですよ」とルビーゼが言った。
そんな会話をしていたらスザンヌがギルマスの部屋から降りて来た。
「3人とも何か面白いクエストが有ったの?」
「いや、お茶を飲んでいたら冒険者から模擬戦を請われて訓練所で4人の冒険者と立ち会ったので未だクエストは見てないぞ」
「あら、模擬戦をしたの?」
「ああ、最近キタミに来た冒険者らしくて男性が食堂の椅子に座っているのは駄目
とか抜かすから、説教したら模擬戦をすることになってね・・・」とサトルがうんざりして答えた。
「ここではサトルもかなり有名になったけど、久しぶりに来ると新たにここに来た冒険者はやはり男性が座っているとクレームをつけるのね」
「スザンヌ様、この地でこんな状況だから他のギルドではまだまだ絡まれそうですわ」とマーガレットが困ったもんだという顔でスザンヌに言った。
「サトル、暫くは腰を据えてキタミと王都でクエストをこなせば少しは顔もうれるわよ」
「王都に小さな家でも構えるか?ここよりはクエストも多いし交互に一ヶ月ごとにでも腰を据えてクエストをこなせば少しは俺も顔が売れるかな?」
「明日再度王都に行って商業ギルドで不動産を見て見る?」
「そうだね、マーガレットやルイーゼも王都でも生活はいいよね?」
「はい、私たちはご夫妻の侍女なのでお二人についていくだけですわ」とルビーゼが応えた。
「それじゃ、善は急げだ!クエストも見てないから今日は今から王都に再度【転移】して商業ギルドに向かおうよ」
「少しゆっくりキタミにいたら?」とスザンヌ。
「いやいや、王都でも家を持つなら早い方がいいじゃない」とサトル。
4人は朝【転移】で戻って来たのに、再び【転移】で王都の街の城壁の門の前に【転移】して街に入った。
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