第38話 プロバラ王国王宮での報告

王都に向かって騎士団長と1万の軍勢とともにサトルとスザンヌ達も『具現の石』と『具現の水晶』でできた亜空間魔法付きの馬車で優雅に凱旋をして3日後に無事王都バレンバールに戻って来て陛下に騎士団長から帝国の降伏文章が手渡されサトル達に白金貨20枚が報奨金として出された。


「スザンヌ此度の働き誠にあっぱれであった、そちの国にも報告しておいたぞ。戻ったら王宮に行き王妃殿にお礼と報告を頼む」


「わかりました、我が国の増援部隊はもう国に戻っているのでしょうか?」


「副騎士団長からの勝利の連絡を貰った時に妾の方からすでに連絡をして2万の軍勢は戻っておるぞ」


「そうですか!それじゃ我々も一旦国に戻り女王様に報告に上がることにします」


「すまないが、そうしてくれ。くれぐれも妾が感謝していたと伝えてたもう」


「わかりました、それでは我々はこれにて失礼させて頂きます」


サトル達は王宮の城門を出ると、3人はサトルに掴まりメッシーナ王国の王宮前に転移した。


スザンヌが女王様に面会を申し出て衛兵が慌てて城の中に走って行った。


暫くすると執事長が現れて4人を女王様が待つ部屋に案内してくれた。





一方サトル達が去ったプロバラ王国の王宮ではエルミナ王妃がさらに詳しく副騎士団長のバレッサから国境の街で繰り広げられた5000人の帝国軍と4人の助っ人との戦いを詳細に説明報告を受けていた。


「王妃様!スザンヌ様、サトル様達4人が5000人の帝国兵を1分ほどで殲滅してしまいました。まずサトル様がなにやら巨大な業火を放つと3000人の帝国騎士団がSランクの魔法師と騎士を含め総大将の筆頭公爵を消し炭になって消え去り、そのあとのスザンヌ様も巨大魔法を放って1000人の帝国兵が肉片になって倒れ、侍女のマーガレットさんとルビーゼさんも魔法を放って残りの700名かの兵士を葬り逃げた200名を【転移】で逃げ道を塞ぎあっという間に捕虜にしてしまいました。全く考えられない連中です」


「サトル達の魔法はそれ程すごいのか?」


「すごいなんて物では言いつくせません、相手の例のSランクの魔法師がシールドを張って守ろうとしたのですがそのシールドごと全てを飲み込んで国境線をはるかに超えて数キロ先までなにも無い荒野にしてしまいましたから」


「恐ろしい魔法だな!とりあえずまた出陣するやもしれん、騎士団を少し休ませたら王都の警備に当たってくれ」


「はっ、かしこまりました」と告げてバレッサ副騎士団長は王妃の前を辞した。





*****


その頃、サトル達が去って行った帝国の大広間では宰相と貴族、皇后が話し合っていた。


「宰相、お主はあの男の力量を見てわからぬのか?”殺せと”叫んだ時我は完全に死ぬと思ったぞ」


「皇后様、負けた私が云うのもなんなのですがあの男性は恐らくこの世界で最強の人族だと思われます。私の剣を完全に見切り余裕で持って躱していましたし、瞬殺するなら一瞬で消しさられても仕方ない程でしたから」と騎士団長。


「さもあろう、我が最高の魔法師と騎士を一瞬で灰にするほどの男だ、あやつが3万の軍勢も一瞬で消し去ると言った言葉に嘘はないであろう」


「彼の妻であるスザンヌはこの前までメッシーナ王国のギルドマスターで世界最強と言われていて、自分より強い男性が出ない限り独身を通すと言っていた者だな?この世で男子は皆荷物持ち程度で剣も持てないから独身の言い訳に言っていると皆に揶揄されていたのだが実際に彼女より強い男性がおったのじゃな!」


「恥ずかしながら私は何度でも彼にやられたいほど意識を奪われた時の感触が忘れられません。彼になら何度倒されてもいいと思うほどです」


「それほどの相手か・・・」


「これからはメッシーナ王国とプロバラ王国にはちょっかいを出すのは慎まねばならぬな」と皇后が皆に向かって言った。





******



メッシーナ王国王都ハルモナの王宮で王妃、騎士団長ディアナ、宰相のカトリーヌを前にしてスザンヌとサトルが王妃の前で膝を折り挨拶をした。


「スザンヌ、サトル片苦しい挨拶は抜きじゃ、気楽にせい!」と王妃。


「おぬしら4人で5000人の敵兵を殲滅し、Sランクの魔法師と騎士それに総大将の筆頭公爵まで倒したと聞くがまことか?」


スザンヌが挨拶しようと膝を曲げたのを制していきなり王妃が問うた。


「はい、3000人はサトル殿が、1000人は私が、残りは私の侍女二人が倒しました」


「サトル、3000人を一瞬で灰にしたと聞くが魔法でか?」


「はい5000人を消しても良かったのですが、スザンヌが覚えた魔法の効果を知りたいと、スザンヌ達の分も残してやりました」


「スザンヌも新たな魔法を覚えたのか?」


「はい、サトル殿のお陰で500メートル四方に居る敵を一瞬で肉片にする魔法を使える様になり、侍女二人もかなりの魔法を自分の物にしました。またプロバラの王妃がイザベラ様に呉々も感謝している旨伝えてくれと仰せつかって参りました」


「彼女も4人の助っ人にはさぞ驚いたであろうのう。此度の働きにより、スザンヌとサトルをSSSランクに、マーガレットとルビーゼはSランクにランクアップとする」


「時々は王都に来て騎士団をしごいてくれ、此度はまことに御苦労であった!」


無事報告を終えた4人と騎士団長のディアナと王都のギルドに行き、カードの書き換えの為にギルマスのエミリアを訪ねた。


「スザンヌさん、サトル殿おめでとうございます晴れてSSSランク、それとマーガレットとルビーゼも私とディアナと同じSランクおめでとう!」


「私達二人がエミリアさん達と同ランク何て夢みたいです」


「何言っているの?剣でも殆ど同ランクなのに魔法が使える様になったのでしょ?私達を追い越しているんじゃないかしら」


エミリアが受付に言って4人のカードを書き換えてもらい、ディアナも一緒に6人で食事に行く事になった。


以前サトルも行った近くの高級料亭だ。サトル以外エールでサトルはワインを頼んだ。


サトルが皆のエールを冷やしてあげる。


乾杯の後スザンヌがエミリアとディアナに「実はこの前私、サトルと結婚したのよ」といきなり爆弾発言をした。


「ええええ!サトル君と?」ディアナが叫ぶ!


「だってサトル君に触れたら皆気絶するか死んでしまうのですよね?」とエミリア。


「それが私だけは大丈夫になったの・・・」と顔を赤くして小声になって言う。


「とりあえずスザンヌ先生の結婚祝いとランクアップ昇格祝いを兼ねて食べましょう!」とディアナが言い、エミリアからの更なるツッコミは無かった。


「スザンヌ先生の新たな魔法ってどんな魔法何ですか?」ディアナがスザンヌに聞いてくる。


「雷系の魔法と無属性魔法の【ティルトウェイト】と云う魔法らしいわ」


「”らしい”ってスザンヌさん自身も分からないのですか?」エミリアが呆れて聞いた。


「だってサトルに教わって出来るようになったから・・・」


「サトル殿どんな魔法ですか?」


「エミリアは無属性には属性が無いから無理だけど無属性魔法の上位魔法で大量の魔力の衝撃波を指定した範囲に放つ魔法で普通のシールドでは防げない魔法だよ。『リフレクションリング』の効果サエも効かないほぼ無敵かな」


「凄いわぁー、私もサトル殿に弟子入りしたくなったわ」とエミリア。


「エミリアもディアナも帝国のSランクの二人がサトルに瞬殺されたのでこの世界では敵無しじゃないか」


「ディアナは戦争の度に闘う機会が有るし普段から騎士団と訓練してるから良いわよね、私はギルドマスターにおさまって居るからこれ以上能力やスキルの底上げは絶望だわ!」


「エミリアはもうこれ以上強くならなくても充分強いからいいだろう?」


「いえ上を目指して頑張りたいですよ」


「大丈夫よ、エミリアなら未だ未だ伸びしろが有るからこれからも頑張れば強くなれるわ」


サトルはスザンヌとエミリアの会話を聞きながらも出てきた料理に魅了され、黙々と口に詰め込んでいた。


「スザンヌさん達の今後の予定はどんな感じ何ですか?」騎士団長のディアナが聞いて来る。


「特には決めていないけど、あまり訪れたことのない国の知らない街のダンジョンを4人で踏破して私も含めてマーガレットとルビーぜの戦力アップをするつもりよ、その上で男でもサトルのように強い男性が居るということをこの世界に拡めたいのよ」そうスザンヌは二人の愛弟子に言うのだった。















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