第36話 迷宮のダンジョン2日目

サトル達4人は皇都リファーの中に有る”迷宮のダンジョン”20階層まで踏破しきょうは21階層からのアタックだ!


ギルドに行き冒険者カードを出して『改革の息吹』で”迷宮のダンジョン”21階層からアタックする旨受付に言って、ダンジョンの”転移盤”で21階層に直行した。


21階層は目の前に大海原が迫る海のステージだ。

サトルは『具現の石』を取り出し、昨日手に入れた水陸空動ける古代図面を取り出し、イメージを固めて『具現の石』に魔力を流し込んでいく。


更に図面には無いが先端部分から魔力を撃ち放つ事ができる”魔導砲”なるものを備えて『潜水艇』を海に浮かべた。


スザンヌ達3人は見たこともない鋼鉄製の乗り物が現れたことに驚いている。


「スザンヌ、昨日手に入れた図面を元に作り出した海の中を潜る乗り物で、海の魔物も『潜水艇』の先端から魔法を放って討伐できるから4人で乗り込みこの海を征服するぞ!」


女性陣3人はこわごわ乗り込み、サトルが『潜水艇』の魔石に魔力を流し込み、レバーを引いて潜り始めた。


水深10メートル程に潜行して進んでいくと2匹のクラーケンが見えて来た。


サトルが”魔導砲”に魔力を通し【アイスランス】を2発ずつ計4発をクラーケンに放ってそれぞれ急所の頭と胴に2発ずつ当たり、殺して回収する。


「サトルこの『潜水艇』は凄いわね!『魔導砲』の威力もすごいけど・・・」


「ああ、古代人の叡智の成せる技だね」


更に数キロ進むと今度は海龍(シードラゴン)が1匹いた。


サトルは再び『魔導砲』に魔力を通し【インビジブルハンド】で数回シードラゴンの体を摩ると凄い叫び声をあげながら悶え死んだ。


数百メートルいくと陸地が見えて上陸して『具現の石』を元に戻して回収したクラーケンとシードラゴンを【次元ストレージ】に回収した。


22階層は密林の亜熱帯ステージだった。


ウォーターモンキーの群れが木の上から硬い木の実を投げてよこす。

頭に当たれば砕ける威力だ。


ルビーゼが【アースロック】を、スザンヌが【ティルトウェイト】を放って30匹以上のウォーターモンキーを殺して回収した。


更に進むと今度はウォーターベア2匹が襲って来るがスザンヌとサトルが『聖剣ガデリウス』と『鬼切丸』で首を切り落として殺し、回収する。


23階層、24階層、と進み25階層はボス部屋で扉を開けると黄金のライオン、金獅子がいた。

しかし、普通想像すると金獅子は鬣(タテガミ)が立派なオスのライオンだがこの世界ではメスの金獅子だ!


”何だかイメージが違って笑っちゃうな”とサトルは一人呟くが他の3人にはその呟きは聞こえていない。


サトルがこちらに襲いかかって来る前に【インビジブルハンド】で金獅子の腹を摩ると悶えながら「%#◻︎▽」と叫びつつ息を引き取った。


「サトル様なにかしたのです?」とマーガレット。


「ちょっとお腹を撫でてあげたんだ!」


マーガレットもルビーゼも呆れて「・・・・・」


宝箱に罠がないことを確認して開けると『火を纏い敵を焼き尽くす魔剣』と『水を纏って敵を貫く魔剣』のふた振りが有った。


「ちょうどマーガレットとルビーゼの魔法特性に合致しているからマーガレットに『火炎魔剣』ルビーゼに『水魔剣』を渡すね」


「「ありがとうございます」」


「これで3人はそれぞれの特性の『魔剣』『聖剣』を手に入れたね!」


25階層で休憩しながらお茶にした。

30分ほど休んで26階層、27階層と進み28階層迄きた。


28階層には砂ゴーレム10体が襲いかかってくる。


サトルが【鑑定】すると”剣や打撃は通じない、すぐに再生し元の体に戻る。倒すには魔石を破壊すべし”とでた。


「皆んな、剣や物理打撃は通じないので心臓の部分の魔石を破壊して」と伝えた。


3人もゴーレムの攻撃を躱しながら剣で魔石を狙い撃ちして、破壊していく。


サトルは『魔導銃』を構え、魔力を流しながら『気の硬球(スピリットボール)』をゴーレムの魔石めがけて連射して5体を動けなくして倒した。


3人も硬いゴーレムの砂の体の魔石部分を狙い撃ちして破壊し、スザンヌが3体、マーガレットとルビーゼが1体倒して29階層に向かった。


29階層はアンデッドの鎧騎士が剣と盾を構えている。

中身は黒い霞状で肉体はない。


ルビーゼが『水の魔剣』で鎧を貫いて剣を突き刺すが全く動じずに薄笑いを浮かべている。


スザンヌが【サンダーボルト】と叫んで鎧に雷を落とし、倒れるが数秒するとむっくり起き上がってスザンヌに斬りかかって来た。


ルビーゼがすぐさま【アイスロック】で鎧騎士の足を束縛して動きを止めた。


サトルが【結界】で鎧騎士を囲み【結界】をどんどん小さくして更に【亜空間】に投げ入れて消し去った。


30階層の扉を開ける。

そこには黒龍のアンデッド化したスケルトンドラゴンが立ちはだかっている。


サトルが『誅戮剣』でなぎ倒してもすぐに元の骨のドラゴンに戻ってしまう。


ドラゴンが【火炎咆哮』を4人に放つ。

すぐさま全員が【シールド】で防ぐが2、3発撃たれるとさしものシールドも保たない高温の息吹だ。


スザンヌが『聖剣ガデリウス』に魔力を流し込み光輝き始めた聖剣でドラゴンに向かって『聖光刃』を放った。


悲鳴をあげながら骨が溶け始め霧散して、最後はチリとなって消えた。

側には宝箱があり慎重にサトルが開けてみると1冊の本があり白紙の本だった。

【鑑定】をかけると『賢者の本』と出ており、”知りたいことを思うと白紙の所に全て現れる”と書かれていた。


サトルはこれは貴重なものだと【次元ストレージ】に回収して31階層に向かった。


31階層から40階層迄はそこそこ強い魔物だったが4人は問題なく進み40階層では宝箱から『魔石製造器』という魔力の量によってランクの違う魔石を1個作り出す貴重なアイテムまでゲットしてここのボス部屋で昼食を取っている。


『豊食の皿』から”チンジャオロースー”とご飯それにスープを出してあげてたべた。


「サトル様、この食べ物は初めて食べますがとても美味しいですわ」とルビーゼが絶賛する。


「俺の故郷の食べ物で美味しいだろう?」


そんな会話をしながらサトルは先程手に入れた『賢者の本』を取り出し”迷宮のダンジョン”の最下層は何階層?と聞いてみる。


『”迷宮のダンジョン”最下層は50階層で40階層以上から魔物の変異上位種が出て来て難敵です』と書かれている。


それを皆に見せて、「41階層から後10階層で踏破出来るけど、変異種の魔物でそこそこ強そうだから気を引き締めていくよ」と皆に言った。


1時間ほど昼食休憩とお茶を飲んで41階層に進む。


41階層はオーガが2匹いるが変異種らしく、角が4本有る。

サトルが【鑑定】をすると、前2本のツノから高熱の殺人光線をだし、当たると溶けて死亡するとでている。また、異常状態耐性が強く幻惑、毒、は効かない。とでている。


「皆んな、あのツノからは殺人光線が出てくるから気をつけて、最悪は回収できなくても【イレージング】で消すから」と伝えた。


「まずは俺が2匹を【結界】で囲い中の空気を抜いてみる」


サトルは2匹のオーガを【結界】で囲い込み、空気を抜いて真空にした。

しかし、異常状態耐性が高いためしばらくは【結界】の中でも元気だったが流石に30分ほどしたら一人倒れ、二人倒れ40分すると動かなくなった。


鑑定で死亡を確認してから回収して42階層に向かう。

42階層では”多頭グリーンウルフ”が20頭襲ってくる。

首を落としてももう一つの頭が襲いかかってくるので、皆は二つ、三つの頭を同時に切り落としていく。


サトルの方はスキル【行かせスキル】を連発して瞬殺して30分ほどかけて43階層に向かう。


43階層にはバンパイアロードがいてマーガレットがロードのファイアーボムで片足をえぐり取られてしまう。


すぐにサトルが【EXハイヒール】を掛けて足を再生させ回復させるがしばらくは休んでもらう。


相手の動きがものすごく素早く、ルビーゼの魔法も空振りで終わってしまう。


サトルが一瞬でロードよりも早く動き『鬼切丸』で首を切り落とすがすぐに再生されてしまった。


スザンヌが『聖剣がデリウス』に強力な『聖魔法』を掛けて首、胴を切り刻むと悲鳴をあげながら体から炎を上げて燃えていき黒い燃えかすが残って消えて行った。


「マーガレット大丈夫?」とスザンヌ。


「申し訳ありません、サトル様に回復させて頂いたのでもう歩けます」


「しばらくマーガレットは後衛で魔法を放つ程度で休みながら行こう」とサトル。


44階層は廃墟にガーゴイルが3体いる。目から光線を出し当たると石化される。


全員『リフレクションリング』を発動させて逆にガーゴイルを石化して粉々にして殺した。


45階層にはキマイラがいる。

見た目は普通のキマイラだがサトルが鑑定すると幻惑、幻影のスキル持ちだ。


後方からマーガレットが【エアカッター】を放ったが、それは本体ではなく影だった。


サトルは【奪取】のスキルを使い、キマイラの幻影と幻惑のスキルを奪い取った。

ルビーゼが『水の魔剣』でキマイラの胴に鋭い突きを入れて葬った。

ここには宝箱はなく、46階層に向かった。


46階層にはミノタウルスの変種上位種が紫色の体をしてハルバードを構えている。

サトルが【鑑定】をすると瞬間移動のスキル持ちだとわかる。また剣が全く通らない硬い体だということもわかった。


「ここは俺が【結界】で囲ってスキルを使わせずに蒸し焼きにする」と言ってミノタウルスを結界で囲い込みまずは瞬間移動をさせずに中の空気を高熱1000度の蒸気に変えた。


ミノタウルスは紫色の体が徐々に赤く染め上がり、全身を高熱蒸気で皮膚を焼かれ最後は爛れた皮膚と骨と魔石だけが残って死んだ。


47階層にはヒュドラの変異種の12の頭を持った奴が炎や強酸の液、それと殺人光線を口から吐き出してくる。


サトルが【インビジブルハンド】で体をさすって気絶させたところでスザンヌが剣で首を切り落として、まーがレットが切り口を焼いて再生を防ぎ、12本の首を全て切り落として殺した。時間はかかったが何とか討伐に成功した。


48階層にはバジリスクの変異種がいた。

魔眼の石化の他に尾の蛇の所から毒液を放ってくる。


スザンヌが【エアカッター】で先ず尾の部分の蛇を切り落とし、マーガレットが頭の鶏の部分を切り落とし魔眼を無効化して殺した。


49階層には森林のステージにサウンドラーがいる。

低周波の叫び声は人間を痺れさせて動けなくさせる効果を持ち、目からは光線を放ち一面を焼き溶かす上位種のようだ。


マーガレットがかなり離れた位置から数発の【エアカッター】を放つが躱されて4人に向かって光線を放った。

4人とも【縮地】でそれを避け、サトルが首を『鬼切丸』で切り落として瞬殺した。


ついに50階層に到達した。

黒龍が火炎咆哮を吐き出して威嚇している。

更に口からは大きな岩も飛ばしてくる。


サトルの【インビジブルハンド】全開でも倒れない。

【鑑定】をしてみると異常耐性が非常に強いと出ている。


サトルは黒龍の弱点の逆鱗の部分を集中的に【インビジブルハンド】で攻めて30分程掛けて倒した

傍には宝箱があり開けると『転移石』が全部で50個も入っている。

3人にそれぞれ10個渡し、各自前に渡したものと合わせて11個の『転移石』を持つことになった。


ダンジョンコアを回収して転移盤に乗り4人は出口へと転移した。


冒険者ギルドの素材置き場に行き討伐した魔物の山を納品すると、そこのチーフが大慌てて「これだけの魔物は今日中には無理なので明日の朝納品書を作っておくので受け取ってくれと」とスザンヌに話した。


受付に行き、”迷宮のダンジョン”制覇しコアも持って来たが清算は明日ということなので再度明日来るからと告げて冒険者ギルドを出た。


受付嬢が慌ててギルドマスター室に行き”迷宮のダンジョン”最下層迄を踏破したパーティーが現れて明日再度来る旨を伝えた。


「ルリー、ダンジョンを踏破したメンバーは名は?」


「ハイ、スザンヌさんSSクラス、サトルさんSSクラス、マーガレットさんのAクラス、ルビーゼさんAクラスの4名様で『改革の息吹』というパーティー名です」


「ああ、スザンヌさんか!彼女はこの世界で一番の強者だからわかるがサトル?男性だな?キタミの怪物と噂のサトルか・・・スザンヌさんさえも凌駕する力があると聞いているが2日間で50階層を全て踏破してしまったか」


「ルリー至急あすの清算に間に合うように夜までに資金調達を頼むわ」


「わかりました、銀行に手配いたしますが恐らく白金100近くは行くと思います

。刈り取った魔物の数にもよりますがダンジョンコアを見せて貰いましたがかなり巨大なコアなのですごい金額になると思います」


冒険者ギルドのギルドマスターであるスーザンはため息をついていた。


4人はそんな会話がされていることも知らず宿に戻ってシャワーを浴びて夕食までの時間をベッドに横になって休んだ。


冒険者ギルドでは”迷宮のダンジョン”が踏破されたニュースが瞬く間に広がり、4人が食堂に降りて行くと何組かの冒険者たちがエールを飲みながら大声で噂をしていた。


「今まで15階層の手前までしか行けてない迷宮ですよ!どこの連中が50階層などと途方も無い最下層まで行ったのかしらね!」


「何でもこの世界で一番の強者のキタミという街の元ギルドマスターらしいわ」


「それでも、50階層よ、信じられないわ、しかもたった2日で踏破したそうよ」


そんな会話が聞こえて来る食堂で4人はエール3杯と果実ジュースを頼んだ。


「マーガレット、体の具合はどうだ?」


「ご心配おかけしました、サトル様のお陰で足も再生されて今は違和感なく動けます」


「だいぶ大量の血を失ったから沢山鉄分のある食べ物を食べて今日は早めに休むといいぞ!」


「はい、そうします」とマーガレット。


彼女は好きなお酒も1杯だけにした。


夕定食はマナバイソンのガーリックステーキと野菜サラダにホーンラビットの煮込みスープとパンで美味しかった。


マーガレットの足の事を考え、食べ終えたら部屋に上がって休むことにした。


「サトル、シャワーを先に浴びてくるわ」スザンヌが着替えを持ってシャワーを浴びに行く。


サトルは50階層迄で得たマジックアイテムを整理しようと全てをストレージから出してみる。

サトルは今回のダンジョンだけではなく、今まで踏破したダンジョンの宝箱から得た物を整理していった。


メッシーナ王国王都のダンジョンで『幻夢』(ダガー)と『具現の石』。

キタミのダンジョンで『美食の皿』と『マジックアイテム製造機』それと『エリクサー』に『遠距離通話器』、”試練のダンジョン”で『魔法の鍋』と『リフレクションリング』、”霧かすむダンジョン”で『地図帳』、”傀儡のダンジョン”では『遠距離通話器』と『具現の水晶』、”ルビーゼダンジョン”では『殲滅の弓』を手に入れていた。


また”地下迷宮都市ダンジョン”では『リフレクションリング』と『遠距離通話器』

それと『地獄耳』のイヤフォーン、”不滅のダンジョン”では『インビジブルリング』と『五芒星剣』(5属性の魔法を放てる魔剣)、”古代都市ダンジョン”では

『アダマンタイトのインゴット』、『古代魔法解説』、『魔導銃』を手に入れ、皇都リファーの”迷宮のダンジョン”では『エリクサー』、『転移石』全部で55個もゲットし、『水陸空の乗り物図面』、『聖剣ガデリウス』、『魔剣炎の剣』と『魔剣水の剣』や全てを教えてくれる『賢者の本』を得た。


これらをもう少し有効に使いこなしてこの世界で揺るぎない力を手に入れて男性の地位向上のために頑張ろうと決意するサトルだった。

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