第28話 アウスランツのダンジョン
サトルはアブグルンドダンジョンを制覇して宿で夕食をのんびり食べてベッドに大の字になっていた。
明日はモロイの街を出て更に西の街を目指して見ようと『地図帳』を広げるとモロイから30キロ西に街道を行くとアウスランツというかなり大きい街が有り、どうやら未踏破のダンジョンがある様だ。
”よし、明日は宿を早めに出てアウスランツのダンジョンに潜ってから一旦キタミに帰ろう”そんなことを考えていたらプロバラ王国王妃エルミナから『遠距離通話器』の呼び出し音が鳴った。
「サトルか?妾じゃ、今寝室で一人でおる。来てたもう!待っとるぞ」
”チッ!早々お呼か”
サトルは【転移】でエルミナのいる王宮の彼女の寝室に現れた。
勿論スキルの制御を最大に抑えて彼女の前にひざまづいた。
「王妃様、お呼びでしょうか?」
「おおサトル、妾は寂しかったぞ!お主がスザンヌと帰国してから暫くは絶えていたが我慢も限界じゃ。妾を感じさせてたもう・・・」
王妃はあられもなくサトルを前に寝巻をはだけた。
サトルは最初優しく腕をとると、「ああああ、イクゥー」と言って簡単に気絶してしまった。
5分ほどして、目覚めた王妃は、「サトル、胸を、胸を触ってたもう」
「大丈夫ですか?このところ私のスキルはさらに強くなり制御リングがだんだん効果なくなって、触っただけで死ぬのでは無いかと心配してます」
「意識が飛んでも構わぬ、この快感を感じれば死も厭わぬのじゃ」
サトルは、豊かに実った目の前の果実に手を添えて唇をつけた。
王妃はブルブルと震え口から嗚咽を漏らしながら意識を失ってしまった。
”ちょっと気持ちいいけど直ぐに気絶しちゃって、俺がまだ楽しむ前なのに・・・”とぼやきながら、王妃の裸身を眺めていた。
やはり5、6分ほどで意識を取り戻し、「サトル、すごく感じたぞ、今度は来てくれ、サトルを迎え入れて果てるからの」
「構わないのですか?私も男ですので止められぬかもしれません」
「構わぬ、すでに体がお主を求めているのじゃ」
サトルは王妃に覆い被さり侵入してしまう。
すごい叫び声をあげて果てる王妃、サトルは彼女の中に大量の分身君を放出した。
流石に胸を弄りながら覆い被さり侵入したので20分しても王妃の意識が覚醒してこない。
暫くは熟女の裸身を眺めて、流石にシールドをした手で喝をいれて意識を戻してあげる。
更に求めるが、「王妃様これ以上は命に関わりますのでご容赦を」と言って断った。
「サトル、妾の全てをお主に捧げたのじゃ、命などこの快感に比べれば安いものじゃ」
「今一度来てたもう、お願いじゃ!」
結局再び王妃の強引さに負けて侵入し彼女を”行かせ”てしまって、【転移】で宿に戻って来てベッドで寝てしまった。
王妃の方は30分ほどして目が覚め、未だ体にあの快感が残って眠れない夜を過ごすことになった。
”妾は完全にサトル中毒になったのじゃ!この世界に武力も、魔法も桁外れに強く、そして何より精力絶倫の男がいるなどと考えられぬじゃ”とくねくねと体をよじってよがりきっていた。
翌朝サトルは宿の裏庭で誅戮剣(チュウリクケン)で素振り5000回をしてシャワーを浴びてから階下の食堂で食事を取って、次の目的地アウスランツに向かうべく宿をでた。
宿の裏に行き人がいないのを確認して【転移】でアウスランツの街の門の手前1キロほどに転移して【身体強化】をしてあっという間に門の前に着いた。
ギルドカードを見せて街に入り冒険者ギルドに向かった。
「すみません、ここの管轄のダンジョンの場所を教えてください」
サトルは自分では丁寧に話した積もりだが相手は女性の受付で「君じゃ無理だから聞くだけ野暮だぞ!」とぶっきらぼうに応えた。
「もし踏破したらどうする?」
「私の首を進呈するぞ!」
「分かった、言質は取ったからな!」
サトルは男性の受付に行ってカードを見せて「すみません、ここの管轄のダンジョンの場所と名前を教えてください」
「ここのダンジョンは西門を出て3キロほど行くと丘が有るわ、そこに衛兵がいるから直ぐわかるわよ、あたなキタミのサトルちゃんね!凄いわー、男でSSランクなんて私憧れちゃうわ。ダンジョンの名前は”不滅のダンジョン”というの、未だ未踏破だからできたら地図もね!頑張って!」と丁寧に教えてくれた。
最初に受け付けた女性がその男性に近づいて「お前、男性の荷物持ちにダンジョンの説明などしても無駄だろう、ちゃんと他の仕事をしろ」と文句を言った。
「あら、あなた知らないの?彼はキタミのサトルちゃんよ!SSクラスの」
「なにっ?あいつが噂のキタミのSSクラスの男の奴か?」
「どうかしたの?顔が真っ青よ」と男性の受付が問いかけたが無言で彼から離れて行った。
サトルは西門までぶらぶら歩いて行き、門を出てから【身体強化】をかけて3キロの道のりを3分程度で走り抜け、衛兵にカードを提示して入った。
サトルはここでは一つの課題を自分にかけて【インビジブル】はまず使用しない。
【サーチ】も使用せず、自分の五感を研ぎ澄ませていわゆる【察知】のレベルをあげるという課題に徹すると決めて1階層に向かった。
1階層は定番のゴブリンが10匹、ゴブリンロードが1匹いる。
サトルはそれを【サーチ】ではなく”殺気”を感じて【察知】で数もほぼあてて、『鬼切丸』を抜いて瞬殺していく。
相手の棍棒や剣とは刀の歯を合わすこともなく全て首を切り落として行く。
唯一ゴブリンロードが鋭い剣捌きで襲ってきた時に払って剣を切断した時だけだ。
耳だけ切り落とし、ゴブリンロードだけは魔石も回収して2階層へと進んだ。
彼の五感の気配察知がガメリオンが2匹いることを知らせてきていた。
ガメリオンはホーンラビットの角が無いが巨大な切歯が上顎と下顎にあり、噛みつかれると人間は串刺し状態になるホーンラビットの5倍ほどの巨体だ。
突進力も半端なく鋭い。
サトルは『鬼切丸』を仕舞い、ストレージから『誅戮剣(チュウリクケン)』を抜いて向かってくる2匹に対して横に一閃すると胴体を頭から上下横に真二つに切り分けて即死させる。
解体部位が分からないサトルは血抜きしてからストレージに回収した。
更に五感を鋭く研ぎ澄まして、魔物がいないのを確認して3階層に進む。
3階層にはワイバーンが1匹だけいるようだ。
腰に帯剣している『幻夢』をワイバーンに素早く投げると、幻夢は時速300キロのスピードでワイバーンの首を半分に切り落として手元に戻ってきた。
サトルの50メートル先には大きなワイバーンが既に絶命して横たわっていた。
4階層は砂漠のフィールドにサンドワームが2匹とサンドスコーピオンの20メートルの巨体を【察知】した。
【飛翔】で2メートル程砂上を移動しながらサンドワーム2匹に【サンドランス(砂の槍)】を突き刺した。
サンドワームが暴れながら砂上に顔を出したところを更に『鬼切丸』で切り落としてストレージに回収する。
サンドスコーピオンのところまで【飛翔】しながら雷系魔法【サンダーボルト】を放つと、たまらずサンドスコーピオンも砂上に姿を出したところを闇魔法の【呪縛の縄】で動きを束縛して『鬼切丸』で尾、頭、胴体を切り落として回収した。
5階層に行くとボス部屋で扉を開けるとそこにはスケルトンクイーンがケタケタと歯を鳴らして笑っているように見える。
『鬼切丸』で素早く斬りかかるが、相手も盾でそれを防ぎつつ上段から大剣を打ち下ろしてくる。
軽くかわして、首を切り落とすがその落ちた首から上を自分でまた取り付けて剣をふるって来る。
サトルはできるだけ色々自分のスキルを使ってみようと今回は【魔石師】の【スティール(奪取)】を使用してスケルトンクイーンの魔石を一瞬にして奪うとがしゃんと膝から崩れ落ちて、バラバラになった骨状態で横たわった。
一応念のために聖魔法で【浄化】をすると灰となってしまった。
”なんだ!最初から【浄化】をかければわざわざ魔石を奪わなくても済んだが、魔石が残ったから良しとしよう”とストレージに回収した。
側の『宝箱』を罠がないことを確認して開けると『インビジブルリング』という指輪が収まっていた。
これはスザンヌにつけてもらえば透明人間になれるし、二人で冒険をするにはちょうどいいアイテムだと大事にストレージに回収した。
今回は【サーチ】を使わず自分の五感だけを頼りにして進んできたので、いつもより進む速度が遅く、お腹も空いてきたのでこのボス部屋で昼食をとる。
【次元ストレージ】からボルシチスープとピロシキ2個それにマナバイソンのガーリック焼きをを出して優雅に一人で昼食をして、少し横になって微睡んだ。
昼食を入れて凡そ1時間半程5階層のボス部屋で休むと6階層に向かった。
6階層は目の前が大海原の海のステージだった。
サトルはすぐに『具現の水晶』を出して、『潜水艇、前方から魔法を打てるように』と念じて目の前に一人乗りの『潜水艇』を浮かべて、乗り込んだ。
流石にここでは潜水艇のモニターに【サーチ】を掛けて魔物を追い求めた。
すると30メートル先にクラーケンが1匹、更に100メートル先にはケートスが1匹いることがわかった。
クラーケンには暴れる前に身動きできないよう闇魔法の【呪縛の縄】で補足しておいて、【魔石師】スキルを発動してクラーケンの魔石を奪い【アトラクト】で引き寄せて回収する。
ケートスも同様に【呪縛の縄】で動きを封じ、魔石を奪い取って回収。
陸地についてから『具現の水晶』を元に戻して7階層に向かった。
7階層は密林で大蛇が毒液を飛ばして来る。
【ファイアボム】で頭を先ず破壊してから『鬼切丸』で切り刻んでそれぞれ放血後に回収する。
更に進むと今度は巨大な大蜘蛛が2体いる。
蜘蛛の吐き出す糸に捕まると身動きが奪われるがサトルは【エアカッター】でそれを切り刻み『誅戮剣』で2匹を真上から粉砕して回収した。
しばらく進むとすごい殺気が放たれ、巨大なウォーターベアが現れた。
すぐに『鬼切丸』で裏を取り袈裟斬りで首から腰を切り落として一瞬で殺して回収した。
8階層は木々が鬱蒼と生え茂り薄暗い森のステージだ。
サトルは五感を研ぎ澄まして森の奥へと入って行くと、オーガが木の陰からこちらを伺っているのを確認する。
サトルは【インビジブル】を使い、”殺気”と全ての”気配”を消して無になり、オーガの裏を取り『鬼切丸』で首を切り落とした。
切り落とす時でさえ彼は”殺気”を殺して刀を打ち下ろすことができた。
更に進むとサウンドラーが2匹凄い叫び声を出していた。
サトルは『殲滅の弓』をストレージから出して魔力を流し込みながら矢を放った。
邪魔になる木々も全く関係ない。
矢は真っ直ぐにサウンドラーの顳顬に当たって延髄を破壊し2匹とも断末魔の悲鳴をあげながら巨体が倒れた。
9階層は火山のステージでキマイラが炎を吐いている。
サトルは【エアカッター】を放つが硬いキマイラの身体に刃が跳ね返され霧散する。
【ボディーシールド】を掛けて『鬼切丸』を首めがけて上段から打ち降ろすとスパッと切られて首から落ち絶命した。
10階層はどうやらラスボスの部屋のようだ。
大きな扉を開けるとそこには黒龍が待ち構えていた。
サトルは【魔石師】のスキルを発動して魔石を奪いに行くが黒龍の抵抗も凄く気と気のぶつかり合いになる。
サトルの強烈な”気”がついには黒龍に打ち勝ち、手元には大きな魔石が現れると同時に巨体がゆっくりと倒れてズシンと岩肌にぶつかって倒れた。
ストレージに回収し、そばにあったダンジョンコアも一緒に回収した。
宝箱を慎重に罠などを確認して開けると、『五芒星の印が剣に施されたミスリル製の魔剣五芒星剣』が有った。
【鑑定】をかけると火、風、土、水、闇の5属性の魔法を放つ魔剣と出ている。
貴重なマジックアイテムなので機会があればスザンヌに使ってもらおうと、ストレージにしまい、【転移盤】に乗って1階層の出口に戻っていった。
外はすでに16時を回った頃で出口に出て、【転移】で冒険者裏に移って、素材置き場に行き、魔石とともに討伐した素材を置いて食堂で納品書を待つこと40分。
やっと納品書ができて、最初に文句を言われた女性受付嬢に納品書と地図、それと冒険者カードと一緒にダンジョンコアを差し出した。
「ねぇ、君、確か俺がダンジョンを制覇したら首を差し出すって言ってなかったっけ?どうするの?」
「・・・、あのぅ、まさかあなた様があのキタミのサトル様とは露知らず大変失礼な態度をしました。お詫びとしてギルドマスターに言って私の今月の給料分を上乗せさせてもらうようにいたしますので何卒お許しください」
「首を切り落とすことは許して欲しいわけね?」
「そればっかりは何卒・・・」
「わかったよ、最初から君の首など求めてはいないし、給料も要らない!今後は男だと言ってぞんざいな態度ではなく、ちゃんと接してくれればそれでいいから頼むね」そう言って、清算金白金60枚、金貨95枚、銀貨90枚、銅貨75枚を受け取ってギルドを出た。
ギルドを出て『遠距離通話器』でスザンヌに連絡を入れて今から【転移】でキタミの冒険者ギルドの食堂で待っているから一緒に帰ろうと伝えて一瞬でキタミのギルド裏に転移して食堂に向かい果実ジュースを頼んでスザンヌを待った。
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