第27話 アブグルンドダンジョン
サトルは出かける前にマジックアイテムの『地図帳』を出して、キタミから半径200キロあたりまでの地図を表示させ、
キタミ以外のダンジョンの場所を確認してみる。
ミモトの”傀儡のダンジョン”は踏破しているし、”瑰麗ジョンも踏破したので更に西の街トロモとモロイ辺りまで足を伸ばしてみよう。
馬車と馬を元の『具現の石』と『具現の水晶』に戻して、【転移】でトロモの入り口の門の手前500メートルに出現した。
冒険者カードを提示すると流石に衛兵の女性が驚いて居る。
カードを受け取って冒険者ギルドに向かった。
掲示板を見にいくとオークの群れ25匹ほどの討伐依頼があった。
依頼菌は金貨32枚と銀貨50枚だ。
受付の女性にカードとクエストを出して、場所を聞く。
カードを見て驚くが、「南門を出て2キロほど行った辺りです」と言われサトルは黙ってギルドを出て行く。
「ねぇ、ねぇ、今の男、荷物持ちじゃなくSSランクのカードよ!彼が噂のキタミの怪物だわ」
「怪物というより随分と優男じゃない?あっちも強ければ番いになりたいわぁ!」
などと受付で話のネタにされて居るのも知らずにサトルは【身体強化】をかけて
あっという間に言われたオークの群れの近くに来た。
サトルは『制御の指輪』を1/4程だけ解放してオークのおっぱいを堪能しようと考えていた。
【サーチ】ですぐ群れを見つけて【インビジブルハンド】で胸を掴むと「ブヒー、▽$#S◻︎〜」と叫んで死んで行った!
”えっ、1/4しか解放してないぞ?何故死ぬの?”と驚くサトル。
10匹ほどが悶えてすぐ死んでしまった。
慌てて『制御の指輪』を全制御に切り替えるが触った瞬間に気絶されて感触を楽しむ事も無く全て残り15匹も気絶したので、頸動脈を切って放血して【次元ストレージ】に回収した。
”まさか更にスキルが強化されて触っただけで1発で気絶までするのか?人間では死亡する恐れが有るな・・・”とサトルは少し焦った。
取り敢えずギルドの素材置き場にクエスト達成のオーク25頭を納品してクエスト達成のサインを貰い受付に出した。
「すみません、ここの管轄のダンジョンは有るのですか?」一応地図で無いのは確認していたが聞くだけ聞いてみようと思い切り出した。
「残念ながらこの街には無く隣町のモロイには1箇所ありますよ」と女性の受付がカードに清算金金貨32枚と銀貨50枚を入れて教えてくれた。
サトルはそうそう、ギルドの裏に回って【転移】でモロイの門入り口1キロ辺りに転移して歩いて門に向かう。
「そこの荷物持ちカードを見せろ!」と女性兵士が言う。
「俺のことか?違うよな、俺は荷物持ちじゃ無いからな」とわざとぶっきらぼうに衛兵の女性兵士に言ってカードを見せない。
「貴様のことだ、馬鹿者」と兵士。
「おい、俺のことを馬鹿者といったよね、この国ではSランク以上は貴族待遇じゃなかったか?俺は荷物持ちに見えるようじゃ修行が足りないぞ、ホレ、良く良くカードを見ろよ」
「えっ、えええ、?これは大変失礼しました。どうぞお通りください」
「もう少し、相手の動きとか良く見ていれば力量がわかるからこれからはもう少しそこらへんを修行した方が良いぞ!」とサトルは愚痴って通過した。
「まいったわぁ!彼が噂のキタミの怪物ね、でも怪物というより優男でとても怪物には見えなかったわ」
他の女性兵士が「でも、後ろ姿からも隙が全く無いわよ、やはり凄い修練をしてるのがわかるわ」
そんな会話を聞き流しながらサトルは通りを歩いて行き冒険者ギルドに向かった。
「すいません、ここの管轄のダンジョンの場所を教えてください」と言ってカードを提示した。
「あっ、もしかしてキタミのサトルちゃん?ケーシーから聞いているわ。私ドノバンよよろしくね」
「こちらこそ、ドノバンさん宜しく」
「場所はギルドを出て左をまっすぐ歩いて西門を出て道を更に2キロ行くと左に折れる道が有るわ、そこを3キロほど行くと屋台などが見えるからわかるわよ」とドノバンが丁寧に教えてくれた。
サトルは丁寧にお礼を言って、裏に行き【Map】と【転移】を使い入り口に転移した。
ダンジョンの入り口付近には7、8軒の屋台が軒を連ねていた。
小腹が空いていたサトルはオークの串焼き10本ほど購入して、入る前に10本全て食べ尽くして警備をして居る兵士にカードを見せて入って行く。
入り口には立派な看板で”アブグルンド・ダンジョン”と書かれていた。
”アブグルンド?こりゃ英語じゃ無いな、確かドイツ語では『深淵』という意味だった気がするが・・・”と呟きながら潜って行くサトル。
1階層にはスライムがプルプルと体を震わせながら動き回っている。
サトルが歩くと急いで道を開け、特に敵意も無いのでそのままスルーして進むと通常の20倍ほどのデカイスライムが道いっぱいにいる。
近づけばどいて道を開けるだろうと思ったが、ブルブルと震えて敵意を見せて液体を飛ばしてくる。
仕方なく【ファイアボム】を放つとプシューと音をたててそれを消し去ってしまった。
”スライムは火に弱いのじゃ無いのか?”慌ててサトルは【鑑定】をする。
【種族】スライムキング Lv350
【耐性】物理耐性・魔法耐性・斬撃耐性
【スキル】全てを消化する
”結構レアな魔物だな!”
”ならこれではどうだ?” 【結界】をスライムに掛けて高音5000度まであげると凄い水蒸気が立ち込めて最後は干からびたスライムが小さくなり、魔石だけが残った。
サトルは【次元ストレージ】に初めてスライムの魔石を入れた。
2階層に行くと通常のオークが10匹オーククイーンが1匹いる。
【インビジブルハンド】を全制御状態でオッパイを触りまくる。
揉んでいるうちに悶えながら気絶して10匹は意識を無くした。
オーククイーンも触るが剣を振るって抵抗するので制御を1/2にした途端意識がなくなり死んだ。
10匹のオークを頸動脈を切り、放血して回収した。
3階層にはワイバーンが2匹いる。
『殲滅の弓』に魔力を通し、放つと2匹のワイバーンの額を打ち抜き葬った。
4階層は海のステージだ【飛翔】を自身に掛けて2メートル海面の上を飛び【サーチ】を掛けながら飛ぶと200メートル前方にクラーケンがいた。
サトルは【ウォーターアロー】を4本打ち込み弱って浮いてきたところを『鬼切丸』で切り回収した。
5階層はボス部屋でガーゴイルが火を履いて待ち構えていた。
『誅戮剣』を構えて自身に【シールド】を掛けて、一気に上段から撃ち抜くとガーゴイルは剣で防ぐも剣ごとガーゴイルを打ち砕いた。
残念ながら宝箱はここには無い。
6階層に行くと鬱蒼とした森のステージで、大蜘蛛が3匹白い糸を吐き出して威嚇してくる。
ここでは3匹をそれぞれ【結界】で囲み1個ずつ結界を小さくしていき潰して殺した。
7階層は密林ステージのように高温多湿でウォーターベアが1匹出てくる。
普通の剣では硬く致命傷には届かない。
『鬼切丸』を構えて相手の鋭い爪を避けて片手を切り落とし、怒って向かってくるところを首を一刀の元に切り落として回収する。
木の上からウォーターモンキーがこぶし大の木ノ実をものすごい勢いで投げつけてくる。
サトルは『幻夢』をウォーターモンキーに目掛けて魔力を流し、頸動脈を切るように命じて投擲した。
全てのウォーターモンキーが高い木から血を流しながら落ちてくる。
落ちてきたところで全て首を切り落として【次元ストレージ】に回収した。
8階層は廃屋のステージで3階建ての崩れかかった建物の1階にはスケルトンが5体
剣を構えて襲ってくる。
かわしながら首を切り落とすが、自分で落ちた頭蓋骨をまたくっつけて襲ってくる。
『誅戮剣』に切り替えて、上段から強烈に打ち下ろし、頭蓋骨から全ての骨を細かく砕いてしまった。
2階に上がるとドラキュラ2体がいる。
『聖魔法』【浄化】かなり弱らせそのあと【亜空間】に入れて消し去った。
3階にはレイスがいるが『聖魔法』【浄化】で霧になって消し去った。
9階層は火山ステージでキマイラがいる。
この世界のキマイラはサトルの知っているキマイラと違って頭部の部分が雌ライオンの頭なので何ともマヌケヅラの感じだ。
しかし身体能力は流石に高く、気を許すと首を噛み切られる勢いで襲ってくる。
『鬼切丸』でかわして首を切り落とすもまだ動いている。
再度『鬼切丸』で魔石のところを砕いて胴体も真二つに切り落とした。
10階層はラスボスで扉を開けるとミノタウロスがいる。
巨体で胸も大きい。
【インビジブルハンド】を全開で一瞬にして裏をとるも、相手も凄い動きで距離を取る。
体の割には凄いスピードだ。
正面から攻めることにした。
一瞬で胸を掴みもみほぐす。
殆ど瞬殺で心臓麻痺で死亡した。
側には宝箱が有り、『転移石』が有り、一度訪れたところには一瞬で転移できる石だ。
スザンヌにプレゼントしようと【次元ストレージ】に入れて、ダンジョンコアを持って1階層の出口にダンジョンの中の転移盤で戻ってきた。
外に出てギルドの裏に【転移】して素材置き場に討伐した魔物の山を納品してギルドの食堂で果実ジュースと野菜サンドを食べながら待つこと45分、やっと納品書ができてダンジョンコアにダンジョン内地図と納品書にカードを提出する。
ドノバンに納品書とダンジョンコアと地図などを出すと流石のドノバンも慌てて2階のギルドマスターを呼んでくる。
「”アブグルンドダンジョン”制覇おめでとうございます。私はここのギルドマスターをしているメリッサです。以後よろしくサトル殿」
「キタミの冒険者サトルです。こちらこそよろしくです」
「サトルちゃん、報奨金が白金55枚、金貨40枚、銀貨67枚銅貨48枚になるわケーシーにも伝えとくわね」と言って、カードに入金してくれた。
「ドノバンさん、この街のオススメの宿は有りますか?」
「冒険者が多いのは1軒隣にミスズ亭というのがあるわよ。安くて美味しいって評判なの」
「そうですか、それじゃそこに行ってみます」
サトルはすぐ隣の隣の”ミスズ亭”に行き1泊部屋が空いているか聞いた。
「1泊銅貨80枚です。夕食は5時から10時まで、朝食も同じです。ラストオーダーは共に9時半ですので遅れずにお願いしますね」
サトルは現金で銅貨80枚を払い2階の201号室に向かった。
ベッドに大の字になり仮眠して4時半ごろシャワーを浴び、スザンヌに『遠距離通話器』で連絡を入れた。
「スザンヌ、そちらは引き継ぎは順調?俺の方はモロイの街の”アブグルンドダンジョン”を踏破して今ギルドの近くの宿に入ったところだ」
「あらサトル、また”ダンジョン”を踏破したの?モロイに行ったのね?私の方は順調よあと2週間半すれば冒険者スザンヌが誕生するわ」
「3、4日で一旦戻ってきてね」
「わかった、あと2箇所ほど踏破したら戻るから」と言って切った。
サトルはシャワーを浴びて着替えてから1階の食堂に降りて行き、夕定食を頼ん
だ。
周りには女性冒険者が殆どで商人は2組ほどしかいない。
まして男の冒険者はサトルしかいない。
サトルはいつものように【ボディーシールド】を纏、【認識阻害】をかけて静かに食べた。
誰とも揉めたくないので食べ終えて早々に自分の部屋に上がってアメリカンコーヒーを飲みながらゆっくりしていた。
少し早いが明日早々に次の街に行くつもりでベッドに大の字になり意識を手放した。
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