第23話 地下迷宮都市ダンジョン

冒険者ギルドはさすが王都のギルドだけ有り、3階建の大きな建物だ。

受付にも3人の男性と3人の女性がいて、右側の食堂もかなり広々としている。


「王都管轄のダンジョンの場所を教えてくれないか?」とスザンヌが聞くと受付嬢

が「この隣が”地下迷宮都市ダンジョン”です」と答えた。


スザンヌは何度もこのギルドに来ているがまさかダンジョンがこの王都の地下にあるとはサトルと潜ることになって初めて知った。


「何だよ、スザンヌ、散々ここに来てて今まで知らなかったの?」


「いや、王宮にばかりいたのとここのギルマスと話をしたりで、クエストを受けるとかダンジョンに潜るなどと思っていなかったから・・・」


二人はカードを出してギルドのすぐ隣のレンガ建ての建物から”地下迷宮都市ダンジョン”の入り口に入った。


入り口は4人ぐらいが並んで降りられるほどの広い階段で、魔石の灯りで照らされており、灯りは必要ない。


1階層に降り立つと、ゴブリンが12匹襲ってくるが、スザンヌが難なく剣で倒して、サトルが耳だけ切り取り回収する。


更に進むとガメリオンが2匹襲ってくる。

サトルが【インビジブルハンド】全開で触ると一瞬恍惚顔になったが、直ぐに死んで2匹とも回収する。


2階層は洞穴の奥からオークがぞろぞろ出て来て、その数30匹、中にオークシャーマンらしきガタイの大きなオークが数匹のオークに守られていた。


スザンヌが剣で、サトルは『オッパイ触り』で倒して行き、オークシャーマンが何やら呪文を始めたので、【ディスペル】で無効化してオッパイを【インビジブルハンド】で揉むと心臓発作で死んだ。


後のオークは雑魚のようでスザンヌが全て剣で片付けて回収した。


3階層は平原ステージにファングボア5匹が突進してくる。

サトルが5匹全部を【結界(バリア)】で囲って空気を抜いて殺した。


更に進むとオーガが1体剣を持っている。

胸がでかい!


サトルが一瞬で背中を取りムギュっと胸を掴んで揉むと「▷□●●%〜」と声を発して失禁して死んだ。


「サトル、もう少し冒険者らしく剣とか魔法で狩りとってくれないか?何か見てる方が変な気分になるぞ」


「狩り取るのに魔法だ剣だと条件があるのが変でしょう?楽しみながら狩っていくのが冒険者の醍醐味です」と意に介さないサトル。


”だから、胸は私だけの胸にしてくれと・・・”とスザンヌがもじもじ呟くのをスルーして、


「4階層に向かいましょう!」とサトル。


4階層は砂漠ステージでサトルはスザンヌをお姫様抱っこして、2メートル程砂上を【飛翔(フライング)】を掛けて飛びながら【探索(サーチ)】をかけるとサンドワームが1匹とサンドスコーピオンが1匹いる。


サンドワームにレーザービームを放ち瞬殺して回収し、サンドスコーピオンも【インビジブルハンド】でタッチして悶え殺した。


スザンヌはというと、お姫様抱っこをされてうっとりして気持ちよさそうに抱かれたままだ。


「スザンヌ、もういつまでくっついているのだ?5階層に行くぞ」


「いあやぁーサトル、お姫様抱っこってなかなか気持ちが良いものだな!」


「抱いている身にもなってくれよ」とサトル。


5階層はボス部屋だ。

サトルが開け、二人で入ると扉が閉まり扉は開けられなくなった。

ボス部屋の住人はミノタウロスだ。


ハルバードと盾を構えて二人を威嚇してきた。

相手もサトルが男性なのでサトルをまず簡単に倒せるとハルバードをサトルに向けて突き出してくる。


サトルは軽くかわしてスキル全解放で背中を一瞬で取って、ガバッと大きくふくよかなオッパイを両手でムギュっと掴んだ。


「ギャッモウ〜・・・」と叫んで失禁とともに心臓が止まりあっけなく死んだ。


ここには宝箱は無く6階層に行く扉が開いた。


6階層は廃屋がならんでいる。

土台しか残っていない物が殆どだが、3棟程1階が残った建物がある。


そこに向かうと、先ず最初に手前の崩れかかった家に入るとキラービーが襲ってくる。


サトルは瞬時に自分とスザンヌに【シールド】を掛けて、【結界】で全てのキラービーを囲いきって【グラビティ】の重力魔法でぺしゃんこに潰して回収した。


ゆっくり奥に進むとレイスがいる。

【インビジブルハンド】が効くのか試しにレイスのオッパイを掴むと何と霧状になって消えてしまった。


スザンヌが「サトル、見えない手でレイスの胸を触ったな?」


「いや、胸では無く首の後ろを触ったら行ってしまった、レイスの胸ってペチャンコで触りがいもないだろう」


「何で胸がないとわかったのだ?」


「いやいや見た目でそう思っただけだぞ」


”実際、かなり大きい胸のレイスだったなぁ!”と思ったが黙っていた。


次の廃屋にはソルジャーアントが数千匹ゾワゾワと出てきた。

サトルが【結界(バリア)】で全てのソルジャーアントを囲い切って、【グラビティ】で全てぺしゃんこにして殲滅してしまった。


最後の廃屋にはスケルトンが剣を構えて向かってきたがスザンヌが的確に魔石の位置を見極めて魔石を破壊して霧散させてしまった。


7階層は岩がゴロゴロとある岩場ステージに巨大な岩竜が岩を吐き出してくる。

岩の大きさが巨大で避けるのも大変だ。


サトルが岩竜の背中に飛び乗り掌底破を放った。

硬い甲羅を物ともせず内臓を破壊して苦しみもがきながら動かなくなった。


更に進むとアクスビークが大きな嘴で襲いかかってくるがスザンヌが剣でカンタに瞬殺して回収した。


8階層、9階層と順調に進み10階層のボス部屋に来た。

扉を開けるとヒュドラが炎とか毒ガスを9個の首から吐き出している。


「スザンヌ、ここは俺が遣る!」と言って、スキル全解放でヒュドラの首と体を【インビジブルハンド】で2回程さすると震えだして9本の首が垂れ下がり、よだれを垂らして動かなくなり、死んだ。


宝箱が有り、罠を確認しながら慎重に開けると『リフレクションリング』が有り、全ての魔法攻撃を跳ね返す指輪だ。


「スザンヌ、指を出してくれ」と言ってサトルはスザンヌの右手に嵌めてやる。


「サササトル、良いのか?私が嵌めて?」


「これでスザンヌも魔法を全て掛けて来た相手に反射させル事ができるだろ?」

そう言いながら11階層に向かった。


11階層は平原ステージでトロールが大剣を持って襲ってくるが、サトルが大きな胸を楽しみながらわざとスキル1/2で触りまくり失神させてから首を切り落とした。


スザンヌが不機嫌でそれ以降はスキル全開で魔物に対抗しようと決めるサトルだった!


12階層には赤龍がいる。火炎咆哮で二人を襲ってくる。


サトルはスザンヌに【シールド】を掛けてやり、『鬼切丸』で横一閃して切り落とした。


13階層は砂漠ステージでまたもサザンヌをお姫様抱っこして2メートルほど【飛翔】して【サーチ】をしながら進むとサンドモールを発見して、【インビジブルハンド】でスキル全開にしてタッチして瞬殺、更にサンドモール2匹も同様に心臓麻痺で瞬殺して回収した。


14階は海のステージでスザンヌはまたお姫様抱っこしてもらえるのかと心躍らせるが、サトルが『具現の石』を取り出して、サトルは『潜水艦』をイメージして全面から魚雷では無く魔法が放てるようにイメージして『具現の石』に魔力を流しこんだ。


『具現の石』が潜水艦になり、二人は乗り込んで、10メートルほど進み、海に潜行し始めた。


すぐに【サーチ】にクラーケンが掛かった。

サトルは【ウォーターボム】を『潜水艦』の発射口から放って刈り取り、回収し更に進むとシー・サーペントが1匹【サーチ】に掛かった。


今度は【ウォータースピア】を放ってシー・サーペントを葬り回収して15階層のボス部屋にたどり着いた。


扉を開けると、なかにメデューサが椅子に座っている。

スザンヌは『リフレクションリング』を発動させてメデューサの魔眼の石化を逆に

メデューサに当て、一瞬でメデューサが石になって椅子から転げ落ち首が折れてしまった。


宝箱の罠を確認して慎重に開けると『遠距離通話器』が1組入っており次元ストレージに回収した。


16階層は火山ステージでキマイラが口から火を吹いてこちらを威嚇してくる。

サトルは【インビジブルハンド】で腹をさすってやると気色悪い声を上げて震えながら死んでしまった。


17階層は密林のステージで、大木の幹に直径1メートル長さ7メートルの大蛇がいる。


大きな口を開ければサトルなど一飲みにする程の大蛇だ。

スザンヌが剣で斬りに行くが口から強酸の液を吐き出し近づけさせない。


サトルは『殲滅の弓』に魔力を流し、20本の矢を目と長い胴に射ち放ち、【インビジブル】を全開で触った。


矢が刺さった瞬間は痛みで体をよじって苦しむが、【インビジブルハンド】でさすられるとヨガって身を捩り、暫く体を震わせていたが死んだ。


18階層の森林ステージに大蜘蛛が3匹いる。

口からは粘液性の強い糸を吐き出し、剣でも中々断ち切れない強固な蜘蛛の糸だ。


1匹をスザンヌが【縮地】を使い、間合いを一瞬で詰めて頭部と腹の部分を切り裂いた。


2匹はサトルが『鬼切丸』を横一閃に薙ぐと2匹は同時に腹を裂かれ、頭を二つに切られて即死した。


19階層にくると金獅子がいる。しかし雌の金獅子で何とも迫力不足という気がするサトルだが、スザンヌは緊張した様子だ。


「サトル、相手はSSランクの金獅子だ、二人で一斉に攻撃しないと撃つことは難しいぞ」というが、サトルが「いや、スザンヌは後ろで見ていてくれ、俺が対処する」と言って、『鬼切丸』の持ち手に手を添えて、姿勢を低く構えたままサトルに襲いかかってくるまで姿勢を崩さない。


金獅子が跳んでサトルの首を喰い千切ると思った瞬間に光の速さで『鬼切丸』が鞘から抜かれ、金獅子が真横に真っ二つに切られた時には刀は鞘に収まっていた。


古市念流抜刀術が炸裂したのだ。


スザンヌの目でも追えない速さで刀が抜かれ、再び鞘に納刀されていた。


20階層のラスボスの部屋に来た。

ゆっくりサトルが扉を開けると40メートルもある黒龍がそこにいた。


サトルが【身体強化】を掛け、【ボディー・シールド】を自身に掛けて、地面を蹴って黒龍の首を『鬼切丸』で横に薙いだ!


着地して、手で首をサトルがポンと押すと首と頭は離れて、頭が地面に転がった。

暫くしてズドンと凄い地響きとともに巨大な頭がない黒龍の体が横に倒れた。


側には大きなダンジョンコアと宝箱が有り、罠を確認しながら箱を開けた。


箱の中には、今でいうコードレスイヤホンのような『地獄耳』と云うイヤホンが入っていた。


【鑑定】をすると聞きたい人の声を思えばどんなに離れていようがその人の話している声が聞こえて来て、録音もできる『マジックアイテム』と出ていた。


【次元ストレージ】に回収して、ダンジョンコアと地図を持って、1階層の出口に転移盤に乗り二人は出て来た。


冒険者ギルドの素材置き場に大量の討伐魔物を置き、食堂でスザンヌと二人で待つことにした。


二人ともお昼を食べていなかったのでサトルはマナバイソンのステーキに野菜スープとパンとサラダ、スザンヌは白身の魚のムニエルと野菜スープにサラダとパンを食べながら40分ほど待つと、やっと納品書が出来上がって来た。


スザンヌが納品書とカード2枚に地図とダンジョンコアを出すと受付嬢が慌ててギルドマスターを呼びに2階に上がった。


直ぐにギルドマスターが降りて来て「やぁースザンヌさんお久しぶりです!さすがメッシーナ王国一のSランクのギルドマスターだけは有りますね」


「やぁ、ボリセー、久しいな!ちょっと紹介するわ、今年の武術大会で優勝したサトルだ。彼も私より強いSランクの冒険者だよ」


「あら、ずいぶん男前の美男子じゃない?しかもええええSランクなの?荷物持ちではなく?」ボリセーはじーっとサトルを見つめ「確かに桁外れの強さの男性だわ」


「お二人なら未踏破のダンジョンでも、踏破は必然かしらね!」


そう言ってダンジョンコアを抱えて2階に上がって行った!


「それではスザンヌさん清算額が凄いですが如何致しますか?」


「ふたりに半分ずつ入金してもらえる」


「はい、それではスザンヌさん、サトルさんに夫々白金32枚、金貨48枚銀貨38枚、銅貨47枚ずつ入金させていただきました。スザンヌさんにも同額をカードに振り込んでおきました」と言って、カードを返してくれた。


サトルとスザンヌは宿に戻り、シャワーを浴びて、ベッドに横になり仮眠をとった。


その後、アグネス様と王女様の明日の予定を聞きに、王宮に行き、明日は王都の街を午前中からいろいろ三女の王女様と三人で王都見学をするので9時に王宮の門にきて欲しいと言われて、スザンヌとサトルは宿に戻った。


宿に戻り夕食を食べて部屋でサトルが出すケーキを食べながら明日は3人の面倒を見ないと大変だなと言いながら、スザンヌの耐スキル訓練に付き合わされるサトルだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る