第21話 護衛依頼3日目

ザイロスの宿で朝食を済ませ、いよいよ王都バレンバールに向かって馬車を走らせ始めた。


午前7時出発という、少し早目の行程で、バレンバール到着は10時半の予定だ。


王都に着けばクリスティーナ王女も、アグネス公爵様の三女も騎士達と共に王宮に泊まりその約1週間はスザンヌ達には責任が無い。


王宮の近くの高級宿を抑えてのんびり過ごせるのだ。


ザイロスを出て1時間経ったあたりで、【サーチ】に25人の野盗が掛かった!


馬車を止めて【シールド】を掛けて、サトル一人で【ボディーシールド】をして【縮地】で25人の野盗の前に現れた。


野盗達は荷物持ちが現れたとタカをくくってゲラゲラ笑っているが【インビジブルハンド】半分解放してオッパイを触りまくる。アットいう間に瞬殺して25人が死んでしまった!


"あれっ?半分解放でも死んじゃうのか?"


結局全員【イレージング】で消した。


警護の騎士達はサトルが何をしたのか解らないが、野盗25人を一人であっという間に倒したのは分かった。


その後は何事も無く無事にプロバラ王国王都バレンバールに着き王宮に行く。


手網をスザンヌに頼み、馬車の中で礼服に着替え、王宮でプロバラ王国王妃に挨拶をする。


「クリスティーナにアグネス久しいのう、元気であったか?」


「お久しぶりです、エルミナ王妃様、この度はお招きいただき光栄に存じます。1週間お世話になりますが宜しくお願い致します」


「おうおう、ゆるりと過ごせや、スザンヌも元気そうで何より、してきようはまた珍しき人間がおるのう、荷物持ちでは無いようじゃが?」


「冒険者のサトルです。お初にお目にかかります。以後お見知り置きの程よろしくお願いします」


「ほーう、男の冒険者とはまた珍しいのう、スザンヌの弟子かや?」


「いえ、私より遥かに強く、恐らくはこの世界では一番かと存じます」


「なんと?お主より強い、男では考えられないのう!そうじゃ、サトルと申したか、明日から二日間行われる武術大会に飛び入りで出てくれるかな?その強さ見て見たい」


「模擬戦ですか?」

「いやいや、全て真剣で行う。魔法有り、スキルも有りただし殺しは駄目じゃ」


「どうじゃな?怖く無ければ参加してみよ!」


「かしこまりました、男でもここまで強いという所をお見せしましょう」


王妃との顔併せも終え、サトルとスザンヌは近くの宿に向かい、ダブルの部屋を取った。


宿は風呂付きで流石に高級なだけあり、広くリビング付きの部屋だ。


折角なので街に出て、昼食を食べる事にした。

勿論この国も女性が9割で、男性が1割しかいない。


サトルはラフな格好に着替えスザンヌと高級な店に入った。


案内された時に、店の男性従業員にカード提示を求められ、見せると驚いていた。


男性のプラチナカードなんていないのだ!


席について周りを見回しても客の男性はサトル独りだけだ。


「いい店だな!」


「王宮に近いし、しかもこの辺で一番の店よ」


「俺はこの世界の料理は良く解らないからスザンヌと同じ物でいいよ」


スープから始まり、前菜が出てきて、車エビの様な奴がでて、パンが二切れ、その後にマナバイソンのステーキがでて来た。


かなりのボリュームで紅茶とお菓子が最後にでて終わりのようだ。


さすがにこの様な高級な店では女性に絡まれることは無いと安心していたら、お茶を飲んで出ようとしていた所、貴族風の女性と冒険者風の女性が来てスザンヌに「貴女、ここに荷物持ちなんか連れて来ないでよ、全く礼儀知らずが」とのたまうが「彼は貴女が連れているそこの冒険者より遥かに強い冒険者で荷物持ちでは無いわ」と静かに答えた。


傍にいた冒険者らしい女性がそれを聞いて、いきり立ち「決闘を申し込む」と言い出した。


サトルはむやみな戦いはつまらんからと冒険者カードを出して、引き下がってもらおうとしたら、「私はこの国でも五本の指に入るAランクの冒険者だ、表に出て神妙に相手になれ」というのでカードを見せる機会を失い、外に出て決闘する羽目になった。


まぁ、この国の5本の指がどの程度かは見て既に力量は解ったが相手をしてあげないとおさまらないと思い、スキル1/4開放で相手をすることにした。


彼女がいきなり剣を抜いて切りかかって来るのを軽くかわし、胸を掴んで揉んでやる。

途端に「あれぇ~」と言って気絶した。


「死んではいないぞ!気絶しているだけだから」と言って、スザンヌと宿に帰って行った。


「サトル、何も相手の胸を触らなくてもいいのではないか?」と不満顔でスザンヌが文句を言った。


「だって、どうせ触るならオッパイでしょ!」とサトル。


「スザンヌが顔を赤らめて、これからは私の胸だけにしろ」と言って早歩きで宿に向かった。


宿に戻って、後はスザンヌのご機嫌を取るために丹念にスキルのチェックをスザンヌ相手にして、やっとご機嫌がよくなりベッドで大の字になっている二人だった。


機嫌を直したスザンヌと夕食を食べに二人で食堂に降りてきた。


サトルは【シールド】はせず、席に全ての食べ物が乗ったのを見て、二人の席をまるまる【結界】で覆い、人がいきなりサトルに触れないようにして、ゆっくり二人だけの食事を楽しんだ。


幸い絡んでくる女性もおらず食事を済ませて、二人は部屋に戻った。


「スザンヌ、二人の時は『制御の腕輪』は外しておくよ、俺に触れても大丈夫だよな?」


「ああ、サトルが全開スキルでも手とかが当たる程度では全く大丈夫だ、安心してくれ」とスザンヌは自信たっぷりに言う。


お風呂にゆっくり浸かってベッドに横になるサトル。


明日は『鬼切丸』を使ってこの国の高ランクの人と戦える喜びがサトルをなかなか寝付けなくしていた。


隣にスザンヌが入ってきて、唇を奪われる。

スザンヌの恍惚とした顔をまじかに見ながら、彼女の胸をまさぐると、か細い喘ぎ声が聞こえてくる。


「ああぁぁぁ、凄く気持ちいいわ、これから暫くはサトルと毎日一緒なのね、私やはりギルドマスターを辞めてサトルと冒険の旅に行こうかしら」


「貴方と離れての生活は考えられなくなってきているわ」


「あっ、ダメ感じすぎるでも、やめちゃダメ」


サトルが前世の時のように戻れる唯一の相手がスザンヌだ。

彼女の中でおぼれ、求めてはてる。


気が付くとスザンヌも意識を飛ばしていた。


こうして二人の夜は続き、翌朝を迎えるのだった。


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