第20話 護衛依頼2日目

リリー公爵様三女アグネス嬢と王妃三女クリスティーナ嬢を王都から隣国プロバラ王国王都セッシュランまでの往復護衛を指名依頼されたスザンヌとサトルはスザンヌの対サトルの特殊スキルに対しての抵抗値をあげる旅でもあった。


朝練から戻り、シャワーを浴びてラフな格好に着替えスザンヌの準備を待つ。


二人で階下に降りて、アグネス嬢達を待っていると直ぐに降りてきて朝食を始めた。


きょうはウォスローに泊まる予定で、途中の村で昼食を食べる事になっている。


村に行く前に平原で休憩を入れて、馬を休ませる予定だ。


「スザンヌ、途中の休憩の時少し模擬戦の相手になってくれないか?スザンヌは真剣で俺は体術で少し確かめたい事があるんだ!」


「いいけど、剣と体術では余りにも体術が不利では無いか?」


「スザンヌ相手にどこまで出来るか確かめたいから」


そんな会話をして、宿を出た。

3時間程かけて、休憩場所の平原に来た。


サトルは周囲300メートルを【シールド】で囲い、スザンヌにケーキとお茶をあげて休み、約束の模擬戦を始める。


騎士やアグネス嬢も興味を持って観戦している。


スザンヌは【身体強化】を掛けて一瞬でサトルに肉薄し鋭い突きを繰り出す。


サトルはそれら全てを交わし、突きをかいくぐり、正拳を放つがスザンヌがバックステップでそれを躱す。


二人の動きは騎士達には全く見えない速さだ!


スザンヌが上段から打ち下ろす斬撃をサトルが両手で剣をはさみこんで止めた。


いわゆる真剣白羽取りの形だ。


スザンヌが引っ張って抜こうにもビクとも動かない、彼女はダガーを抜いて剣を捨てた。

ダガーでサトルを突くが軽く躱され、横腹を捕まれ終わった。


「スザンヌ、ありがとう。君の速さに真剣白羽取りが対応出来るか確かめたかったから」


「あの剣を両手で捉える技術か?」


「ああ、剣の極意だな!無刀取りとも云うんだけどスザンヌの様に剣が鋭い人にも俺の技術が対応出来るかと思って・・・」


アグネス嬢や騎士達はスザンヌがサトルの頭をカチ割ったと思ったらサトルがスザンヌの剣を掴んで離さない姿しか見えていない。


二人の模擬戦のレベルが別次元だと全員が感じていた。


再び馬車を走らせ予定の村に着き昼食となった。


何故かアグネス嬢以下侍女と騎士達がサトル達の馬車にやって来る!


スザンヌが「サトル、諦めろアグネス嬢達にも出してやれ」と言うので今日はマルゲリータとマリナーラにサラミを加えほんの少しのタバスコを掛けて人数分ジンジャーエールを出してあげた。


昨日にも増して皆んなの食い付きぶりは異常で全員がピザの虜になっていた。


昼食も終えてウォスローに向かって再び走り出した。


途中グリーンウルフの群れ25匹が襲って来るが、サトルが素手でスキル全開で素手で触る瞬間死んで行くグリーンウルフ、25匹を倒すのに10分も掛からず全て回収した。


途中平原に出て休憩に入った。

アグネス嬢と侍女、騎士達がまたもやって来る。


しょうがないなと思いながら、全員にチョコレートケーキとサバラン、ティラミスと紅茶を出してやる。


信じられないお菓子だと騒ぎ出す程の人気ぶりにやれやれとサトルはウンザリだがスザンヌはニヤニヤしているだけだ!


「サトル、今後昼食と休憩のお菓子はサトルの所で食べるので6人分を頼みます」とアグネス嬢に言われてしまった。


「サトル、追加で金貨5枚を依頼金にたすので頼みます」とアグネス嬢に言われた。


ウォスローには午後3時には到着して、部屋割りも前夜と同じでアグネス嬢と騎士達は3階に、スザンヌとサトルは2階のダブルの部屋だ!


夕食まではスザンヌの訓練と称して、スザンヌの身体をスキル全開で触る。


彼女は完全に『イカセスキル』に免疫が出来てしまったようだ!


しかし、スキル全開だと手に触れただけでもかなり気持ちがいいそうで、離したくなくなると言っている。


胸になると最早我慢の限界でサトルを迎え入れないと狂いそうになるようだ。


サトルもスザンヌも、最早麻薬に取り憑かれている様に相手を求める様になってしまっていた。


サトルはスザンヌに「隣国から王都ハルモナに戻る迄はスキル全開で触れ合うのは辞めよう」といい、暫く何もせず寝る事にした。


翌日、ウォスローを出て昼前に王都ハルモナに到着して、王宮にクリスティーナ嬢を迎えに行った。


サトルも礼服に着替え、スキル制御をして王妃様とクリスティーナにあった。


王宮で豪華なランチをご馳走になり、プロバラ王国を目指して早めに王宮を後にした。


クリスティーナの馬車には侍女が二人、共にAクラスの剣士と魔法師が同乗して、騎士達は5人騎乗して付いてくる。


クリスティーナの侍女二人は共にディアナ騎士団長との戦いを観戦していたのでサトルが人外の男だとは知っている。


国境線迄順調に来て、最初の宿泊地バレンに無事夕方着いた。


3階を全室押さえ、王女をツインで剣士の侍女と入り、あとツイン3部屋に入り、アグネス嬢達もツイン1部屋、後はシングル4部屋を押せえていた。


サトルとスザンヌは階段に近いダブルを1部屋抑えて、取り敢えず夕食までシャワーを浴び着替えた。


宿の食堂も16名なので8名ずつ隣続きの席を抑えて席に着いた。


さすがにサトル一人が男性で目立つ。


そばに騎士達が居るがここは他国の地だ!

サトルが心配した通り、5人の冒険者がサトルに絡んできた。


王女が立ち上がったがサトルが制し、【時間操作】で食堂全体を止め、5人の冒険者の剣とパンツを剥ぎ取り、時間を動かし、「お前達の剣はここにあるし、汚い下着もここにあるが未だ俺とやるなら、今度下着じゃ無く首が無くなるが良いかな?」と言って剣と下着を放り投げた。


驚いたのは絡んだ5人の冒険者達で慌てて剣と下着を引ったくり、食堂から逃げる様に出ていった!


驚いたのは相手だけで無く王女やアグネス嬢達も驚いている。


「サトル、あれは魔法か?」


「手品みたいなもんですよ」と誤魔化し食事を始めた。


その後、がたいのでかい大女がサトルに絡んで来るがサトルが手を触った途端気絶して倒れ、皆が食べ終わるまで床に転がったままだった。


部屋に上がる時スザンヌが喝を入れて気がつかせて起こした!


周りの冒険者達はサトルが魔王の再来だと思っているようだ。


翌朝サトルが『誅戮剣』を担いで外に行こうとしたらスザンヌが「サトル、貴方の真剣で模擬戦をしよう」と言い出し、裏庭でサトルはスザンヌの相手をする事になった。


スザンヌが【縮地】で一気に間合いを詰め袈裟懸けに斬り掛かるが刀を合わせる事無く身体で躱す。

更にスザンヌは風を舞、速度を加速させ幻影を一体出して、横腹に斬り掛かるがサトルは同時に二体を相手にしてそれらを『鬼切丸』で弾き返し、峰打ちでスザンヌの小手を打った。


スザンヌの手から剣が落ち勝負あり。


王女の侍女二人が見ていたが、二人の速さが余りにも早すぎて剣捌きがまるで見えなかった。


彼女達は"二人は怪物だ"と感じていた。


ふたりで部屋に戻りシャワーを浴びて階下に降りて、王女達が降りて来るのを席で抑えた。


しばらくして皆んなが降りてきて朝食を食べる。


きょうは途中の街ルモレで昼食を取り、ザイロスという街に泊まり、午前中に王都バレンバールに着く予定だ。


朝食を食べ終え、早々にルモレに向かう。


サトルの【サーチ】に野盗の集団30人が掛かった。


馬車を止めて全てに【シールド】を掛け、サトルは『殲滅の弓』に魔力を流すと銀色の矢が現れ、射るとその矢は30本になって消えて行き、3キロ先の野盗の連中に全て当たり、野盗は全滅してしまった!


「サトル、君は弓も凄いな、スキル持ちだったか!」


「あぁ、弓もスキルは測定不能迄上がっている」


暫く進むと野盗の死体が30人転がってる。


サトルが全て【イレージング】で消し去り、ルモレに着いた。


アグネス嬢達は何故か残念そうな顔をして居るが、王女クリスティーナとアグネスが並んで座り、侍女三人と騎士達9人が周りを固めて座った。


サトルとスザンヌが向かい合わせに座り、マナバイソンのステーキに野菜サラダと野菜スープ、それにパンだ。


アグネス嬢が盛んにクリスティーナに話して頷く王女。


どうせ、帰りの昼食はサトルに出して貰おうなどと話しているのだろ!

1時間程休憩してザイロスに向かった。


ザイロス迄は何事も無く着いて、各自部屋に入った。


サトル達はメッシーナ王国に戻る迄はお互い愛し合わないと決めていたのだがスザンヌが「サトル、きょうだけ愛し合わないか?私ははしたないと思うが、我慢出来ないのだ!」と言って抱きついてきた。


サトルも同様で、スザンヌの洋服を剥ぎ取る様に脱がせ、スザンヌにおおいかぶさって行った。

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