第19話 護衛依頼1日目

”渓流の流れ”で早めに朝食を食べ、しばらくギルドマスターと領主さんの娘さんの

護衛依頼で三週間ほど留守にして、戻って来たら又よろしくですとご主人に挨拶して、宿をでた。


今回の馬は真っ黒な馬にして、馬車もスザンヌが寝泊まりできるようにして有り、ギルドの裏につけた。

『具現の石』と『具現の水晶』で出来た馬や馬車は持ち主以外では動かないし、馬車の中に入ることもできないが、一応念のため【結界】を張って、ギルドマスター室をノックした。


「スザンヌさん、俺、サトルです」


「あぁ、入って!」


「下に馬車を着けて準備OKですよ、リリー公爵様のところに行くのに俺はこれ

でいいだろう?王宮に行く時は礼服を買ったからな」


「そうか、馬子にも衣装でよく似合っているぞ」


”俺の国の諺だろうそれは”と突っ込みを入れたくなるところをこらえて、「正面に馬車を回して待っているから」と降りて行き馬車を正面に移して御者台に乗ってスザンヌを待った。


数分して、スザンヌが降りて来て、サトルの隣に座り先ずはリリー公爵邸に向かった。


「サトル、この馬車は物凄く座りごごちがいいな!全く揺れがない」


「そうだろう!サスペンションというものを取り付けているからな、馬車の中で寝ても全く揺れを感じないで宿のベット気分で寝れるぞ」


「サスペンション?何だ、それは」


「揺れを吸収するバネ、スプリングというものと、ダンパーというショックアブソーバーというものを取り付けたんだ」


「サトルがいた世界の乗り物は皆付いているのか?」


「乗り物の種類にもよるけど道を走る車というものには付いているな」


「スザンヌ、朝食は食べれたの?」


「いや、忙しくてそれどころではなかったからな」


「それじゃ、これを食べてくれ」とサトルは昨夜準備した野菜サンドとカップにコンソメスープを入れてあげた。


「いやぁ〜、我が家の朝食よりも美味しいな!ありがとうサトル」


食べ終わった頃にリリー公爵邸に着き、門の警備兵にスザンヌが来たと伝えてもらった。


サトルも馬車から降りて、リリー公爵と三女のアグネス嬢を待った。

先に馬車が来て、騎士4人が馬に跨り出て来た。


しばらくして、リリー公爵とアグネス嬢が来て、スザンヌとサトルは儀礼して馬車に乗り込むのを見届ける。


「スザンヌ、此度は王女もご一緒なのでくれぐれも頼むぞ、サトルがいるから心配は無いが、むしろ、隣国に行ってからサトルの無双ぶりが心配じゃな、わははは」と豪快に笑った。


「公爵様、私はいたっておとなしい男性でいつも相手が突っかかって仕方なくの対応です」


「サトル、仕方なしの対応が腕や足を消し去り再生してやることがおとなしいのかな?ほんに、人外よのうサトルは」と楽しそうに話している。


「お母様、準備ができましたので参ります」とアグネスが馬車の窓から顔をだして言ってくる。


「それじゃ、二人とも娘たちを頼んだぞ」


「はい、命にかけても」とスザンヌ。

サトルの馬車を先頭に、アグネスの馬車が続き両サイドに一人ずつ騎兵が付き、最後尾に二人の騎士が付いている。

勿論全員が女性騎士達なのはいうまでも無い。


アグネスの馬車にはアグネスのほか、侍女が一人付いていてスザンヌの話では一応Aランク相当の腕前の女性だそうだ。


王都まではこの後途中の平原で昼食休憩を取り、最初の宿泊地ハテリアで1泊する。


サトルは前後5キロ四方を【サーチ】を掛けながら馬車を走らせているが全く問題はない。

スザンヌが隣なので、『制御の腕輪』は特に最小ではなく、魔物が即死する3/4程に迄解放して、尚且つ【ボディーシールド】をして御者台にいた。



昼食までは魔物にも襲われず、休憩地の平原で昼食を取ることになった。


馬車二台と騎士団を囲った大きめの【シールド】をして、サトルは馬車の中でランチとして用意していたピザの定番マルゲリータの大判と冷えたジンジャーエールを

出してあげた。

スザンヌはオークションの時にこのピザに病みつきになっていたので、大喜びで食べている。


サトルは王女様達の馬車を見やると、騎士団4人は干し肉をしゃぶっているだけなので、ピザの大判4枚とジンジャーエールを持って行ってやると、物凄く喜ばれ、しばらくするとアグネスの付き人の侍女がサトルに「大変申し訳ないのですが、騎士団にあげた食べ物ををアグネス様にもいただけないでしょうか?」と言って来た。


「ああ、いいよ!ちょっと待っててください」

サトルは侍女の分も含めてピザの大判2枚とジンジャーエール2杯を侍女と一緒に馬車に持って行ってあげた。


「サトル、アグネス様もこの食べ物には病みつきになるぞ!」とスザンヌがクスクス笑っていた。


昼食を終え、お茶を飲んで最初の宿泊地ハルテリアに無事着いて、あらかじめ手配していた部屋割りで3階にアグネス嬢と侍女のツイン、騎士達のツインが2部屋。

2階にダブルの部屋が一部屋だ。


「スザンヌ、なんで俺たちがダブルなんだ?」


「スキル対抗の訓練をするためにな!」


「全然訳わからな〜い」とサトル、でも内心は嬉しかった!


シャワーを浴びて、サトルがスザンヌに聞いてみた。


「スザンヌ、今俺の『インビジブルハンド』は最初自分では強弱の調整が全く出来ず体質の様だと思ったけど、今はマジックアイテムの力を借りて一瞬で自分の考えに同期して放つ事ができるじゃない?でも3/4の力でもスザンヌは何とか大丈夫だけど魔物、それも大型のミノタウルスや龍種も即死するほどの強さなんだ。なぜ貴女は大丈夫なのだ?」


「私にも理由はわからないが、負けず嫌いの性質だからサトルのスキルに負けないと信念を燃やしているからな」


「俺は、スザンヌと一緒の時だけ3/4解放して、【シールド】をしなくて済むのだけど、それ以外は触られても気絶されないために常に【シールド】か【結界】を貼らないとダメだな。王都から隣国に行ってからはその辺注意しないと」


「便利なスキルということもできるが不便なものだな」とスザンヌがいう。


夕食の為に食堂に降りてアグネス嬢を待った。

騎士4名に守られて侍女と降りて来た。


「サトル、お昼はありがとう、とても美味しくて飲み物も初めて経験する味だったわ」


「気に入っていただけて、よかったです」私の生まれた村の食べ物なんで都会では馴染みが薄いですよね」


そんな会話をしていたら宿の食事が出て来た。

ファングボアの生姜焼きに野菜サラダと野菜スープとパンがでてきた。

パンは食べ放題のようだ。


しかし、この世界のパンはあまり美味しくないので、こっそりと『豊食の皿』でだした、前世のパンとかクロワッサンを出してこっそり食べていた。


スザンヌが苦笑いをして気が付いても知らないふりをしてくれていた。


アグネス嬢と侍女が3階の部屋に戻り、騎士達4人も3階に上がって部屋に入った。


サトルは先ほど侍女に夜は部屋から出ないと聞いているので、部屋全体を【シールド】でプロテクションを掛けた。


サトルとスザンヌは部屋に戻り、アメリカンコーヒーとスザンヌにはショートケーキ、サトルはチョコレートケーキを出してお茶タイムだ。


「サトル、明日は途中で休憩を取り、前に一緒に行った時の村で昼食だが恐らくアグネス嬢が又ピザか何か別のものはないかと行ってくると思うぞ」


「騎士4人にも同じものを考えると6人前をだすのか?俺は厨房係ではないぞ!スザンヌの分しか考えていなかったからな・・・まぁ『マジックアイテム』があるから何とかなるけどね」


「まずメッシーナ王国内では特に危険はないが隣プロバラ王国についてからだな、一週間何事もなければいいがな・・・」


「だいたい一週間お二人のお嬢さんはプロバラ王国で何をするんだ?」


「我が国とプロバラで毎年持ち回りで貴族の懇親会を模様しているんだ、その間お二人は先方の公爵家と王家にホームステーしてプロバラの貴族、王族のしきたりを学んで帰ってくる」


「何でわざわざ隣国のしきたりを学ぶんだ、自国から出るわけでもないなら自分の国のしきたりをちゃんと学んだ方がいいだろうに」


「まぁ、ある種の親睦会みたいなものだ。お互いの国を良く理解し合おうということらしいぞ」とスザンヌ。


「何となく見せかけの友好といったところだな」とサトル。


「毎年この時期にその国の武術大会が行われるからプロバラ王国の騎士団か冒険者の高ランクとサトルも模擬戦でもして見たらどうだ?」


「スザンヌはやったことないのか?」


「数年前に3年続けて優勝してからはあの国の最高位のランクがわかったから出なくなったな」


「でも、今年は俺みたいのが現れているかもしれんぞ?」


「それだと面白いのだけどね、さぁ明日も早いから寝よう」


「今日もスザンヌ、頑張るのか?」


「もちろんだ、3/4ではなく全開でやって見ないか?」


「スザンヌが死んだら困るからいやだよ」


「手とか首あたりまでなら大丈夫だと思うぞ、ちょっとだけ全解放で触れて見てくれ」


「本当に全解放でいいのか?」


ジンは全解放で手を最初は軽く触れた!

ピクッ、とするが平気な様だ。


「サトル、3/4の時と変わらんぞ、気持ち良いことは気持ち良いが、首に行ってくれ」


言われるがまま、首を触る、うなじを・・・、「やはり3/4よりは気持ちいいなでもそれによって意識が飛ばされるとかはないな」


「次は胸に行くぞ」


「ああ、大丈夫だ、死ぬ前に先ずは意識がなくなるのが先だろうからな」とスザンヌ。


サトルはブラウスの上から胸に触れる、「ああ、気持ちがとてもいい、直接頼む」とスザンヌ。


サトルはいよいよ自分の方が興奮して来てこれ以上はやばい気がして来た。


「何を躊躇しているの?続けて!」女性らしく言うスザンヌ。


サトルはブラウスのボタンを外し、下着の中に手を入れて、綺麗に整ったスザンヌの膨らみ、豊かな胸を直接触れる」


「あぁぁ、最高だな、こんな気持ちが毎日味わえれば死も厭わない女性が出てくるかもしれないな」と意味不明のことを言い出すスザンヌ。


サトルはベッドに彼女を押し倒して、唇で彼女の胸を吸った。

「あああああ」と叫び続けるスザンヌ。でも意識も飛ばない。


ついに全解放で息子さんが侵入した。


彼女の腕がサトルの背中に爪を立てて、跡が残るほどだが意識は未だ保っている。


両手で胸を弄りアイブするとサトルは全てを放ち、スザンヌは意識をなくした。


1時間近くして、サトルとスザンヌはシャワーを浴びて共にベットで手を繋ぎながら寝た。


サトルはマジックアイテムを外して全解放しても、スザンヌは死なない。


翌朝、サトルは一人『誅戮剣』で素振りをして戻って来た。







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