第18話 護衛依頼
サトルはルギーゼのダンジョンを踏破して精算金を受け取っている時にキタミのギルドマスター、スザンヌから緊急依頼を受けて急遽キタミに戻ってきた。
依頼は公爵様の三女と王妃様の三女のプロバラ王国迄の往復の護衛依頼だった。
王妃に会うので礼服を買いに、ギルドを出て洋服屋に入った。
「いらっしゃい、あら、荷物持ちさん?」
「いや、冒険者だが王宮に上がって偉いさんに会わなくてはならないので男性用の礼服を探している。男性の貴族が着る服とか無いか?」
「有るわよ、でも荷物持ちさんには少し立派過ぎるかしら?」
「オッサン、俺は荷物持ちじゃねぇよ、冒険者者だって!」
「はいはい、そうだったわね!これなんかどう?動き易いし、物を運ぶのも服が邪魔にはならないわ」
確かに動き易いし、見た目も礼服の様で、生地もしっかりしている。
「オヤジさん、これ幾ら?」
「銀貨35枚と少々高目だけど生地も良いしとてもお買い得よ」
「それじゃあ、これにするよ。カード払いで良い?」
「いいわよ、ええっ!貴方本当に冒険者なのね、そそそれもSランク?信じられなーい」
そう言って礼服を綺麗に梱包してくれた。
次に食材関係を購入して"渓流の流れ"に2泊部屋を押さえた。
未だ夕食には間があるので仮眠して疲れをとった。
目が覚めたら既に辺りは暗くなって居て、サトルは階下に降りて夕食を採った。
周りの冒険者の女性達がサトルを見てヒソヒソと囁きあっている。
ここキタミでは流石に冒険者仲間の間では超有名人になっていた。
因縁を吹っ掛けてくる人もいない。
いや、いや、いや、いた!いた!いた!きた、きた、きたぁー!
きょうこのキタミに来たばかりの冒険者5人が気に入った場所の席にサトルが居たようで、ズカズカと近ずいて来て、「おい、荷物持ちそこに私達が座るからどけ!」
「はぁ?未だ食べ始めたばかりだから嫌だよ」
「なんだぁ、私らBランクの冒険者の言うことが聞けないのか?」
「何で俺がお前たちの言うことを聞かなければいけないのだ?人が食べている最中にランクもへったくれもないだろう?マナーをしっかり覚えてからランクを上げた方が良いぞ」
「それに相手の力量を見れないやつがBランクを名乗るのは恥ずかしいぞ、何処でBランクになったの?」と余裕のサトルは食べながら顔を上げない。
周りの冒険者達はやれやれといった感じで、だが何も言わないで見ている。
彼女らも2週間でSクラスになった男の力量を見てみたいのだ。
一人がたまりかねて、サトルの胸倉をつかみどけようとした瞬間、意識を飛ばされた。
他の4人も周りの女性たちも何が起きたのか解らない。
もう一人がいきなり殴り掛かろうとしたが彼女も一瞬で気絶した。
こうなると他の3人はもう止まらない。
剣を抜いて切りかかるが、剣を持つ手が消えた!
悲鳴を上げて倒れこむ女性3人の冒険者。
サトルはやれやれといった感じで、食事を途中でやめ、3人の女性に【ハイヒール】を掛けて手を再生させてやり、「宿の食堂で剣を抜くのはエチケットが無いぞ!今度は首を消すからな、気絶した二人を連れてよその席に行け」
そういうと、再び夕食を食べ始めるサトルだった。
周りの女性たちはSランクの実力を目の当たりにして、番外の男が居ることを改めて認識しなおしていた。
5人が端っこの席に着いたとき、隣の冒険者の女性が「彼は2週間でSランクになった男だぞ、相手が悪かったな」と教えてくれた。
この騒ぎの話は翌日にはキタミの冒険者仲間には瞬く間に広がり、ギルドでもその話で持ちきりになっていた。
翌朝いつものように『誅戮剣』で素振りをして朝食を食べた後、冒険者ギルドに向かった。
掲示板を見に行こうとしたら、ケーシが「サトルちゃん、ギルマスがお呼びよ行って!」と呼ばれて2階のギルマスのドアをノックして「サトルです、入ります」
「どうぞ」といつもよりは冷ややかな声でスザンヌが応え、入った。
「サトル、キタミに戻るなりいきなり騒ぎはおこさんでくれ。大事な仕事が明日に控えているのだぞ」
「何のことですか?」
「昨夜、宿でBランクの冒険者5人をあっという間に倒したそうじゃないか」
「いや、あれは食事している最中に席をどけと言われて断ったらいきなり殴りかかって来た二人が勝手に気絶して、そしたら後の3人が剣を抜いたので手だけ消してちゃんと後で再生してあげましたよ」
「それがやりすぎだというんだ、【結界】でも張って周りに人が来ないようにした方が良いぞ」
「大体Bランク程度にしてはレベルが低すぎますよ、マナーもそうだけど人の力量もわからず暴力をふるうって・・・、俺は被害者です」
「まぁ、きょう1日は簡単にクエストを受けてくれぐれも騒ぎをおこさんでくれ。それじゃ、いつもの通り頼む」と言って、腕を出してきた。
「スザンヌ、きょうから1/2に開放を上げるぞ」
「ああ、頼む」
ほどんどの女性は最小でも気絶しそうだが1/2だとスザンヌもかなりやばいのではと思いながら触るが大丈夫だ。
「スザンヌ、もう少し上げてみてもいいかな?」
「ああ、大丈夫だと思うぞ」
サトルは2/3程スキルを開放してみた。
全く大丈夫だ、普通の人だと恐らく死ぬ状態のはずだが・・・。
この状態で首筋、うなじ、耳など触っても全く動じないでいる。
胸をブラウスの上から触るが大丈夫だ。
久しぶりに直接スザンヌの形のいい胸に触れてみる。
気持ちよさそうにしているが平気なようだ。
3/4迄開放状態にして手から行ってみる。
少しぴくッとしたが大丈夫だ。
首、耳、そして胸、と進んだが大丈夫そうだ。
流石に直接胸を触って揉んでみると、「サトル、感じるから我慢できなくなってしまう。朝からはしたないが、来て!」
サトルも、もう、息子さんがはちきれんばかりに元気になってしまっていた。
ギルマスの部屋を施錠して、結界で音も漏れないように二人はソファーに倒れこみ合体!しばらく愛し合ってサトルは階下に降りて行った。
掲示板のクエストを見ると北門を出て5キロ先の森にサウンドラー1匹の討伐依頼とその近くのオークの群れ20匹の討伐依頼2枚があった。
受付のケーシーに2枚のクエストを出して、カードに打ち込んでもらい、北門を出てから【身体強化】を掛けて一瞬でクエストにあった森に入った。
先に【サーチ】に掛かったのはオークの群れで全部で23頭だ。
サトルはスザンヌが大丈夫だった所まで解放して、デカパイを【インビジブルハンド】で触った。
一瞬で死んでしまった!
"あれっ?あれでやっぱり死んじゃうか、スザンヌはどうなっているんだ?"と思いながらどんどん胸を触って瞬殺して23頭を全て殺し、回収した。
次は更に奥に入った所にサウンドラーがいた。
【エアカッター】で首を落としてあっという間にクエスト達成だ。
帰りはのんびり歩いて帰り、素材置き場にオーク23頭とサウンドラー1匹を納品して、サインを貰い受付のケーシに出した。
「サトルちゃん相変わらず手際がいいわね!」と言って精算金をカードに入金してくれた。
丁度昼時なので定食屋に入るか迷ったが、宿の食堂に行って昼定食を頼んだ。
「おや、サトルちゃん珍しいわね、うちで昼を食べるなんて」と宿のオヤジさんが相変わらずのオネエ言葉で言ってきた。
「昼食べたら少しベッドで横になりたいから・・・」と適当に答え、食べ終わって部屋に上がった。
サトルが目を覚ますと既に夕方近くで実に半日を寝て過ごしてしまった。
寝すぎで逆に頭がぼーっとするので、宿から出て少し街を散策してみる。
明日からの護衛依頼に何か必要なものは?と思いながらぶらぶら歩いていると屋台でオークの照り焼きと焼き鳥を売っているのに目を留め、照り焼き20本、焼き鳥を塩とタレを20本づつ計40本買って【次元ストレージ】に入れた。
宿に戻り、『魔法の鍋』を使ってボルシチ、野菜コンソメスープ、ミネストレーネ、豚汁4種類を作り出して、購入していた大鍋に移し変えて、【次元ストレージ】にいれた。
夜の7時近くまでスープ作りをして(といっても、マジックアイテムが作ってくれているのだが)、階下に降りて夕食を食べた。
食べ終えて、2階の部屋に戻り今度は『美食の皿』を使って、野菜サンドとバーガーを10個づつ作り込んで【次元ストレージ】にいれて旅の準備を終了した。
王都に行くまでは礼服ではなく、冒険者の洋服でも少しおしゃれな服を用意して準備万端でベッドで意識を投げ出した。
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