第17話 ミモトでのスキル熟知訓練

朝早起きして宿の裏庭でバスターソードの大剣『誅戮剣』を担いで素振りを5000回をして、2階に戻りシャワーをして、着替え、朝食を食べに階下に降りて来た。


冒険者の連中は朝が皆早い、すでに数組のパーティーが朝食を食べていた。


サトルも朝定食を頼み、食べ始めると一人の女性が「君、冒険者で荷物持ちではないよね?一緒にクエストを受けないか?」


「どうして俺を?普通男は皆荷物持ちだと思って荷物持ちの依頼で来るけど?」


「いや、君の振る舞いを見て荷物持ちではなく相当の冒険者だと踏んでの依頼なんだが・・・」


「面白いことを言うお嬢さんだね、気に入った!いいよ今日1日限りのペアでクエスト受けよう」と珍しくサトルはその女性の申し出を受け入れた。


女性の冒険者の名前はマリアンと言うそうだ、冒険者ランクはBランクで風魔法を得意としていると自分で言っていた。


二人で冒険者ギルドに行き、マリアンにクエストを見てもらう。

どんなクエストでも彼女が選んで来るクエストを受けるつもりで受付カウンター近くで待っていると、彼女が持って来たクエストはオークの村の殲滅依頼で金額が金貨50枚と破格の金額だ。


村ということは相当数のオークとオークキングがいると思われるが彼女はあまり気にせず受付に俺のカードと彼女のカードを出して、臨時パーティーを組んで二人で行って来ると受付に伝えた。


場所はミモトの南門を出て6キロ程南西に行った山あいにあるそうだ。


距離があるのでサトルは彼女に「俺の方に手を添えて置いてくれますか?【転移】で現場の近くに一瞬でいきます」と言ってオークの村の数十メートル手前に立った。


マリアンはサトルが【転移】ができるのを知って驚いていた。

しかも身体全体をシールドで保護している。


マリアンは直接触ったら気絶する事を知らない。


オークの村にはオーク35匹とオーククイーンが1匹、それにオークシャーマンが1匹いた。


「マリアン、剣はそこそこ使えるか?」


「貴方程ではないかも知れないけど大丈夫よ」


「分かった!」とサトルは言って『幻夢』をオークの群れに凄い勢いで投げ、12匹のオークをまず殺し、【縮地】で一瞬にして群れの中に入り15匹のオークの首を落とした。


マリアンも負けじと残りのオークの首を切り落とし、残るはシャーマンとキングだ!


サトルはシャーマンに【エアカッター】を放ち首を切り落とし、クイーンと対峙した。


『制御の腕輪』を全開にして、一瞬で裏を取り、デカパイをむずっと掴む。


気持ちいいー!


一瞬でクイーンが行って、死んだ。


【サーチ】をかけて生き残りがいるか見るが全員殺したようだ。


囚われていた男3人を助け【転移】でギルドの素材置き場に討伐したオークを収めてアリアが納品書を受け取り、受け付けの男性に捕まっていた男3人と納品書とカードを出した。


アリアは金貨25枚を自分のカードに入金して、サトルには金貨25枚を渡してよこした。


「おつかれさん!サトル、一緒に昼を食べない?美味しい店が有るから・・・」


「おう、良いね!」


アリアとサトルはギルドを出て彼女の云う店に入った。


女性ばかりの客だが、さすがにサトルも慣れて、アリアの向かいに座り定食を頼む。


「サトル、今日は突然の頼み、聞いてくれてありがとう。矢張り私が見た通りの人だったわ!」


「俺の事どんな風に見たんだ?」


「貴方はこの世界の男達とは違って凄く強いと思ったの」


「その通りだったわ」


「そりゃどーも」


「マリアンはソロで活動しているの?」


「ええ、何だか周りの女性は皆ムキムキの女性ばかりで圧倒されて、余り仲間になりたい人に出会わないの」


「そうか、俺なんかいつも荷物持ちに間違えられているぞ!」


そんな会話で楽しく昼食を食べ、マリアンと別れたサトルはふたたびギルドに戻り簡単なクエストで時間操作や亜空間魔法、魔石師のスキルを使って見ようと掲示板を眺めた。


Aランク対象のクエストに岩竜3匹の討伐依頼が有った。


サトルはこれを剥がして受付に出す。


「これはAランクの依頼だからEランクの・・・?あっ、大変失礼しました、場所は西門を出て7キロ先の岩場にいます」と女性の受付嬢が言う。


サトルは【転移】であっという間に現場に着き、1匹目に【時間操作】スキルを使ってみる。


岩竜が岩を飛ばしてくる瞬間『時よ止まれ』と頭の中で考えると飛んで来る岩が途中で止まり、岩竜は口を開けている状態で時間が止まっている。


サトルはその首を切り落とした。


直ぐに距離を取り頭の中で解除と思ったら、再び時が動き出した。


次にもう1匹に【亜空間魔法】を掛けると一瞬で消えてしまい、素材として持って帰れないため慌てて【復元】と呟くと再び現れて、【魔石師】で岩竜の魔石を奪い取ると動かなくなり死んだ。


次の岩竜も【魔石師】のスキルで魔石を奪い取ると動かなくなり死んだ。


3匹とも【次元ストレージ】に入れて【転移】でギルドの前に一瞬で現れ、素材置き場にでかい岩竜を3匹出して納品書を貰い、先程の受け付け嬢に出した。


余りの速さに彼女は驚いていたがSクラスとは矢張り凄い者だと感心して「サトルさん、先程は大変失礼しました。精算金金額90枚です」と丁寧な応答でカードに打ち込んでくれた。


サトルは『具現の水晶』二つを出して、ひとつは馬にもうひとつは亜空間付きの馬車にして繋ぎ、次の街ルギーゼに向かって西門を出た。


門を出て暫く走らせて、購入したダブルベッドをセットして隣りに【亜空間】を作り出して【創造魔法】でお風呂を作りその亜空間にいれた。


サトル自身が出入りできるので、お風呂にお湯を満たして、夕食後にでも入ろうと考えて、御者台に戻り、ルギーゼの街を目指して少し急いだ。


空が茜色から暗くなる頃、やっと半分までの距離で今夜はこの平原でキャンプして明日ルギーゼに入ろうと決めた。


馬を元の『具現の水晶』に戻し、馬車だけを残して周りに【シールド】をしてサトルは馬車の中で机を出して『美食の皿』からガーリックステーキとピロシキにボルシチと野菜サラダ・イタリアンドレッシング付きを出して豪華な夕食を一人で堪能していた。


食べ終わって、ベッドでうつらうつらしていたら何やら外で殺気を感じ出てみると夜盗が馬車を取り囲んで【シールド】を破ろうと必死に攻撃をしていた。


全員女性だが、やはり夜盗って女性でも人相が悪い!

「おい、お前命が惜しかったらそこから出て金目の物を全部出せ」とほざいている。


「そちらこそ、死にたくなかったらさっさと消えた方が良いぞ!」


「うるさい、この人数でお前が動くのをいつまででも待ち構えているからな」


しょうがないと、サトルは『制御の腕輪』を全開にして『インビジブルハンド』で

ひとりひとりのおっぱいを揉んでやる。


一瞬で死んでいく夜盗の女性たち、


「おい、こら逃げるな!もう少し触らせてくれ、おっぱいだーい好き!」

と言いながら、15人を瞬殺してしまった。


【シールド】を解いて、全員の死体を一瞬で消して、再び【シールド】をしてベッドに横になるサトル。


朝まで寝込んで、慌てて飛び起き、朝練をして風呂に入り、馬車に馬を繋いでルビーゼの街に向かった。


ルギーゼに朝というか9時頃着いて冒険者ギルドに行く。


さすがにこの辺迄来るとサトルのように一人で冒険者をしている男は一人もいない。


掲示板のクエストを見に行くと「荷物持ちがクエストを見てもしょうがないぞ」と言ってくる女性冒険者ばかりだ。


受付に行き「ここのギルドの管轄でダンジョンは有りますか?」と男性の受付に聞いた。


「一箇所有るわよ、ここから2キロ北に"ルギーゼダンジョンが有るわ、貴方のご主人に未だ踏破されていないからBランク以上で無いとお勧めしないわと伝えて」


「いや、俺が潜るんだよ、はい、カードだ!」


「えええぇー!貴方があの噂のサトルちゃん?キタミのケーシがベタ褒めよ、嬉しいわ!会えて」


「じゃあ行って来ます」


「気をつけてね、頑張ってね!」


サトルは【身体強化】ですぐ目的地に着いて、兵士にカードを出して入ろうとしたら、後ろの女性冒険者パーティーに呼び止められてしまった。


「ここはEランク辺りの男が入っても無理だから帰れ」


サトルは黙ってカードを見せて入って行く。


唖然として見送る冒険者の女性達。


1階層はお決まりのゴブリンだが、サトルは【時間操作】のスキルがどの程度継続出来るのか知りたいので、それを使ってみた。


ゴブリン15匹が全員停まったまま身動きしてない。


耳を『鬼切丸』で削ぎ落していく。

敢えてゆっくりして切り取っていくが10分近く経っても動かない。


全てのゴブリンの耳を切り落として、「動け」と頭の中でつぶやくと急にゴブリン達は耳を抑えて痛がり、逃げ出した。


2階層はオークの集団で20頭程がいる。

同様に【時間よ止まれ】とスキルを発動させて、【魔石師】のスキルを発動させて

オークの魔石を全て奪い取り【次元ストレージ】に入れた。


時間的には15分程だがいまだにオークは止まったままだ。

「解除」と思った瞬間に全部倒れて死んでいた。


全て回収して3階層に進む。

一応【時間操作】と【魔石師】のスキルは解った、又【亜空間魔法】も馬車の中でとか岩竜を討伐した時の感覚で使い方が解ったので、3階層からは普通の戦い方に戻そうと思った。


3階層にはマナバイソンが2匹、ファングボアが3匹とオークが3体いる。

特にオークは大剣を持っている。


サトルは【インビジブル】で身を隠し、【インビジブルハンド】でマナバイソン、ファングボアを瞬殺して、『制御の腕輪』を1/3だけ開放して大きなおっぱいをもみもみして楽しみ、気絶したところを首を落として血止めして回収した。


4階層は密林のステージで、ポイズンスネークがいる。

太さ2メートル長さ10メートルの大蛇だ。


今度はスキル全開で【インビジブルハンド】で触ると急に暴れだして数秒後死んだ。回収して、さらに進むとウォーターベア2匹が襲ってくる


素手で胸を掴むと2匹とも可愛い鳴き声を上げて死んでしまった。


全て回収して5階層へと進んだ。


5階層は死臭が漂う洞窟で、ミイラが50体剣を持って襲ってくる。

全員が女性のミイラだ。


アンデッドにもスキルが効くのかちょっとやってみる。

1/2だけ開放して【インビジブルハンド】で触ると全員倒れて動かない。

死んでいるといっても、もともと死んでいるのに不思議だ!


一応【聖魔法の浄化】で消し去った。


後ろからはスケルトンが100体剣を持って押し寄せてくる。

全て【浄化】で霧散させて消した。


ここには宝箱は無い。


6階層に向かった。

目の前に大海原が広がっている。

【サーチ】を掛けながら【飛翔】して進むと前方にバハムートが1匹いる。


スキル2/3で触って、気絶しながら潮を吹き上げるのでサトルは他のことを考えて笑い転げてしまった。


10分ほど悶えながら結局死んだ。


更にクラーケンが2匹勿論雌なんだが、2匹とも殺し、全て回収した。


7階層、8階層、9階層と全て瞬殺してラスボスの10階層にきた。


扉を開けると火の鳥フェニックスがいる。

サトルは【ボディーシールド】をして無ければ焼け死んでいる。


【魔石師】のスキルで魔石を奪い取ろうとするがさすがフェニックスだ。


なかなか奪い取るところまで行かない。


サトルは朝練のように精神を統一して無我の境地になった瞬間頭にピシッと音がしたように聞こえ、大きな魔石をサトルは手に持っていた。


見ると、目の前にフェニックスが横たわっていた。宝箱には罠はなく、銀色に光る弓が入っていた。


【鑑定】すると『どんなに離れていても的に矢が刺さる『殲滅の弓』、しかも念じると何本でも同時に射る事ができる』と鑑定された。


"おお、凄い武器だな!俺は弓術のスキルが限界値超だからこれは使える"と喜ぶサトル。


ダンジョンコアも大きく、【次元ストレージ】に入れ、出口に転移して、ギルドに戻ってきた。


素材置き場に討伐した魔物を置いたら、山の様な量になり、係の連中が慌てだした!


1時間ギルドで待つように言われ、サンドイッチを食いながら待っていると、スザンヌから『遠距離通話器』で連絡が入り至急戻って来るように言われた。


丁度納品書ができたので受付に出すとギルドマスターが慌てて降りてきて握手をしてきた。


ギルマスにスザンヌの件を伝え、精算金を白金78枚、金貨84枚、銀貨95枚、銅貨80枚と今までで最高額を受け取り、キタミに【転移】した。


「ギルドマスターのスザンヌさんお願いします、サトルが来たと伝えてください」


2階に呼ばれノックして入ると久しぶりに見るスザンヌは相変わらず綺麗だった。


「すまない、サトル。王妃様と公爵様からの私と君への指名依頼で明後日公爵様の三女アグネス嬢と王都に向い、王都で王妃の三女クリスティーナ嬢を一緒に護衛して隣国のプロバラ王国の王都迄行きそこで約1週間滞在し、再びキタミ迄戻る2週間ちょっとの護衛依頼だ、これを君がこなしたらランクがSSクラスにランクアップする」


「プロバラ王国での護衛もあるのですか?」


「あぁ、勿論向こうに着いても王宮から出かける時は二人の護衛をしていないと行けない、彼女達が王宮に居る時や寝るときは王宮警備が入るので私たちはお払い箱だ」


「俺達以外の護衛は?」


「公爵様の騎士団から四人、王妃様の騎士団から五人、計九人が付いてその他付人の侍女がそれぞれ一人か二人が来る予定だ」


「向こうで、王妃に会いますよね?洋服を買わないとならないなぁ」


「男物の礼服は基本荷物持ちなので、逆に動き安い礼服が有るかも知れないぞ!」


「分かりました、明後日8時にここに来ます」


「いや、公爵様の所に8時なので悪いが7時に来てくれ。依頼金はサトルは金貨70枚と破格だぞ!」


「何か有りそうだな?それだけ大変だという事でしょ、分かりました」


「馬車はこちらで用意する」


「いや、俺の馬車で行きましょう、トイレと風呂付き、キッチン付きの馬車を作りましたから」


「分かった、それじゃあ頼むな!さていつものように私に触ってくれ」


「もう大丈夫になったから良いのでは?」


「いや、サトルが手加減しなくても大丈夫になるにはまだまだだ」


「あれっ、俺が加減しているの分かった?」


「ああ、途中からな!」


その後いつものルーティンを始めるのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る