第13話 オークション当日
朝朝食までスザンヌとサトルは合体を繰り返していた。
二人一緒にシャワーを浴びて階下に朝食を食べに行く。
オークションは午後4時から筆頭公爵の大広間で行われる。
男性は代理出品者の隣で静かに結果を聞くだけで競りに参加はできない。
サトルは出来なければ自分でダンジョンを踏破し尽くして『マジックアイテム』や『アーティファクト』をお宝からゲットすればオークションに参加してせり落とさなくても手に入ると、この会場に来て強く思った。
実際、この王国を消し去って近隣諸国にスザンヌを連れて逃げようかとも本気で考えているサトルだった。
とにかく今日のオークションは何があろうとも静かに座っているだけにしよう、最悪スザンヌの隣で【隠蔽】をかけて見られなくなって参加しようかとも考えた。
ただそうすると黒龍を倒したのが男一人の冒険者だと世間に広く示したいから隠れて参加するのはどうなんだろうかと悩んでいた。
お昼はギルド近くの定食屋でマナバイソンのステーキとパンとサラダにスープでお腹一杯食べた。
少し早めに会場に入って、スザンヌが後ろの方に席を取ってくれそこに隠れるように座って、シールドと隠蔽をかけて待つことにした。
スザンヌは会場の隣の談話室でディアナやエミリアと談笑していた。
そしてついにオークションの開始時間になりスザンヌがサトルの隣の席にやって来た。
サトルのエリクサーと黒龍は最後の方らしい。
最初はポーションとか岩竜の甲羅とかが結構な高値で売られていた。
サトルが手に入れている『エリクサー』などは白金30枚の高値で取引されている。
そして一番最後になった黒龍の傷一つない本体は白金40枚からの開始になった。
どんどん値がつり上がって、白金62枚、金貨80枚で落札した。
「ちょっと待って!」これを仕留めたという冒険者が男だというがそんな事は
考えられない。これは王様からの提出とすべきだ」とあのバカ侯爵が言い出した。
「サトル、黙っていろよ。私が話をつけるからな」
「侯爵殿、貴女はそんな事を言っていいのかな?貴女の騎士団20人がその黒龍を倒した男に一瞬で消されたのをお忘れか?あまりバカな事を言うと侯爵自身がこの世界から跡形もなく消されますよ!それでもよろしいのですね」
「人が目の前で消える?そんなバカな事できるわけないだろう」と侯爵が言う。
「スザンヌ、御免あまりにバカくさくて我慢を超えた」とサトル。
【イレージング】とサトルが呟き喋っていた侯爵が一瞬にして消えた。
大騒ぎになるが筆頭公爵のリリーが黒龍の落札は予定の通り白金62枚金貨80枚でスザンヌが代理で受け取るようにと筆頭公爵の裁断で決まった。
サトルは【隠蔽】をかけて、スザンヌと乗って来た馬車の中で横になり尚且つ【シールド】をかけて待っていた。
スザンヌとエミリアが現れた。
「すまん、スザンヌ。この国の侯爵があそこまで馬鹿とは思わなくてつい消した」
「ついでに女王も城も消してもいいぞ」と物騒な事をいう。
「サトル、そう、かりかりするな!普通の女性は君のように人外の男がいるのは考えられないのだ」
「スザンヌ、この国を出ないか?俺と一緒に冒険者をしながら色々なところを旅をしながら、美味しいものを食べ、スキルと魔法を磨くんだ。どうだ?」
「そんな簡単に行くわけがなかろう!」ギルマスをやめるには後釜を決めなければならないからな」
「とりあえず宿に戻って夕食をたべて、明日キタミに向かうぞ」
「スザンヌ先生、侯爵が消えた件はどうなるかね?サトル君は居なかったから彼がやたとは誰もわからんでしょうが、消えて居なくなったのは間違い無いですから」
「公爵から何か言ってくるかもしれないけど適当に言うさ」
「それじゃな、たまにはキタミにも来てくれ」とエミリアと別れた。
スザンヌはサトルと宿に戻り、二人でシャワーを浴びて、食堂に降りて行った。
「サトル、一気に大金持ちになったな!」
「白金92枚に金貨80枚か・・・、ダンジョン制覇のお金もあるし使いきれないと言うか俺はお金を基本使わなくても生活はなんとかなるから溜まる一方だ」
「私もサトルが言う冒険者の旅の話を真剣に考えるかな?サトルと二人で旅をして色々な国を見てみたい気もするがな」
食事をしていると、リリー公爵からスザンヌに呼び出しが来て、王都の公爵邸に行くことになった。
「スザンヌ、悪いな!俺の為にうまく繕って来てくれ、部屋で待っているから」
「大丈夫だ、適当に言ってくる」
スザンヌは公爵騎士団と、騎士団が連れて来た馬に乗り、公爵邸に向かった。
「スザンヌ、帰る準備で忙しいところすまぬな!」
「今日の侯爵が突然消えた件だがあれはどう言うことかのう?」
「恐らく、サトルと云う冒険者のスキルが発動したからだと思います。昨日エミリアやディアナと4人で食事をしているときに侯爵が来て、サトルを馬鹿にして、侯爵の騎士団がサトルに剣を抜いて食事中のサトルに襲いかかり、彼が”殺気”だけで気絶させたのがそもそもの原因かと・・・」
「オークションに参加しても居ない人間が離れて人間をも消し去ることができるのか?」
「はい、彼は【MAP】と【サーチ】を併用してはるか離れたところからでも敵対する人間、魔物を一瞬で消し去ることができます」
「まこと、男が魔法を使うだけでも異常だが魔法の併用などできる人間は王室魔法師でもなかなかみあたらない。スザンヌ、彼は本当にこの国で一番の実力か?」
「はい、この国ではなくこの世界で一番の強者ですよ」
「他国に取られたらかなり問題になるのう、女王様に進言して彼をSランクに認定し、ある程度この国に縛られるようにしないといけないな」
「はい、彼はこの国を一瞬で消し去る力も持って居ますし、教皇様の行うエクストラヒールのさらに上の神級EXハイヒールさえも使えます」
「そそ、それはまことか?それで『エリクサー』は必要ないとオークションに出したのじゃな!」
「そうかもしれません!死にかかった人間も彼の手にかかれば生き返りますから」
「わかった、彼の強さわ妾は護衛依頼でしかと確認しているので明日、王様に進言
しておこう。侯爵の件は彼の不快を買い騎士団が20人で襲ったのが原因で消されたが、私たちも消されない為には・・・と女王様に説明しておく」
「帰ったら、彼にランクアップを伝え、この国をベースにに活躍するように伝えてくれぬか」
「はい、かしこまりました」そう言って、スザンヌは公爵邸を辞した。
宿に戻り、2階の部屋に戻ると、サトルが居ないので心配になったが、気配が裏庭にいるのを感じ見ると、『誅戮剣』を必死に素振りをして居た。
その姿に全く隙がない、彼は毎日努力を怠らずあれだけ強いのにすごいなとスザンヌはサトルの真面目な一面をみていた。
スザンヌがシャワーを浴びて着替えているとサトルも上がって来て、シャワーを浴び二人でケーキとコーヒーを飲みながら、公爵との話を伝えた。
サトルはどこの国に行っても、女性が9割で男性が1割で、女性が強く男性が弱いのは変わらないのであれば、どこの国に行っても同じなので別にこの国をベースにするのは問題ないと言った。
「サトル、キタミに着いたらSランクカードに差し替えだな」
「それでも他の国に冒険に出てもかまわないだろ?」
「もちろんだ、ただし何か国に問題が生じて高ランクの冒険者が必要になるときは
『遠距離通話器』で呼ばれることを覚悟してくれ」
「ああ、それは全然も問題ない」
「明日キタミに向かって帰るからそろそろ寝るぞ」
「サトル、きょうも順番に触っていってくれ」
「スザンヌ、順番に触らなくても大丈夫だろう?」
「いや、時々不安になるのだ。まだ完全に自信がない」
そう言って、スザンヌは手をサトルの前に出した。
サトルはいつもの通り、腕を触ってあげる、次に首、首筋、うなじ、耳、耳たぶ
肩から胸と順番にスザンヌは恍惚な快感に包まれて行くが耐えている。
スラックスの上から、太ももに手が行く。
突然、サトルの唇をスザンヌの唇が襲ってくる。
結局合体して気絶してしまった。
スザンヌをベッドに寝かせて自分もその横に体を沈めた。
意識がないスザンヌの唇をなんども奪う。
スザンヌは意識がないが体が反応してサトルを強く抱きしめてくる。
完全に大丈夫なようだ!
サトルも明日キタミに向けて出発するのでスザンヌのそばで意識を投げ出した。
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