第8話 護衛依頼達成
王都で1日あいた時間を使って王都内にあるダンジョンを踏破したサトルは翌朝も大剣『誅戮剣』で素振りをしてから食堂に降りて食事をさっさとして御者台に乗って皆を待った。
「サトル、お前王都のダンジョンを踏破したんだって?」とキャシーが聞いてきた。
「誰から聞いたんだ?随分早い情報だな」
「王都中の噂になって居るぞ!公爵様の護衛依頼で来てる新人冒険者が未踏破のダンジョンを踏破したって」
キャシーは油断してついサトルの肩をポンと叩いてしまった!
「あぁ〜ん、い〜ぃー」と言って気絶してしまった。
しかもサトルの膝に倒れたのだから大変だ!何度、何度もいってしまう。
慌てて、サトルは御者台から降りて公爵達が来る前に起こそうと、冷たい水で冷やしたタオルを彼女の頭につけて『気』を流す。しかし、今回は触れていた時間が長過ぎた。
結局ローランと変わりキャシーを中で寝かす事にした。
公爵の馬車が来たのでサトルが手網を握る事になった。
サトルは初めて手網を握ったが何とか誤魔化しながらも休憩地迄来た。
キャシーがやっと意識を戻し、顔を赤らめて御者台に来てローランと代わった。
その後は何事も無く順調に進み、3日目に無事キタミに戻ってきた。
騎士団長から護衛依頼完了のサインを貰いギルドに提出した。
ケーシーはサトルを呼んで、ランクアップしたのでカードをAランクのゴールドカードに差し替えると言い、更にギルドマスターの所に行く様に言われた。
サトルは2階に上がりスザンヌと久しぶりに会った。
スザンヌが「お疲れ様、黒龍を倒したりダンジョンを踏破したり、随分活躍したそうじゃないか?」
「何だか貴女の手のひらで動かされていた様だけどな!」
「さあ、約束だ、私の手を握ってくれ」
サトルはスザンヌの手を握ったがスザンヌは平気な顔をしている。
強く握って持っても大丈夫だ!
今度は首筋を優しく撫でた!
一瞬でいってしまい気絶してしまった。
暫くソファで気絶してしまったスザンヌは目が覚めて、優しく見つめるサトルを見て、悲しそうに、「まだ駄目か!でも手は克服したぞ」と呟いた。
「頑張ったが未だ未だだな」
「明日も頼む」
サトルは苦笑いして階下に降りて行った。
サトルは未だ『行かせスキル』を最小にしてしか解放していないのだ。
全開だと恐らくスザンヌでさえ即死するだろう・・・。
サトルは掲示板のクエストを見に行ってみる。
リザードマンジェネラルの3匹、アースドラゴン2匹の討伐依頼を剥がしてケーシーに出した。
「あら、サトルちゃんもう討伐依頼受けるの?少し休んだら」
「特にやる事無いから少しでも頑張ってスキルを上げるよ」
「男なのに素敵だわァ!」
"そこは違うでしょう!さすが男だ、かっこいい、でしょう"とひとり呟いてぶつぶつ不満そうに口ごもった。
サトルは場所を確認して直ぐに【身体強化】を掛けて、リザードマンジェネラルが居る、野原に身を隠して【サーチ】を掛けると50メートル右前方に3匹居る。
サトルの【サーチ】の力も制限を超えて今は距離、対象の種類、全て手に取るようにわかってしまう。
【インビジブルハンド】で1匹、2匹、と意識を奪い3匹目はデカパイを思いっきり掴んだら即死してしまった。
最初の2匹の首を切って放血して、【次元ストレージ】に回収して、次のアースドラゴンのいる場所に【マッピング】と【転移】を併用してすぐそばに【転移】した。
アースドラゴンは『鬼切丸』で2匹を瞬殺して血抜き後【次元ストレージ】に回収して、ギルドの素材置き場に5匹を納品した。
ケーシーの所に持って行くと「サトルちゃん、もう終わって来たの?やだわァ!いくらなんでも早すぎよ」と呆れられてしまった。
「リザードマンジェネラル3匹で銀貨120枚、アースドラゴンで金貨4枚よ」と言われ、カードに入金して貰った。
いつもの定食屋に行き、昼飯を頼む。
何故か今日もファングボアの肉が周りと比べて異常に多い。
エルザがサトルをチラッと見てはにかんでいた!
定食屋を出て、宿に戻って昼寝をして身体を休めた。
【ヒール】で癒すのとは違った意味で矢張り寝ると心身ともに休まり起きると体力が漲っている。
夕食の時間迄寝ていたサトルは階下に降りて早めの夕食を食べた。
そのあと未だギルドと宿辺りしか知らないサトルは時間も有るので街を散策する事にした。
ギルドと反対側に行くと、宿のすぐ隣の隣が武器屋さんだと初めて知る。
チラッと覗くと100%女の冒険者しか居ない。
その隣が魔道具屋でここも女性客が3名居るが、男は皆無だ。
少し行くと喫茶店が有り、喉も乾いたので紅茶でも頼もうと店に入った。
ここも殆どが女の客だがひとりだけ男性の客というか荷物持ちが冒険者の女のそばに立っていた。
「いらっしゃい」
サトルは空いている席に座ろうとしたら、店員が「悪いけど荷物持ちは座れないよ!」と言うので、冒険者のカードを見せて座った。
「この街は荷物持ちは座れないのか?」と女の店員に聞くと、「この街だけでなく荷物持ちはそのパーティの側に立つのがここの国の決まりだよ」
「そんな事も知らないのかい?」
「そうかい、俺はこの国のもんじゃ無いのでな、紅茶をくれ」とサトルはわざとぞんざいに答えた。
近くに居た冒険者の女がそれを聞いて立ち上がってサトルに近づいて来た。
「気に入らねぇな、兄ちゃん、男は弱いんだから、もっと下手に出なければいけないな!」
「お前見たいな弱い女に言われたくねぇな、さっさと消えろ」
「何だぁ、貴様FかEランクの冒険者になれたからって、Cランクの私に舐めた口聞いて、ただじゃすまないよ!」
「うるさいなぁ!ランクがなんぼかなんて関係ねぇよ、煩いから消えろ」
「俺は静かにお茶を飲みたいだけだ!」
「貴様ぁ、」と言って彼女が剣を抜いて斬りかかって来た。
一瞬で裏をとり手刀で意識を奪い、「お姉さん、紅茶まだぁー」と言うサトル。
倒された女の仲間3人が剣を抜いて斬りかかって来るも、皆が皆、倒されて、道路に蹴飛ばされてしまった!
ギルドにも近い喫茶店という事も有り、ギルド職員がやって来た。
「なんの騒ぎだ?4人も剣をもったまま、気絶させられて」と店の中に入ってきた。
中ではサトルが紅茶を美味しそうに飲んでいる。
「何だサトル君かぁ!君か?アイツラをやったのは?」
「俺は紅茶を頼んだだけだが、あいつらが口の利き方が悪いといきなり剣を抜いて斬りかかって来たから、殺しても正当防衛だがこの国では男は女に黙って切られろ、なんていわれるかもしれないから気絶させただけだ」
「男でも女より強い奴が居るって、ちゃんと教育しとけよな、二度目は無いと思えと、さも無いと消すぞ!」
職員の女は周りの客に事情を聞いてサトルに非が無いのを知って、女達に喝を入れて意識を戻した。
「お前達、一週間でAランクになった奴を相手に何やっているんだ?王都の騎士団長も倒した男だぞ!」
「ええ?それじゃ、アイツが噂のサトルとか云う男ですか?」
彼女達は職員に促されてサトルに頭を下げてお茶代を払い、逃げるようにどこかに行った。
女のギルド職員はサトルに余り事を起こさないでくださいと言ってギルドに戻って行った。
サトルも少し大人げなかったなと反省していた。
しかしこの世界は理不尽だと反省しながらも、腹がたっていた。
サトルはお代を払って宿に戻った。
サトルはもう少し暇な時は街を歩かないときょうみたいにお店では男は座ってはいけないなど理不尽な規則が有るのは中々分からない。
自分の力で何処まで変えられるのだろう?女王様に会った時も、いきなり荷物持ち扱いだったし、強い男を探さないとだめなのだろうか?などと考えながらベットで意識を手放した。
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