源義経の事件簿10 戦国時代にレッツゴー

鷹山トシキ

第1話 

 2013年11月1日

 4人の人格を抱える殺人鬼シノダマヤはある4人の人間に復讐するために安土桃山時代の四条の橋(現代の四条大橋)近くにあるえんま堂にやってきた。

 4人は虚ろ舟を強奪することに成功した。

 1日はマヤが死んだ日だ。4人のティーンエイジャー達は、1人ずつマヤに殺されていった。

 マヤはスパイがよく使うフリスクナイフ(全長18.5㎝、脇の下に隠しやすい)で代官山サトシ、飯島隆太、神田隆也、萩原憲一を次々に刺した。

 

 4人の仲間であるアラキムネタカは身の危険を感じ、仲間たちとともに真犯人を探すことにした。


 11月3日

 バックパッカーである義経と静御前は、前田結衣の案内で京都旅行を楽しんでいたが、車のトラブルにより蹴上で足止めを喰らってしまった。そこへ佐々木鉄二という男が彼女たちのところへ来て、車をけん引してくれた。


 2012年10月

 医者を目指す代官山、何の希望もない飯島、金持ちの息子の神田、食うことだけが楽しみの萩原の少年4人は精神異常者による女子高生、小町通りでの九条奈緒メッタ刺し通り魔事件現場に居合わせたことで知り合う。ある日神田は彼女連れのパーティーを計画するものの、飯島と代官山はいつまでたっても彼女が出来ずにイライラがつのり、代官山は彼女を作り幸せな青春を手に入れかけるも、由比ヶ浜で2人を狙ったモンスター達に襲撃されて傷を負い、彼女、結衣は顔に怪我を負った。


 少年4人の怒りが煮え立つ状況下、神田が猟銃を持ち出したことから彼らは由比ヶ浜に巣食うモンスターへの復讐を計画。アジトに殴り込んだ4人は猟銃でモンスター達を脅すが、代官山が誤ってモンスターみたいな奴を射殺してしまった。スパイのシノダマヤは事故で顔面をグチャグチャにされてしまった。様々な侮辱に耐えながらも必死で生きてきたが不運な最後だった。


 舞台は2013年11月10日

 この日は広島県知事選挙で、現職の湯崎英彦が再選。

 JR北海道、青函トンネル開通以来続けていた、青森県の海峡線竜飛海底駅の一般見学者向け公開および同駅での乗降扱いを終了。

 謎の女、お市のもとに、徳川家康、豊臣秀吉はじめとする5人の男たちが集まった。依頼は、ある男から銀色のケースを奪うこと。準備段階の武器調達で未熟さをあらわにした明智光秀はクビになり、残った4人は京都で襲撃の綿密な計画を練る。そして決行。ケースの奪取には成功するが、電子機器担当の真田幸村が突如として裏切り、銀色のケースを奪い去る。家康と秀吉は幕末の尾張徳川屋敷で、ケースを別の勢力へ売り飛ばそうとしていた真田幸村を追いつめるが、すんでのところでお市と義経らに拉致され、ドライバーの沖田総司の首を義経はロープで絞めてきた。

「俺、1回死んでるんだよ、だからどんなに頑張っても殺せねーよ、ヘヘヘッ😁」

「そーいや、飯島に似てるな」

 明智は驚愕した。明智の正体は萩原憲一だ。

 だが、義経は飯島の亡霊を軽々と殺した。

 

 雇い主に切り捨てられ、腹に銃弾を受けて治療を余儀なくされた家康は阿波蜂須賀屋敷で傷を癒すと、真相とケースを求めて再び2013年の京都に向かう。ケースの中身はモンスターに効き目のあるアンプルだ。さらに家康の正体はアラキムネタカだったのだ。


 京都の沖田高校に赴任してきた社会化教師・藤原は、ナナハンで学校のグランドに乗り付けて驚いて出てきた生徒たちに赴任の挨拶をしてしまうという型破りな男である。しかも校舎から顔を出している校長をはじめとする同僚教師たちに次々と渾名をつけてしまう始末。また劣等生揃いで廃部寸前の弓道部の部長を自ら名乗り出て引き受ける。持ち前のバイタリティで鬱屈した雰囲気だった学校を明るくさせていく姿に同僚の女教師、荒木菜那はキュンキュンした。

 藤原は仙道を殺した日のことを思い出した。

 藤原は不思議な二つの刀を持っていた。鯖と鯵という刀、鯖は怪物に、鰺は悪人に効果がある。鯵で悪人を斬ってからでないと、鯖は効力を発揮しない。

 

 武蔵坊慶太はカーレーサーになっていた。

 渡米して二年、慶太とそのチームは数々のレースに参戦した後、アメリカでの活動を中止し一時帰国した慶太は本当は好意を抱いていた静御前を「もう隠さなくてもいいよ、恵子。君はお市に変装していたよね?」と、ビックリさせた。慶太は秀吉に変装することができたのだ。

 

 ラリー競技の最高峰、世界ラリー選手権 (WRC) を目指す若き天才ドライバー・慶太は、同じ『パーフェクトドリーマー』に所属する源義経の助言を無視し、彼と衝突を繰り返す日々を過ごしていた。そんな中、義経の新しいマネジメント担当として前田結衣がやって来る。そこで結衣を待っていたのは、慶太と義経の確執の原因となった過去と、チーム全体を巻き込む危機だった。


 放浪中の少年、義経は安土桃山時代の勘解由小路で豊臣秀吉のサイフを掏ったが気付かれて捕らえられそうになるが、咄嗟に人ごみの中でぶつかった大柄な男のポケットに盗んだサイフを入れて窮地を脱し、まりの宮に逃げ込んだ。⛩

「戦国時代の人間が財布を持ってるなんておかしい」

 義経は渉でもあるから現代のことも知ってる。

 その後、サイフを取り戻すために男を追った義経だったが、真田たちにつけられており、サイフを預けた男とともに再び窮地に陥る。しかし男は徳川を素手で簡単に叩きのめしてのけた。

 その強さに感動した義経は、男の使った技を学ぶために後をつけ回すようになる。その男の名は佐々木鉄二といった。


 鉄二が戦国の京都にやってきたのは、藤原秀衡に挑戦するためであった。秀衡は平安時代の人物だが、藤原刑事に憑依して虚ろ舟に乗り込み戦国時代に来ていた。

 場所は道場ではなく雑木林の中、禁じ手もなく、ただどちらかが動けなくなるまで戦うという真剣勝負。激戦の中、藤原が股間を狙って放った踵蹴りをすんでのところで躱した鉄二は、からくも勝利を収めた。


 姉川の戦いの直前、義経は法住寺池の近くにシノダマヤを追い詰めた。倒そうと思ったがマヤは水掻きを出現させ池の中へと消えていった。

 義経はカエルの飛び込む池を呆然と眺めていた。

 🐸

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

源義経の事件簿10 戦国時代にレッツゴー 鷹山トシキ @1982

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る