【企画メモ】ゴミ箱世界に月光差す

にゅーとろん

概要

■コンセプト

 「エターなった(制作凍結した)」誰かの作品を第三者が勝手に発掘しその結末を求めてデータを改変しながら進んでいく作品。

 データの欠落や未調整ゆえにクリア不能となっている作中ゲームのデータを改竄しクリアしていき、その中にある「本来想定されていたゲームシナリオ」を集めていくゲーム。

 また、『エタ作品を抱え自己嫌悪する作者』『無邪気に物語の続きを要求する、一時の娯楽のために他人の作品をいじくりまわすユーザー』等へ対するブラックな風刺作品の側面もある。



■冒頭テキスト抜粋

 《永久凍結作品エターナル》の海の底。俺は、蒼い月を見た。


 それは小さく儚い物語セカイの欠片。

 『大切な誰か』を失った二匹のウサギが満月の昇る谷に向かい、蒼い月に願いをかける話。


 最後は願いを叶えるための生贄として、ウサギの片割れが谷底にその身を投げる。そんな小さな悲劇の物語。


 箱庭ファイルの構造から察するに、これは序章であり、この後に何章か続く物語だったらしいが、「その先」が紡がれる気配も痕跡も無く。


 世に出るうまれる前に命の尽きた作品。どこにでもある、水底に沈む哀れな化石の一つに過ぎない。


 ただ。その小さな骸にこめられた蒼い月への狂信と切願になぜだか強く興味を惹かれて。

 気付けば、月へ手を伸ばしていた。


・・・


 永遠と錯覚しそうなくらいの長い長い落下時間は、さながら不思議の国への道行きだ。もっとも、この世界の白ウサギは住処に帰り着くでもなく死んでしまったようだが。

 あのウサギたちは、その造物主は。一体どうなってしまったのだろう。――どう在りたかったのだろうか。

 もしも叶うのならば。誰も知らないその「結末」をこの目で見届けてみたいものだ――。

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