第4話



テスト週間は過ぎ去り、12月初週の金曜日。



何故俺はテストが終わったばかりで、疲弊しきっているこの時期の、花の金曜日に、わざわざよそ様に気を使って頭をヘコヘコ下げなくてはならんのか!。

まずこれが判らない。


そんな事を思いながら、父親運転のセダンがホテルの駐車場に止まった。

高そうなホテルのレストランに、俺と父さんは来ていた。

俺はもちろん学ランで、父さんは普段使いしていないちょっと派手なスーツを着ている。


「いいか余計な事はするなよ……お前は勉強ができる馬鹿なんだから」


――――と父が念押しする。


「ヘイヘイ。今年のお得用課金で手を打とう……」


俺はヒラヒラと手を振って、拒否される確率の高い交換条件を提示した。


「分かったから、話しかけられたら答える品のいい年頃の男に 擬態しろ」


予想外だ。一年間のお得用課金占めて5万を取ってでも、俺に演技を要求するとはよほどお熱らしい。


「アイアイサー」


俺は、オンラインゲームで磨いたネカマ擬態能力を遺憾なく発揮するべく、役を降ろす……


カッ!!


俺は目を見開いた。


良し! 役が降ろせた。


ホテルのエレベーターを昇って、頂上付近のレストランに入った。


レストランの中は程々に混みあい、それでいながら客全体が余所行きな服装で、所謂 お外ご飯 を上品に頂くような場所、そんな中で俺の学ランと言うのは些か浮いているように感じる。

ボーイの案内で席に通されると、そこに居たのは父と同年代には見えないほどに若々しい女性だった。


「そちらが息子さんですか?」


女性が父に訪ねる。


「えぇ。愚息のマコトです。おいマコト挨拶しろ」


「誠です。中学三年で部活は入ってません」


「私は、成瀬静香なるみシズカ……貴方のお父様と、お付き合いさせていただいています」


この人なら問題ないだろう……と言うか父さんが浮いているぐらいだ。


「結婚したければ好きにしてください。父には多くの迷惑を掛けましたので、好きにさせてあげたいんです。だから俺の了解とかは関係ありません」


俺は自分の意見を素直に口にした。

少しぶっきら棒だったかな……参考にした作品の主人公は口数が少なかったのが災いした。


「そう言ってもらえるのはありがたいけど……急に姉と妹が出来るけどいいの? 年頃の男の子って女の子にツンケンしちゃうものでしょ?」


――――と少しズレた反応を返された。


うん。父さんが選んだ女性ヒトだ、やっぱりズレてる。


「お互い様ですよ。同年代の姉と妹が出来るんなら、お互い少しギクシャクするだけです。シズカさんこそ、俺みたいな虫が大事な娘さんに近づく事になりますがいいんですか?」


俺は言い返した。


「別にいいわよ。男親は娘を蝶よ花よと玉のように扱うけど、女親なんて娘に彼氏が出来たって嬉しいと思うぐらいよ……あ、避妊だけはしっかりねって言うけど……」


お、おう 結構キッツいスライダー投げてきますね……お義母さんって呼んでもいいですか? と返したくなったが、今日本来の目的を思い出して慎重な勇者ぐらい自嘲した。


「で、問題の娘さんには再婚予定の中年男に、年頃の息子がいるとは伝えているですか?」


「あれ、どうだったかしら……」


張っ倒すぞこのアマ!


俺にどうこう言う前に自分の娘に確認取れよ!!


と思ったがスキル自制心で感情を制御した。


「まぁでも今来るから少し待っててよ……3人とも美人だから……」


三人? てっきり姉妹と言うから二人だと思っていた。とんだミスリードだ。

俺は御手洗いに行くと言ってその場を逃げ出していた。


カツカツとヒールが鳴る音がする。

店の入り口から三人の女性が入店してきた。



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【あとがき】


 初めましての方も、前作から来ていただいた方も、先ずは読んでいただきありがとうございます。思いつきで書いた作品なので面白ければ応援してやってください。


 コンセプトはギャグ(パロディ)×ラブコメです。


 応援いただけるぜひ方は【作品フォロー】と【作者フォロー】の方をよろしくお願いします! 更新された時に通知が行くようになります。


 まだユーザー登録してないよと言う方はぜひこの機会に登録をしてみてはいかがでしょうか?


12月に新作を上げますのでそちらの方もお楽しみに……


作品フォローと★星を入れていただけますと嬉しいです!


つまらなけば星一つ★、面白ければ星三つ★★★


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そうぞ、よしくお願い致します。m(__)m


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