第22話 監禁生活(ジーク)
第七の条件で僕はマリマンネ様の別荘地へ来て地下室に監禁すると言うごっこをさせられることとなった。別荘には離れがありそこにはシモン様がいる。食事も作れるシモン様有能すぎる!
監禁生活は3日間だ。表向き僕の療養ということで家族には説明してグレゴールも置いてきた。
ここら辺の治安は良いし自然も多くのどかだからだ。
で、でも…こんな所に3日もマリアンネ様を閉じ込めて置くなんて…ごっことは言え大丈夫かな?病気になったりしたら僕のせいかな?
しかしグレゴールの為に僕はクリアしなければならない。今回も頑張って来いよ!と言われて背中を押され見送られた。
僕は監禁袋から鉄の枷を取り出した。ああ、僕が監禁されてた時の事を考えると心苦しい。
「えと…ベッドへ…」
と導き横にさせた。
とりあえず枷を手首に嵌めてベッドの端にある鉄の棒にカチリと嵌める際もボロベッドからギシギシ音がする!
「何をするの?やめて!」
と演技するマリアンネ様に
「うう、うるさい!さ、騒いだって誰も助けに来ないぞ!」
と言う。マリアンネ様は目に黒い布を巻き枷を嵌められ身悶えた。
その姿に僕は赤くなる。
というか…な、何この気持ち!?
犯人側ってこんな…こんな…興奮しちゃうの!!?
ひっ!?ぼ、僕は変態になっちゃったの!?と葛藤する。しかしグレゴールの為と言い聞かせる。3日耐え抜けばいいのだから!
「うっうっ、酷いわ!うちに返して!」
と泣き真似するマリマンネ様。返してあげたい。
とりあえず僕はソファーに座り…本を手に取る。その本が監禁恋愛小説もので思わずブッと吹き出す!
あんなことやこんなことをされちゃってる内容だった。うううう!は、恥ずかしいよ!
マリアンネ様はそのうちすることがなくなり寝入ってしまったから僕は片隅に置いてある毛布を取り出して掛けてあげた。風邪を引くと大変だもの。黒い布も取ってあげて初めて寝顔を眺めたが…
う、うう美しい!!謎のキラキラエフェクトが周りに見えるようだ。
僕はボーっとした。僕やはりマリマンネ様の事が好きみたい…どうしよう!で、でも諦めなきゃ!グレゴールの為、友情の為…。でもでも!こんなの見たらドキドキしちゃうよ!
そっとバレないように銀の髪に触ってみた。サラサラだ。綺麗。うっとりする。
僕はハッとして離してソファーに戻ると地図を見た。別荘の内部地図にはトイレの場所やお風呂の場所もある。
流石にマリマンネ様には入ってもらわないとね。3日も入らせないとか可哀想過ぎるし。
ああ、使用人さんがいないから僕がお風呂のお湯を沸かさないと!それから食事も離れに取りに行かないと。
とりあえずお風呂場を確認しに僕は地下室から出て向かった。きちんとここは綺麗な脱衣所とお風呂だ。
脱衣所に着替えが置いてある。僕の分もあった。マリアンネ様のも…。寝巻きだけど!!
後下着も置いてある!!
わっ!じっくり見ちゃだめだ!!と仕舞い慌ててバスルームを出る。
湯上がりのマリマンネ様をつい想像してしまい僕は自分の息子さんがやばくなってるのに気付いて赤くなる!!
「ひいっ!!」
こんなのマリアンネ様に見られたら変態だと思われちゃう!布を外すんじゃなかった!!と後悔!とりあえず僕は落ち着くまで無心で上で過ごした。
結局夕方になりお風呂の準備でお湯を張った後に離れに向かい戸を叩いたらシモン様が出てきて
「お疲れ様でございます。お食事の用意できておりますのでこちらをお持ちくださいね!」
とトレーに入れた食事を渡された。僕の分もあるから途中までワゴンで運ぶ。
僕はマリアンネ様に食事を運ぶと重い地下室の扉を開けたらマリアンネ様は怯えた顔をして起きてた。
「よよ、よく眠れたみたいだね。ほほ、ほら食事だよ!感謝するんだね!」
と言いベッドの側に行く。あ、枷を外す?するとマリマンネ様はこそっと
『ジークフリート様…こう言う時はとりあえず起こして食べさせてくれないと!』
と言われ慌てて起こしてあげる。その際に柔らかな肩やらを触り内心ひいいいい!!と思う。なんかマリマンネ様からやっぱり良い匂いするし!!
とりあえずパンを千切り口に入れるとマリマンネ様が僕の指ごと入れてドキっとしたけどカプと痛くない力で少し噛んだ!!ふあああ!
「なっなっ、何を…い、いや、ちゃんとおお大人しく食べないと死んじゃうことになるよ!!」
と言うとそれからは大人しく食べる。僕はマリアンネ様の身体を支えながら片手で口に食べ物を運んだ。ツヤツヤのプルプルの唇が当たる度に心臓が飛び出そう!
ようやく食べ終わると僕はガチャと枷を外し後ろにロープを巻いて地下室からお風呂場に連れて行く。
「ええと、ちゃんとお風呂に入るように!あ、着替えはそこだ!」
と説明してバタンと閉めておく。
とりあえずマリマンネ様が入浴中僕は自分の食事をして離れに食器を返しに行く。シモン様がまた
「お疲れ様ですー!お嬢様とはもう一線…」
「こここ超えてませんからあ!!」
と赤くなり走ってまた戻った。
マリマンネ様が丁度お風呂から出てきた。薄そうな可愛らしいネグリジェを着ていてこれまたドキドキする。目元は黒い布だけど。髪は湿っていて月明かりでキラキラして美しい!女神か!
再び地下室へと連れて行き再びギシギシしながらも枷を嵌めて離れた。
「良い加減にしてよ!人をこんなとこに縛り付けて!何が目的なのよ!」
ええ!?えーと…条件だし?と思ったけど僕は犯人役だし…
「うう、うるさい!さっさと寝るんだ!」
寝不足になられても困るしな。するとマリマンネ様はまた小声で
『ジークフリート様!こう言う時はきちんと脅して貰わないと!道具袋にナイフがありますからそれで私を脅すのです!頰や首に当てたり寝巻きを少しちぎったり』
と言われえええ!?と思う。
しかしご命令だしとりあえず道具箱からナイフを見つけ怪我しないよう慎重に取り扱う。
白い頬に当ててひたひたと
「言うことを聞かないと痛い目に遭うぞ!?」
と言うとビクッとマリアンネ様が怯えるフリをした。相変わらず完璧な演技だ。
首筋にも当てていく。ちゃんと切れないようにしないと。次は寝巻きを千切る……
えっ!?寝巻きのどこを千切るの!!?ど、どどうしよう?
おろおろしているとマリマンネ様はまた助言をした。
『何をしているのです?犯人ならとりあえず胸元の布を少し切りますわ!早く!』
と言われええええむ、むな!胸元の布をーーーー!!?
内心パニックになりつつも仕方なくちょっとだけ肌に当たらないよう千切ると…美しい胸の谷間が見えて
「ぎゃっ!!」
とナイフを落とし、慌てて毛布で隠して
「くっ、さ、さっさと寝ろおおお!」
と僕はもう一つ毛布を持ち慌てて地下室から出て上にあったソファーに転がってバタバタ見苦しく身悶えた。ダメだ、免疫が無さすぎる!
あああ、後2日!耐えなきゃ!
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