第2話 転生者ですって!?でも信じます
私は婚約破棄という言葉に石になりかけた。どういうことなの?嫌われた?いや、この怯えようからして嫌われているのは確実じゃない!わかってたでしょ!?マリアンネ!
しっかりして!取り乱したところを見せてはダメ!
私はキッとするとジークフリート様は涙目で
「ひっ!」
と怖がる。サラサラの黒髪から除く青目が潤んでとても可愛らしい。抱きついてなでなでしてあげたいですわ!
「何故ですか?私何かしまして?貴方よくそんな事が言えたものね!?ご自分の立場を自覚しているのかしら?いくら6人兄弟の末に生まれたからって甘やかされて育ったから何でも聞いて貰えると思ってないかしら?
私に姉妹兄弟がいない事を馬鹿にしてらっしゃるの?」
と言うと
「ひええええ!そっ!そんなことは決して!!決してございません!」
「では婚約破棄など口にしないことね!」
それで終わらせようとしたらジークフリート様は
「ま、待ってください!理由を説明させてください!」
と言う。ええ!?ジークフリート様が初めて私を引き留めてくれたわ!嬉しい!
私は心とは裏腹に腕を組み
「理由ですって?何の?」
と偉そうにベンチに座り足を組み直した。
ジークフリート様は立ったまま震えつつも勇気を出して
「あ、あの…とんでもない話だと思うのですが…じ、実はっ!僕…てて転生者なんですぅ!!」
と言う。転生者?何それ?どう言うこと?ポカンとしてると
「あの…僕はこの世界とは違う世界からの生まれ変わりで…幼少期はとても戸惑いました。お金持ちの家に生まれて前世は庶民だったし…。こっちの世界に慣れなくて…。不便なことも多かったけど…
びっくりしたのがマリアンネ様と婚約したことで!とても僕には釣り合わないと…辞退させて頂こうと思っていたけど中々勇気が出なくてズルズルと今日まできてしまいました!!ごめんなさい!!
今から婚約破棄しておけばマリアンネ様も僕よりも良いお方を見つけられるかと思いまして!!」
とジークフリート様は今まで言えなかったことをやっと言いベラベラ喋った!!
うそ…。こんなに話せる人でしたの!…
転生者。たまにそう言う前世の記憶持ちがいるという話は聞いたことがある。何億人かに一人の割合でいるにはいるらしい。別の世界からの転生者というのはかなり珍しい事例だから研究者に捕まったら大変だ。
しかしそれ以外の内容の方がとんでもなかった。結局は婚約破棄してくれと言う内容なのだから。そんなの嫌だ!
離すものか!!
「理由があまりにもチンケですわね!!転生者ですって?与太話も大概にしてくださいませ!そんな事を信じる程私は馬鹿ではありませんのよ?
そんなこと誰かにベラベラと喋るものではありませんわよ?私だからいいものの、研究学者に捕まったら脳の奥まで改造されてしまいますわよ!?
それに貴方…私と婚約破棄して私に…恥をかかせるつもりですの!?それが目的なんですわね!?」
と言ってやるとビクビクとしてジークフリート様は首を振る。
「そそそ、そんな!恥だなんてつもりは!釣り合わないと思って…」
と言うジークフリート様に私は
「はぁ!?それならばこの私に釣り合う様な方にならない貴方が悪いのではないですか!?」
「えっ!?」
「努力もしないでよくのうのうと生きてこれましたわね!!いいですか!?よく聞きなさい!私と婚約破棄など許しませんわ!
どうしてもと言うならば!私の言う事を叶えてもらう必要がありますわ!!そうね10個程かしら!」
と言うと
「えっ!?10個!?多っ!い、いえなんでもないです」
と私の目を見て逸らすジークフリート様。やはり…この悪魔の様な燃える目が怖いのだろう。男性は皆この目で怯えてしまうのだ。いくら私が美人でも。
「そ、その10個の願いを叶えて差し上げたら…マリアンネ様と僕は婚約破棄できるのでしょうか!?」
と言う。なっ!叶える気か!?そ、そんなに私と婚約破棄したいだなんて!酷い!ショックだわ!!
く、くうああ!絶対にクリアできない無理難題の願いを言ってやるんだからね!!
「そうね。内容は後日リストを作り渡しますのでしばらくお待ちくださるかしら!?」
と睨むと
「はっはい!マリアンネ様のためにも頑張ってどんな無理難題を言われても叶えて見せます!!」
となんかいい笑顔で笑ってくる!!
本来なら惚れて腰砕けになりそうな破壊力の笑顔だが。私との婚約破棄の為にあの笑顔になっていると知りなんとも切ない、やるせない!!
ジークフリート様は頭を下げると自分の護衛騎士であり友人のグレゴール・ヨーゼフ・アタライの所に走っていく。グレゴールはチラリと私を見た。悪魔令嬢から主人を守っているのつもりなのか!?忌々しい護衛騎士め!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます