婚約破棄してほしいならこちらの願いを叶えてください
黒月白華
第1話 婚約破棄してほしいですって!?
私はマリアンネ・シュルツェ・カウン公爵家令嬢でカウン家の一人娘だ。お母様が体が弱く子供を私しか作れなかったので将来カウン家に私の旦那様となる婿養子を入れ家を継いでいかなければならない。
公爵家と言う身分の高い家格であるが、私は銀髪に赤目と言う美人なのだが…この赤目がまるで悪魔の様だと噂されている。
しかも私の性格はプライドが高く男性からしたら恐らく苦手とされるだろう。舐められないように躾けられただけなんだけどね。
そんな私にも幼い頃から婚約者がいた。パーティーで適当に紹介されて侯爵家の末っ子の黒髪青目の美少年…ジークフリート・ダーヴィト・シュトローマー様と出会った。
出会った瞬間電撃が身体を走ったような感覚がした!…そう…私は…ジークフリート様に一目惚れした。
しかし私は公爵家令嬢としての威厳を保つ為にこの恋心隠さねばならない!
恥ずかしい真似などしてはならない!
プライドが許さない!私の方が異性に惚れるなんて!
向こうが惚れないと意味がない!
そうよ!ジークフリート様が私にメロメロになってくださらないといけないの!!
というプライドが邪魔して現在17になるがジークフリート様は中々私に靡かない。いつもおどおどして何となく私を怖がっている。
当たり前だ。私は公爵家の娘でありその辺の小娘みたいに甘える事など一切しないのだ!!
だからジークフリート様からデートに誘われたことも無ければ手を繋いだこともない!!
口説かれたこともない!たまに目線を逸らされる!
そしてある日…
学園生活2年目にしてとうとう私はジークフリート様に放課後人気のない所に呼び出された!!内心ウキウキでやっとデートにさそってくれるのかしら?と考えていた。
「何の用かしら?私暇ではありませんのよ?ジークフリート様。婚約者だから話してあげますけどね。さっさと用件を言いなさい」
と上から目線で言ってしまう。あーん、本当は可愛くしたいのに無理いいい!
ジークフリート様は
「すすす、すみません!!お時間を取らせる様なことをしてしまい!!大変申し訳ありません!」
と謝る!全然怒ってないのに!いや、怒ってる様に見えるわよね…。
「それで?なんなの?」
と言うとジークフリート様は言った。
「あ、あの…その…僕と…」
デートね!ついにデートに誘ってくださるのね!!きゃー!
と思っていたら意外な言葉が返ってきた。
「………あの…僕と…婚約破棄してください!!」
と目を瞑りビクビクしながらジークフリート様が言った。
私は石になりかけた。
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