第20話 俳優を目指す (1982年8月)
1982年、小学3年の夏休み僕は相変わらず顔出しNGで芸能活動している。
今は歌手をしていて主にレコード、カセットテープで売り出している。
ピアノのレッスンの先生は某有名作曲家であり、前世で崇拝していた方の1人だ。
先生の作詞、作曲した楽曲は売れて僕も歌わせてもらっている。
「三花ちゃん、そろそろ顔出ししないかい?事務所としても歌手だけではなく俳優としても売り出したいんだよ。」
芸能事務所の社長と先生、マネージャーがお願いに来る。
「私はまだ顔出しする気はありませんが・・・。」
「そこをなんとか頼むよ。学業とはちゃんと両立する様に配慮するからさ。」
「申し訳ありませんが親と相談したいと思います。しばらく保留にして頂けませんでしょうか?」
「よりよい返答を待ってるよ。」
「三花ちゃんは歌もうまいし、可愛いから顔出ししてもすぐに人気が出るよ。」
「では、歌手の『みかん』と言うのを伏せればいいんじゃないかい?そうすれば無名の1俳優として活動出来るよ。」
あの手この手で僕になんとか俳優としての活動を提案してくる。
「ですからまた後日に返事を致しますので・・・。」
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両親にこの話をしたら『そろそろ顔出ししてもいいんじゃないのかい?』という話になり、
後日承諾の返答をした。
その際、芸名『みかん』で売れっ子歌手である事を公表して1俳優として活動する事にした。
「ありがとう三花ちゃん。全面的に後押しするから安心してね。まずは演劇の練習しないといけないね。」
「ありがとうございます。精一杯頑張りたいと思います。今後共よろしくお願い致します。」
さっそく事務所の演劇部門のブースに案内された。
ブースの中を見回すとTVで観た事のある芸能人の方々がいた。
「先輩方よろしくお願いします。」
ぺこりとお辞儀をする。
一瞬皆練習を止めこちらに注目してきた。
「話は聞いてるわ。あなたが『みかん』ちゃんね。こちらもよろしくね。」
演劇のコーチが代表して話しかけてきた。
「ではさっそくだけど、あなたの演技は幼稚園時代の発表会のビデオを観させていただいたわ。
あれから数年経過したけど今現在のレベルを知りたいわ。」
台本を渡されワンシーンを指示され簡易的に演技をした。
「基本は出来ていますね。より一層精進してください。」
「ありがとうございます。」
「では皆さん、練習の続きをしてください。」
「「「「「はい!」」」」」
「では、みかんさんも参加してください。」
「はい。」
別の台本を渡され飛び入り参加という形だが練習の輪に入り先輩方の動きや発声等研究した。
ひとまず夏休みの期間は歌や演技の練習をして過ごした。
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