第16話 初詣 (1978年1月上旬)

 クリスマスパーティーから約1週間後、僕達鏡原家ははつもうでに来ていた。


居並ぶ人、人、人、とにかく三花ちゃん目線では前の参拝客の腰辺りしか見えず、


すごい行列をなしていて僕はげんなりしていた。


視線を向けると兄達も同じで暇そうにしていた。


今日の衣装は着物で朝早くから準備に追われていたのを思い出す。


 「ねえ、お父さん、まだ~?」兄が僕の聞きたい事を代弁してくれた。


 「もうしばらく待ちなさい。」「は~い。」


快晴で絶好な参拝日よりの天気だ。


どこからともなく的屋からのいい匂いが風に乗り漂ってきて小腹をくすぐられる。


 しばらくすると順番が回ってきてお賽銭を投げてから2礼2拍手1礼をした。


『充分ご縁が有ります様に。』の願いを込めて115円を投じた。


 それが終わるとおみくじタイム。大吉が出ればいいな。


結果は中吉で残念な気持ちになったけど、文面にはいい事が書かれていたので一安心した。


僕はおみくじを持ち帰り、後からゆっくり見ようと思いお父様に預けて的屋さんに向かった。


 とうもろこし、焼きそば、わたあめ、お面、りんご飴、その他もろもろの露店が並び美味しそうな匂い


を漂わせていて目を楽しませてくれた。


 初詣が終わり帰宅してから着物から普段着に着替えて、こたつに入りみかんを食べながらTV鑑賞した。

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