第3話木曜日

その日は朝から雨であった。

1年2組の生徒だけ体育館に集まり、他のクラスは午前中の授業で帰宅させられた。部活も中止。

村正高の周りには自衛隊が取り囲み、出入りを厳しく取り締まった。

寺前と宮部以外の教師は全て学校を後にした。

寺前純子は女性であること、殺しに自信がないためパートナーとして宮部を選択した。

これは、国の救済措置である。

体育館に残る男子生徒は、笑いながら話したり、バスケットを始めたり緊張感が全くなかった。

そこへ、寺前と宮部が現れ生徒に告げた。


「これから、皆を殺します。24時間以内に全員を殺します。生き残った生徒はこの出来事の語り部として生きることになります」

と、寺前が言うと、

「バカじゃねぇの?殺されるなら、先生をレイプしてやるからな」

周りはキャハハハと笑った。

「田辺君、そんなバカな事言わないで、早く逃げなさい」

「バーカ」


パンッ!


乾いた銃声が体育館内に響いた。

寺前は無表情で、田辺の頭を拳銃で撃った。

田辺は全身を痙攣させ、倒れた。

「さっ、皆、30分時間をあげる。逃げなさい!校外は出ちゃダメよ。自衛隊の人に撃たれちゃうから。はいっ、スタート」

生徒は、悲鳴を上げながら体育館を走って逃げた。

「寺前先生、やれば出来るじゃない」

「私、足の震えが止まりません」

「先生、これからはニコイチで行動しましょう。生徒は必ず、我々を殺そうとします。あなたは、非力だから私があなたを護衛します」

「お願いします」

田辺の死体を見ると、目を見開いていた。

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