【スライムテイマー】の少女は……
クリストフ達が転移アイテムで転移してから数分後、先程光に包まれ消えたはずのルリが再び姿を現した。
そして、ルリは右腕だけをスライム特有のゲル状に変化させ、叶によって黒焦げにされた真那美の遺体を吸収する。
「ん。回収完了。ご主人。もう出てきても大丈夫」
ルリは誰もいないはずの場所にそう声を発する。すると……
『ん〜……後もうちょっとだけスライムちゃん達と戯れさせてぇ〜!』
ルリの頭に直接声が流れ込む。その声は先程クリストフに刺され、叶に燃やされたはずの真那美の声だった。
「もうそれはいつでも出来るでしょ。ご主人」
『ん〜……それもそっか!じゃあ!またすぐ後でね!皆!スライムBOX!!』
ルリの頭にそんな声が流れ込んできたすぐ後に、先程クリストフ達に殺されたはずの真那美が姿を現した。
「いやあぁ〜!作戦大成功ね!ルリ!」
「ん。ご主人」
実は、真那美はクリストフ達が自分の暗殺を目論んでいる事を、斥候用に解き放ったスライムがたまたま聞いていた為知っていたのである。
「よし!これで本当に私は晴れて自由の身!かねてより計画していた事に動き出すわよ!」
知った上で、真那美はあえて殺されたとクリストフ達に見せかける事で、自分の身の完全なる自由を確保したのである。
真那美にとって、魔王討伐は強制参加プラス自分の目的の一部分に合致していた為にパーティーに在籍していただけにすぎない。
彼女の目的はいつだってただ一つ。地位も名誉め金もイケメン男性達との逆ハーレムも彼女は全く必要としていない。彼女が1番必要としているのは……
「……さぁ!ここから始めるわよ!私とルリとスライムちゃん達による!珍しいスライム見つけ!いずれは私とルリとスライムちゃん達だけの楽園造りのスライムだらけの旅路を!!」
高橋 真那美が常に必要としているもの。それはスライムだ。
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