世界観・ストーリーやキャラクター

■世界観

●概要

 本作は「バタフライバース」というバース世界観を基礎にしている。

 食人体質である「蜘蛛」と、それに捕食される体質の「蝶」と「蛾」、蜘蛛に(寄生に等しい)托卵をすることで繁殖する「蜂」と呼ばれる体質の人種が存在している。


●舞台設定

 アトナキア帝国の王族や上級貴族は「蜘蛛」の体質を抱えた血統であり、「蝶」体質の人間を囲っては、祭事の際に喰らうことが常態化していた。

 現皇帝のオクトはその風習で大事な人を失っており、己の「蜂」という特異体質も利用して帝国(特に上級貴族)に復讐を画策している。

 ヒロイン・リアーナはそのために確保した駒の一つであり、悪役令嬢アラニアは公爵家の典型的上級貴族≒蜘蛛のため、復讐すべき相手の一人に過ぎない。


・籠の宮

皇帝の蝶姫(寵姫)を囲い入れる後宮。一応、蝶姫は皇帝の許可さえ下りれば男女関係無くなることができる。表向きの「皇帝の妃候補を囲う宮」という役割と「祭事用、あるいは完全な嗜好品として食われる蝶体質の人間の飼育」の両方兼ねている場所であり、蝶と蜘蛛の体質の者たちをを一つの環境に投げ込んでいるため、蜘蛛によるつまみ食い等、血腥い事件も時々起こる。




■キャラ概要

●悪役令嬢/アラニア

 典型的悪役令嬢造形の公爵令嬢。皇妃の最有力候補・筆頭蝶姫として籠の宮を取り仕切っている。才色兼備の気高い貴婦人。

 帝国の由緒正しい血統ゆえの「蜘蛛」体質であり、「蝶」を喰らうことに抵抗が無かった。(主人公の場合、進行次第ではそんな貴族の常識に疑問を抱くことも?)


●運命のヒロイン/リアーナ

 控えめで真の強い美少女、典型的乙女ゲヒロイン造形。

 「蝶」……に見せかけて食った蜘蛛を確実に殺す「蛾」の体質。そのため彼女を食おうと(体液を摂取)した蜘蛛を死なせてしまった経験があるが、その罪は兄がかぶっており、当人は己の体質について十分に把握していない。


●リアーナの兄/ローランド

 リアーナの兄、「蝶」体質の例に違わず眉目秀麗で蝶姫として籠の宮に召し上げられた。妹を守るために他者に対して攻撃的であり、また、妹に人(蜘蛛体質)殺しの罪の意識を与えないよう、自分こそが「蛾」であると誤認させようと動く節がある。


●皇帝/オクタウィウス(オクト)

 現皇帝。実は「蜂」体質だが、蜘蛛を演じきっている。

 上級貴族の宴で「蝶」だった大事な人を喰われており、その時から帝国の貴族社会≒蜘蛛たちへの復讐を画策している。


●宦官長/スイレン

 籠の宮の使用人たちの長である宦官長であり皇帝の親友である男。平民に生まれた蜘蛛体質の者であり、皇帝の復讐への共謀者。


●宦官長の息子/マティス

 まだ幼さを残すが品が良く人を惹きつける魅力がある少年。アラニアを慕っており、その他蝶姫からも可愛がられている。

 母親不明とされているが、実のところ「蜂」である皇帝が「蜘蛛」である宦官長に生ませた子。蜂による生殖には従来の性別区分や生殖プロセスが必要ない証であり、その複雑な立ち位置、未だ判別できない体質(成長で「蜂」「蜘蛛」となる可能性もあるし、普通の人間や「蝶」体質になる可能性も皆無ではない)は帝国の行く末を暗示しているかのようでもある。

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