あなたのこと

日向ひなた しおは、クラスの人気者だった。




まず、見た目がそこそこ目立った。


たぶん生まれつきの、淡い色をした、光を受けてきらきらと輝く髪。それを高い位置でポニーテールに結った姿が、いかにも快活そうな印象を与える。


ぱっちりとしていて、少しだけ気が強そうに感じるつり目がちな目元にも、同じ煌めきと色彩を宿していた。


それから、一年中照りつける太陽の光を浴びて、程よく小麦色に焼けた健康的な肌。すらりと伸びた、長い手足。何とも言えない、スタイルの良さ。




どこをとっても、私とは正反対だった。




外見だけじゃない。

同じ人間とは思えないくらい運動神経が良くて、部活の助っ人に引っ張りだこだった。


だけど、勉強は全然出来なくて、

地理なんて、百点満点のテストで一桁の点数を取ってた。でも、数学と理科だけは、

少しだけ得意なみたいだった。


そんなところがまた、親しみやすかったのだろう。



性格は、いいのか悪いのか。正直別に、

どっちでもないと思う。そんな彼女と正反対な私も、大したことはないのだろうが。


日向 汐は、とにかく明るくて、ノリが良い、と言えば聞こえはいいけれど、実際のところ、うるさいだけだと思うこともあった。

それからちょっと、いや、だいぶ馬鹿で、

でも意外と、気配りも出来る。やれば出来る。そんな女だった。

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