第4話 安価ボールペン

ここは勉強机の上。文具たちは今日も会議をします。

消しゴム

「みんなお疲れ〜。」

ボールペン

「お疲れ様です。」

シャーペン

「あー。主人しゅじんの買い物に付き合うのも一苦労だぜ。」

定規

「いや、俺たち鞄の中で揺られてただけで、特に何もしてなかっただろ。」

ボールペン

「あ、あの皆さん。」

シャーペン

「おう。なんだ?」

ボールペン

「今日の議題なんですけど私のでいいですか?」

消しゴム

「珍しいわね。ボールペンが議題を持ってくるなんて。」

定規

「どんな内容なんだ?」

ボールペン

「今日の議題は、、、ボールペンって安くない?問題です。」

シャーペン

「ほう?結構謎な議題だが。」

消しゴム

「どうしてそれが気になるの?」

ボールペン

「私、今日の買い物中に、鞄の隙間から売られている文房具を見てたんです。」

定規

「確かにいっぱい置いてあったな。」

ボールペン

「そしたら、私たちボールペンのコーナーをご主人様しゅじんさまが通ったんです。そしたら、。」

消しゴム

「そしたらどうなったの?」

ボールペン

「とても安く売られてたんです。」

定規

「なんだよそれ。でも文房具だし安いもんじゃないのか?」

ボールペン

「でもシャーペンさんとかは高く売られてるものもあって、、、同じ書くための道具なのに。」

シャーペン

「お前たちも高いのあるだろ?」

ボールペン

「高いのは確かにあります。でも今日見た中で安いのだったら、何本も入っていて100円って書いてあったんです。」

消しゴム

「それがどうしたって言うのよ?」

ボールペン

「私たちはそんなに安い存在じゃないと思うんです。」

定規

「どうしてそう思うんだ?」

ボールペン

「私たちは一回で補充できるインクの量も多く、サラサラとかきやすい、色の種類も豊富なんです。なのに芯の交換も多くて折れやすい、芯の色も少ないシャーペンさんたちが私たちより高いのは納得できません!」

シャーペン

「さりげなくバカにされた気がしたがどう思う?」

消しゴム

「大丈夫。バカにされてるよ。」

定規

「でもボールペンって大体透明のプラスチックだろ。それなら安価で作れてもおかしくないんじゃないか?」

ボールペン

「オシャレなボールペンもいます!世の中にはボールペンを収集するマニアの方もいらっしゃいます!でもそんなオシャレさんでも4桁行くのは稀ですし、。とにかく納得できないんです!」

定規

「なんか今日いっぱい喋るな。変なもの食べたのか?」

ボールペン

「大丈夫です!なのでシャーペンさん、、。私と勝負してください!」

シャーペン

「え?」

ボールペン

「ボールペンたちのプライドをかけた戦いです!」

消しゴム

「急に変な展開になってきたったよ?止めた方がいいよね。」

定規

「そうだな。お、おいボールペン。落ち着けよ。」

シャーペン

「いいぜ。何をやるか知らねーけど。俺は絶対に負けないぜ?」

定規

「なんでお前は勝負に乗るんだよ!」

シャーペン

「売られた喧嘩は買う。それが男の流儀だ!」

消しゴム

「バカなこと言ってんじゃないわよ。」

ボールペン

「負けた方は今後一切、芯の詰め替え禁止です。」

シャーペン

「いいぜ。受けてたつさ!」

定規

「ちょ。何言ってんだよ?」

ボールペン

「行きますよ、、、。」

シャーペン

「こいっ!」

定規

「おいお前たち。やめろ!」

ボールペン

「ていや〜。」

消しゴム

「やめなさ〜い!」

ボールペン

「消しゴムさん。なんで止めるんですか?」

シャーペン

「真剣勝負の邪魔するなよ。」

消しゴム

「少し落ち着きなさい。なんでこんなやつに劣等感抱いてるのよ。」

シャーペン

「おい。今こんな奴って言ったぞ。」

定規

「だまっとけ?」

ボールペン

「で、でも」

消しゴム

「あのね。相手はシャーペンよ?こんなやつにプライド燃やして、勝負挑んで。そんなくだらないプライドなんて捨てなさい。」

シャーペン

「またこんな奴って言った。」

定規

「うるせーぞ?」

ボールペン

「でも、やっぱり許せないです!」

消しゴム

「大丈夫よ。あなたはこんな奴よりよっぽど偉くて優秀だわ。」

シャーペン

「おいまた、むぐっ!」

定規

「黙ってろって言っただろ?」

ボールペン

「そう、ですか?」

消しゴム

「そうよ。心配しなくていいわ」

ボールペン

「安くても大丈夫なんですか?」

消しゴム

「えぇ。安いからなんなのよ。あなたの素晴らしい性能を色んな人が体験できるなんて、幸せじゃない?」

ボールペン

「そ、そうですね。ありがとうございます。私反省します。」

消しゴム

「わかってくれたならそれでいいわ。」

ボールペン

「あの、シャーペンさん。」

シャーペン

「んっ!ぷはぁ〜。息止まるところだったぜ。んんっ!で、なんだ?」

ボールペン

「さっきは申し訳ありませんでした。」

シャーペン

「あ、あぁ。わかってくれればいいんだよ。あっはっは〜。」

ボールペン

「これからはあんな事にならないように、シャーペンさんよりもっと安価で性能の良いボールペンが生まれるように努力します。」

シャーペン

「せいぜい努力したまえ。あっはっは〜。」

定規

「あいつさりげなくひどいこと言われてるのに気づいてないよな。」

消しゴム

「流石シャーペンよね。根っからのバカって感じ?」

シャーペン

「お前らなんか言ったか?」

2人

「え、なーんにも?」

シャーペン

「絶対嘘だろ。このやろ!」

2人

「やめ(ろ)(て)〜!」

ボールペン

「よし!今からいっぱい頑張ります!」







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