第3話 楽器な定規

ここは勉強机の上。文具たちは今日も会議をします。

定規

「俺さ、最近思うんだよね。」

消しゴム

「なにを?」

定規

「俺って楽器なんだと思うことがあるんだよ。」

シャーペン

「おっと?いかついこと言ってるな。俺たちは文房具だぜ?」

ボールペン

「シャーペンさんの言うとうりです。」

定規

「俺たち文具はさ、何かしら音が出るだろ?」

シャーペン

「確かに。」

ボールペン

「私とシャーペンさんは頭を撫でられると声出ますもんね。」

シャーペン

「お前ほどじゃないけどな。」

消しゴム

「私も少し鈍いけど落ちた時とかに音が鳴るわ。」

定規

「だろ?俺も音出るんだよ。」

消しゴム

「ビヨーンってなるやつでしょ?」

定規

「そうなんだよ。」

シャーペン

「でも、それだけだろ?俺たちと変わらないんじゃないのか?」

定規

「それが違うんだよ。」

ボールペン

「何が違うんですか?」

定規

「俺たち定規は楽器として認識されることがあるんだよ。」

シャーペン

「何言ってるんだよ。」

消しゴム

「定規、大丈夫?頭でも打った?」

定規

「心配するんじゃないよ。頭なんて打ってない。」

ボールペン

「でも定規さんがそんなこと言うなんて考えられないです。」 

定規

「いいか?お前たち。俺たち定規は文具であり楽器なんだ。なぜなら『モノサシスト』という方が世の中には居るんだよ!」

3人

「え!?」

ボールペン

「なんですかそれ?」

消しゴム

「どういう人なの?」

定規

「説明しよう!『モノサシスト』とは、定規またの名を物差し。これを弾くことで楽器として利用し、演奏する人の総称のことを言うのだ!」ボカーン

シャーペン

「ちょっとかっこいいな。」

定規

「だろ?」

消しゴム

「何今の派手な演出。効果音もついて無駄に豪華じゃなかった?」

ボールペン

「それぐらい嬉しいんでしょうね。」

定規

「そんな『モノサシスト』がいる。つまり俺たち定規は、もうすでに楽器として世間に認識されてると言っても過言ではないのだ!」

シャーペン

「なるほどな〜。」

消しゴム

「流石に過言じゃないの?」

定規

「いいや大丈夫さ。なんなら最近の学生は俺たち定規を机に添わせて弾くのがブームなんだよ。」

シャーペン

「確かに。学校で定規を弾いている学生見たことあるな。」

消しゴム

「言われてみればあったような気がするわ。」

ボールペン

「ブームというほどのものでもないですけど。やってる人は確かにいますね。」

定規

「だろだろ!俺たちはお前らは違うんだよなぁ〜。やっぱり俺たち定規はメディアとか考えてるからさ。いつも綺麗にしとかないとダメなんだよなぁ。」

消しゴム

「すごい。相当調子乗ってるね。」

ボールペン

「それだけ嬉しいってことですよ。」

定規

「俺もいつ有名になるかわからないからなぁ〜。サイン欲しかったら言えよ?あ、そうだ。これからは定規様って読んでいいぜ?」

消しゴム

「それはちょと、。」

ボールペン

「嫌ですね。」

定規

「あれ〜?俺にそんなこと言っていいのかなぁ〜?俺が有名になっても知らないぜ?」

シャーペン

「でも俺、見たことあるぜ?」

消しゴム

「何を?」

シャーペン

「定規を弾いて音鳴らそうとしたら衝撃で定規が折れた学生。」

定規

「え?」

ボールペン

「確かに見たことあります。」

定規

「で、でも。上手い人はいくらやっても折れないぜ?」

消しゴム

「それは上手い人が鉄製の定規を使ってるからじゃないの?」

ボールペン

「折れた定規さんはほとんどプラスチックでできてましたね。」

シャーペン

「お前プラスチックじゃん。」

定規

「確かに、、、。」

シャーペン

「どうした?急に威勢無くして。」

消しゴム

「なんだって?定規様と読んでいい?」

ボールペン

「メディアに気を遣ってるんですか?」

シャーペン

「どうしたんだよ。有名になるんだろ?w」

定規

「、、、。」

3人

「どうな(んだ)(の)(ですか)?」

定規

「申し訳ございませんでした〜!」

シャーペン

「もう2度と調子乗ったこと言うなよ!」

定規

「もうしませんから。許してください!」


数日後


シャーペン

「おーい。定規様〜。」

定規

「やめてくれ、、、。」

ボールペン

「定規様。」

定規

「もう、勘弁してください。」

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