第775話 ビーレアへの偽装攻撃
「ジェロ様、でも住民への被害も出さないようにするのですよね?」
「うん、もちろんだよ。リスチーヌもコンスタンもアルマティも気をつけてね」
エアライツの街の西に陣取っている、ムスターデ帝国の1万規模の軍勢の注意を引くため、エアライツの東にあるビーレアの街に攻撃を行うのである。
「つまり、今回も城門を燃やすだけなんですね」
「でも、人がいますけれど」
ビーレアの街も東西南北の4つの城門があり、インラントほど頑丈そうではない木製の門扉が開いていた。戦争地域とは少し離れた街であるため住民や商人の出入りがあるようである。
「コンスタン、門の周りでルッツによる威嚇行為をしてくれる?」
「承知しました」
ワイバーンを初めて見る者も多いと思われ、その姿が街の近くを飛ぶことにより通行人が悲鳴をあげる。
城門の衛兵が近くの通行人に声をかけて城門の中に呼び入れているのが見える。そして全員が入り切ったところで門が閉じられるが、それを見守った後に門扉に攻撃をかける。
『きっと俺が悪者扱いだね』
『帝国から見たら特にそうでしょうね』
木製の門扉はそれなりに頑丈に作ってあったようだが、ジェロ達の火魔法の火力では燃え落ちるのに時間はかからない。
ただ、門扉に火がつくと直ぐに住民も衛兵達も離れたようであり、怪我人は発生していない。門扉が燃え落ちるのを見ると、住民達は悲鳴をあげて街の中心に逃げていく。
『あーぁ』
『はいはい、残り3つの門扉も行くんでしょ。気落ちせずに』
『悪の親玉なんだろうな……』
心では落ち込んでいるが、作戦のためと割り切り東西南北の4つ全ての門扉を焼き払うジェロ達。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます