第715話 インラント急襲3
インラントに戻ってみると危機的状況ではなかったが、3,000騎もの帝国軍がエアライツの方に向かわれると困るため、何らかの対策が必要である。
せっかくインラントに到着したが、少し後に来るはずのコンスタンと合流するためにまた少し東側に戻るジェロとアルマティ。
「コンスタン!」
「ジェロ様、街で合流すれば良いと思っていたのですが」
ワイバーンに騎乗したままのコンスタンと上空で合流するジェロたち。
「なるほど。では、3,000騎にはジェロ様たちの魔法攻撃と、ルッツのブレス攻撃で、インラントの街の近くに足止めしておく必要があるのですね」
「そう。また南から増援が来るかもしれないけれど、まずは目の前の部隊を」
「それでしたら、前にこっちで作っていた落とし穴のところ、再度使えませんかね?」
「なるほど。あの部隊はそのことを知らないだろうし。ディートマルたちが到着したらさっそく相談しよう」
いくら騎兵とは言っても弓矢などの遠隔攻撃手段がまったく無いとは思えないので、コンスタンには近づき過ぎない距離でブレス攻撃をして貰う。やはりワイバーンのブレス攻撃は帝国軍でも驚きの対象のようであり、混乱しているようである。
ジェロとアルマティも、コンスタンとはまた別の方向、特に砦の方向から帝国の応援騎兵隊に対して魔法攻撃を行う。無差別攻撃というより、手前に強力な魔法を打ち込むことでこちらの力を見せつけるためである。
また、砦にいる戦争奴隷にまではしていない帝国軍の捕虜たちが余計なことを考えないように、という牽制のためでもある。
街に戻ると魔術師団のレーハーゲル副団長が迎えてくる。
「テルガニ伯爵、流石ですね。これでいったんはこちらインラントの街に意識が集中するかと。それにこれだけの戦力を見せつけると安易な攻撃もしてこないでしょう。こちらの内情は、テルガニ家の皆さんを除くと、志願兵と少しの魔術師団だけなので助かります」
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