第716話 インラント防衛
インラントを取り囲む帝国騎兵に、ワイバーンのブレスと強力な火魔法で牽制した後、ジェロたちは街の東に向かう。後からくるディートマルたちと合流するためである。
「ジェロマン様、何かありましたか?」
マドロールたちにすると、街よりかなり手前でジェロと合流することになったので、何か予定外のことが発生したのかと不安になる。
街を囲む帝国軍から見えない場所で合流し、部下たちには休憩させながら幹部だけで情報共有を行う。
「なるほど。確かに騎兵だけで北上して来たのは、陥落前のインラントに対する支援のつもりだったのでしょう。それが既にラーフェン王国に取り戻されていた上に、ワイバーンや強力な魔法の牽制をされたのですか」
「敵はかなり戸惑っていますよね、きっと」
「いくら帝国軍といえども3,000もの騎兵を送り出した後のさらなる増援は機動力の劣る歩兵たちになるでしょう。それに増援部隊に対する食糧などを積んだ輜重隊も必要になりますし」
「じゃあ、まず騎兵たちを何とかして、後から来る増援にも対処が必要ということか」
「コンスタン様がおっしゃるように、前の落とし穴を再び使用するのは良い作戦かと」
とはいうものの、こちらは100騎程度しか居ない。落とし穴は前回と同様の数百人規模を対象に作っても、その後に拾い上げて捕虜にする手間がかかる。また、もしそれ以上の敵が追いかけてきたら穴からも溢れてしまう。
「大丈夫ですよ。もしそれ以上の敵が来たら、ワイバーンのブレスやジェロマン様たちの魔法攻撃で足止めができますから」
「それに捕虜については、砦に手伝って貰いましょう。戦争奴隷への処理が終わった者たちを借り受けることで対処ができるでしょう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます