第668話 リブルドーでの某王太子たち2
「おい聞いたか?ここから北側の街が皇国軍に落とされて来ているらしいぞ」
「あぁ聞いている。まずいな」
「ここリブルドーは守りに向かない街だからな。特に魔物へ遠隔攻撃をやりきって弓矢も投石も弾切れだから、人間に攻められるとすぐ終わるだろうな。魔法使いも消耗しきっているし」
「とは言っても、オークやハイオークまでは何とか倒しきったがBランク魔物の地龍(ドレイク)が街の周りに居るから逃げられないだろう?」
魔物が取り囲むリブルドーの街に閉じ込められたままの、コンヴィル王国の元王子のギャストルとラーフェン王国の王太子のオンハルトである。
「ドレイクは足が遅いから何とか逃げられないかな?」
「もし捕まったら炎ブレスで一発だぞ」
「誰か一緒に逃げ出せる奴を引き込めないのか?」
「無理だな。俺たちに統率力でもあれば付いてくる奴も居ただろうが」
「魔法は使えない、剣の技もせいぜいオークと対抗できる程度、統率どころか味方を盾に逃げることしかできない……」
「何だと!」
「いや、俺自身のことだ。まぁお前もか」
「ゔ!今さらだがな。帝国の将兵も俺たちのことなんて分かっていて、血筋以外に期待していないよな」
「あぁこのベルカイム王国でも手柄を立てようにも何もできなかったからな……」
今さらながらに自分のことを客観的に評価できるようになったようである二人。
「あれは何だ!」
「誰かが魔物を倒していっている。空を飛んでいるアイツらだ。でも帝国の魔人では無いようだ。誰なんだ、あの黒ローブの4人は!?」
「帝国でないならば敵だろう?今のうちに逃げるしか選択肢はないだろう!」
「くそ!また逃げ出すのか……」
「置いていくぞ。ベルカイムでも南部に逃げればまだ帝国兵がいるはずだ」
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