第626話 テルヴァルデ
まだ家臣たちの中で動揺が続いている中、ジェロは皆が集まっている機会なのでもう一つの先送りを決める。
「もう一つ」
「まだあるのですか?」
「え?あ、こっちはそんな問題では……いや、でもみんなにも影響するし今後もずっとだし……」
「一体なんのことですか?」
「あ、開拓地、領地の名前だよ。テルヴァルデってどうかな?」
「はぁ、領地名ですか。何事かと思いました。で、テルヴァルデですか。テルガニ侯爵家と同じテルと、森でしょうか」
「流石レナルマン。森でもヴァルトではなく少し古い言い回しでヴァルデにした方が格調があるかなと。で、テルは豊穣の女神デメテル様の後半で、テルガニの家名と同じ由来だよ」
「確かに領地は森が中心ですし、良いかと。テルヴァルデ、響きも良いですね」
「ジェロ様、流石です!」
「ではあの開拓地が街になれば、“テルヴァルデの街”ですね。そしてテルガニ侯爵家の領地はテルヴァルデ。ジェロ様はジェロマン・テルガニ・テルヴァルデ侯爵ですね」
「テルが続きますが、まぁよろしいのではないかと。デメテル様への信仰の深さということで。悪魔と契約していることが変に受け取られた際にも」
「まさかと思いますが、どこかに先に使われることがないように、王都には使いを出しておきます。また近隣の領主たちにも伝達しておきます」
「流石マドロール、お願いね」
「それにしても、後者は心の準備も不要でしたが、前者は驚きましたよ」
「確かに。ジェロ様の魔法の秘密の1つでしょうか」
「うん、ヴァルには魔法のことを色々と教わったよ。俺がここまで成長したのはヴァルのおかげだね」
『もう私たちは消えるわよ』
照れたのか、特にリバイモンが関係ない話題に付き合わされるのが嫌だったのか、悪魔3人の姿が消えても話題には残り続けるのであった。
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