第612話 開拓拠点検討2
「あちらに池がありました。山からその池に続く小川も」
開拓拠点にする場所を探していた歩兵部隊から報告があがる。森の中ではあるが、自分達が山越えをして出て来た場所から1kmも離れていない。
その近くに開拓拠点を作り、その横を通るように道を整備すると将来的にも期待が持てそうである。
「よし!じゃあ他人もいないし、遠慮なくやっちゃおうか」
ジェロがアルマティやリスチーヌを中心に誘って拠点作りに取り掛かる。まずは縄張りと呼ばれる場所決めからである。
ジェロの性格的にきちんとした物が作りたいと、正方形にしたいと言い出すと、レナルマンたちも今後の拡張もしやすいからと同意してしまう。この世界の村や都市は事前に設計して整備されることはほぼ無いため、どうしても中心から同心円のように広がる円形が普通なのに、である。
森の端から場所を決めて、まずは500m四方の正方形を整地するのだが、すぐ後に1km四方に拡大する予定である。
「じゃあここからそこまでね」
と遠目にもわかるように≪石壁≫で目印を作り、それより内側の木々を倒していくのである。その木々も≪泥沼≫で柔らかくした上で≪根縛≫にて根を操作して抜けやすくして倒してしまう。それを魔法の袋に次々と収納していくのである。
ジェロは調子に乗り、ヴァル、リバイモンたちと木々を倒し、残った下草などはハポリエルに燃やさせていく。
アルマティやリスチーヌ達の方は、悪魔達の手も借りているジェロ側ほどのスピードが出せるわけもなく、どんどん差が開いていく。
「ジェロ様、手加減してくださいよ。ついていけませんよ」
「じゃあ半分からそっち側もやってしまうね」
次々と木々が消えていく様をみて言葉を無くす、新たに加わった戦争奴隷達。
「気にしては負けだ。俺たちは俺たちでできることをしていこう」
と、収納袋から取り出した木々から枝を落として丸太にしていく作業を分担するようにイドが音頭をとる。
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