第597話 王都での挨拶まわり3
「テルガニ侯爵、さすがでした!団員達の目の輝きが変わりました。本当になんとお礼を申し上げれば良いか」
「いえ、お役に立てたのならば幸いです」
「拝見したそれぞれの魔法、通常のものよりもかなり威力が高そうでしたな。何か工夫されているのですよね?」
「はい、例えば≪豪炎≫には風魔法を複合しております」
「なんと!それらを教えて頂くことはできないでしょうか?もちろん交換条件はご用意します。はい、禁書庫にあるような魔法を王城と交渉して来ます!」
ラロシェル団長による王城との交渉を待つため、明日に再度訪問することを約束し、新しい屋敷に戻るジェロ達。
「あれ?知らない馬車が停まっていますね」
「あの紋章はヴァランタン伯爵家ですね」
「さすがマドロール。で、その名前ってニースコンの?」
疑問に思いながら自分たちも馬車を降りて屋敷に入る。
「お帰りなさいませ。お客様がお待ちです。王国騎士団の皆様方です」
執事のクシミールが来客の名前を教えてくれる。ジルダ・ヴァランタン伯爵、クレール・ラプラード子爵、マリユーゲ・ジュリユー準男爵の3人である。
「ジュリユーさん!ルグミーヌ王国の際にお世話になりましたね」
早速、応接室に向かう。
「皆様、お待たせして申し訳ありません」
「いえいえ、テルガニ侯爵。こちらこそ勝手にお邪魔して申し訳ありません」
「ジュリユー、堅っ苦しい話は良い。テルガニ侯爵、ニースコンを解放してくれてありがとう。その前には、このジュリユーに付き合って外交使節団の奪還にも協力してくれたこと感謝する」
「ダメですよ、そんな口調、侯爵ですよ。伯爵より偉くなられているんですから」
「クレールはいつも五月蝿いな」
モーネ王女の要請に応じてムスターデ帝国への対抗のために最初にニースコン付近に派遣された司令官のヴァランタン。相変わらず体育会系の熱い男でありジェロは腰が引けてしまう。
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