第579話 周辺状況

「テルガニ伯爵!うれしい悲鳴ですよ」

 アナトマ商会にワイバーン6体、ドラゴン1体の死体を納品すると大量の貨幣と共に感謝を返される。

「ドラゴンを倒されて魔銀級冒険者になられたと。おめでとうございます。流石ですよね」

「いえ、皆のおかげで」

「そういうところがテルガニ様ですね。そう、ユゲットお嬢様から言伝を承っています」


 モージャン領主の令嬢ユゲットからの伝言は、王都に向かう際に置いて行ったら怒りますからね!というものであった。モージャンに来てユゲットに連絡を取らなくてもアナトマのところには必ず来ると見透かされている。

「はい、商人としてテルガニ様にそれだけ頼りにして貰えていること、またそれを領主令嬢にまで認知されていること、ありがたいですよ」

「まだ王都には行きませんので。その際には、とだけお返事お願いします」



 モージャンに来るともう一つ寄る相手がいる。冒険者ギルドのアンブリスである。

「とうとうSランク冒険者になったようだな。流石だな。抜かれてしまったし、俺も困ったことがあったら助けて貰おうかな」

「アンブリスさんが困ることなんてあるのですか?ただ、はい。まぁそんなことがあればご連絡くださいね」

「ところで周辺の状況を聞いているか?」

「いえ、自分のことばかりにかまけていて」

「貴族様なんだからもう少しは。それに自分も関わっていたのに。まぁ来たついでに聞いて行け」


 アンブリスによると、ラーフェン王国の西部もムスターデ帝国から奪還できたとのこと。レジスタンスの働きだけでなくルグミーヌ王国との協力で実現したらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る